アイツは、いわゆる長女キャラだ。

朝。いつもの時間に家を出た。
恒例の母と娘の2人の朝活。


玄関を出た途端、冷たい風が吹き抜けた。

確実に季節は移ろいでいた。
辺りはまだ真っ暗だった。

空を見上げると満点の星空が私たちを包んだ。

母「すごいねー。北斗七星があんなに近くに見えるよ。」

娘「本当だ!あ、ほら!ママの好きなオリオン座も見える!」

母「おーーーー!もうそんな季節か~。」

娘「冬が始まるね~。」

ひんやりとした澄んだ空気は、日頃気がつかなかった星空をぐっと引き寄せた。

母と娘はしばらく足をとめ、星を見た。



母と娘の朝活も、早いもので8ヶ月目を迎えようとしている。

いつも通り歩みを進める。
学校のこと、兄弟のこと、これからのこと、いろんな話をした。

長女は長女の気持ちがある。
長女経験者のワタシは、それをよく分かっているつもりだ。


長女の立場や悩み、想いを分かっているのに
やはり長女のアイツには、年を重ねている分、厳しい眼鏡をかけてしまう。

いつの間にか、それもアイツの中で折り込み済みになってきた。

時に母以上に、弟達を叱咤激励する。

アイツはまもなく13回目の誕生日を迎える。

仕事が長引いて帰りが遅くなった昨日。

「ごめん!まだ長引きそうだ・・・(涙)!!」
焦る母からの電話にアイツは言った。

「了解。任せといて。」



母が帰宅した時は、すでに食後の団欒だった。

「お味噌汁、飲む?」
アイツのセリフに次女みーたんの言葉が重なる。

「美味しかったよ!やっぱり、お味噌汁はカン姉ちゃんのが一番だ!」


「俺が山芋、擂り下ろした!」タイ兄が声を上げると、
「アボカドは、セーマンだしーー!」とセーマンが勢いづく。

「納豆はコーがまじぇたー!(混ぜたー!)」と末っ子は満足そうに笑う。

どうやら、
献立は「玄米、白菜とわかめの味噌汁、アボカド山芋、納豆、卵」だったらしい。



「みんなが手伝ってくれたよ。
【まごわやさしい】の「し」だけが足りなかったけど・・・」

母への味噌汁を温めながら、アイツは背中で語った。

「あ!本当だ!んもー!干し椎茸で出汁とればよかったじゃーん!」
とタイ兄貴が言うと、
「どの口が言うのよ・・・( ̄ー ̄)」と言わんばかりに
アイツはニヤリと笑った。


「いただきます!」熱々のお味噌汁を食べながら母は目を閉じた。

5人兄弟の少しうるさいくらいの賑やかな会話は、
母の緊張をゆっくりとほどいていく。

「お仕事、どうだった?」
「うまくいった?」

母を囲み、矢継ぎ早に質問が飛ぶ。母から子供たちへの報告会が始まる合図。



話途中に「あ!」と立ち上がる母。

推し量ったように母の言葉を遮る長女。
「あ、洗濯物?取り入れておいたから。大丈夫よ。」と呼応した。



「よくわかったね・・・」

「帰ってきて気になるといったら、食事の準備と洗濯物でしょう?」

「ありがとう。よくぞやってくれた!助かった!嬉しいぞ!」

嬉しくて抱きつこうとした母に、アイツは言った。

「ママが頑張っているから、アタシも、なんかやんなきゃって思うだけ。
お互い様よ!お互い様!
ママが頑張ってなかったら、アタシもやろう!なんて思わないから。(キッパリ)
結局は、ママ次第ってことよね~。
全てママ自身のことが自分に返ってきてるだけよ。(キッパリ。パート2)」



「・・・・・・( ̄□ ̄;)!!」


(だからこれからも頑張りなさいよ。)←声なき声が聞こえる気がする。

カンちゃん・・・
アナタ・・・・・


・・・誰?(  ゚ ▽ ゚ ;)


恒例どっちが親だ?シリーズ。秋の陣。


まだまだ頑張れ!母ちゃん。
いや、
まだまだ頑張れる!母ちゃん。

その背中を子供たちは見ているのだから。
出来るだけカッコいい背中を見せてやれ。

ということを自分自身に言い聞かせつつ迎えた朝。


きょうから幼稚園は冬服に衣替え。



秋の冷たい風に、季節の移ろいを感じ、
一段と身の引き締まる想いの母ちゃんです。




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