先日、次男セーマンと久しぶりに一緒にお風呂に入った。

幼稚園の時はほとんど毎日一緒に入っていたのに、
小学校に入学してからというもの、確立された小学生チームの時間の流れにのまれ、
母とゆっくりお風呂に入ることも少なくなっていた。

7人家族が定着して5年も経つと生活もだいぶ形が定まってくる。

お風呂掃除は、長男タイ兄の担当ということもあり、
お風呂一番乗りは、かなり高い確率でタイ兄。

寒い日は特に
浴槽いっぱいに溜めたアツアツのお風呂に入り、たっぷりと温まったアイツは、
出来立ての温泉卵の湯気を閉じ込めるように、
頭からパジャマをスポッとかぶるのが、
お風呂上がりのアイツの定番のスタイルだった。

そんな兄貴に続けとばかりに、
直近の弟セーマンも、兄貴とお風呂に入ることが多くなった。

タイ兄も弟達の面倒をよく見てくれるので、
家事に追われる母の身としては、
そのままタイ兄に弟達をお願いすることが多くなっていた。


ただ、タイ兄のお風呂一番乗りも例外がある。

偏頭痛持ちの母に、痛みの波が到来すると、その順番が逆転する。

タイ兄はお風呂掃除を終えると、少し熱めにお湯を溜め、
一番風呂を母に捧げる。

お風呂で温まって血行促進しなきゃ!という母のセリフが
いつの間にか頭に刻まれているのかもしれない。


偏頭痛に見舞われた日。
母は誰よりも早く、お風呂に入った。そして長くお風呂に浸かっていた。

すると、お風呂のドアを誰かがノックした。

「ママ、入ってもいいですか?」

次男セーマンの声だった。

「どうぞー。」

お風呂に先に入らせてもらったお陰で、母の偏頭痛もだいぶ和らぎ、
他の誰かと一緒にお風呂を楽しむ余裕が、生まれていた。


湯船に浸かる母の、少し元気そうな表情を見て安心したのか、
次男セーマンは洗い場で、自分の靴下を洗いながら、学校での出来事を話してくれた。

席替えをした話、ドッジボールをした話、係り決めをした話。

アイツは、
久しぶりの母とのバスタイムを楽しんでいるかのように見えた。

話を弾ませながら、アイツは頭を洗い、次に体を丁寧に洗っていた。

洗い終えて、鏡を見ると、アイツの濃い眉毛の上には、
頭を洗った時のシャンプーの泡が雪のように積もっていた。

その泡が眉毛から落ちて、頬をつたうのを見計らうかのように
アイツは洗面器に溜めたお湯で、顔をジャブジャブ洗った。

洗いあがった自分を確認してアイツは言った。

「どうしたらいいんだろう・・・・」

アイツは怪訝そうに鏡を眺め、目を潤ませながら、湯船の母を見た。

お風呂の蒸気で目が潤んでいるように見えたのかもしれない。
母には少なくとも、少し思い悩んでいるように見えた。


「どうしたの?何かあった?」


母はいつの間にか、自分の頭痛のことは忘れていた。
息子の声に真剣に耳を傾けたかった。

「セーマンだけなのかな・・・・」

アイツは、母の目を見つめながら、言葉を続けた。


「セーマンね、頭を洗うとね、顔が濡れるの・・・。」


・・・そうか。頭を洗うと、顔が濡れるのか。
よくあることよ。いや、むしろ当たり前の流れじゃないかしら。


「体を洗うと、顔にお湯が跳ねて、
気がつくと顔が濡れてるの・・・。」

・・・・そう。顔にお湯が跳ねるなんて、日常茶飯事よ。
だって、ここはお風呂よ。


セーマンは湯船の母を見つめながら、こう訴えた。

「最後に顔を洗おうと思って、顔を濡らそうって思った時、
もう、オイラの顔は濡れてるんだ。(涙)。
まだ顔を洗ってないのに!!
洗う前から、顔を洗ったみたいに濡れているなんて!!!
オイラは、顔は洗ってないんだ!頭を洗っただけなんだ!」




・・・・。
(  ゚ ▽ ゚ ;)




母は息子の目を見つめながら、心の中で静かに思った。

だからどうした?!

・・・と。

思っただけで、口にはしなかったが、
息子の悩みが、想像以上に、薄すぎて、驚いた母。


お前はネコか?!

↓お風呂で顔が濡れるのを嫌がる次男セーマン。

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頭がボーとするのは、
お風呂の蒸気のせいか、アイツの情熱のせいか、それとも
久しぶりの長風呂のせいなのか。


以来、顔を濡らさないための洗髪方法を毎日模索している次男セーマン。

アイツは風呂場という戦場で、革新的な洗浄方法を追究しているのであります。


嗚呼。カワイイ。
(↑最終的に親バカ万歳。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:)


今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました(^人^)





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