アイツの感謝が止まらない。

副理事長(村長母上様)が鹿児島にやってきて早10日。

アイツ達は暇さえあれば、副理事長とお出かけする。

特に長女カンちゃんと長男タイ兄は
日頃、兄弟を牽引する立場だけに
副理事長は孫として甘えさせてくれる、尊い存在だ。



岡本家のわずかな歴史を紐解いても
カンちゃんやタイ兄から「おねだり」をされたことがない。

暗黙の了解で、
長男長女である自分たちが欲しがったら
弟達にも伝染すると自覚しているのかもしれない。

副理事長に対しても同じだった。
頑にアイツたちは「欲しがる」ことをしなかった。
むしろ「買って上げようか?」という副理事長の言葉を
「いいから。いいから。」と口を揃えて辞退した。

そして
無邪気に欲しいものを手にする末っ子コーマルの姿を
静かに眺めていた。


次第に副理事長は何も欲そうとはしない長男長女を連れ出すことが多くなった。


そしてアイツ達の心に潜む「欲しい」という気持ちの扉を、
優しくノックし続けた。
「たまには欲しがっていいんだよ」と。

ある日。
仕事から帰宅した母に、喜び勇んで駆け寄ってきたアイツ。

「ばーたんに買ってもらったーーーーー!」



アイツ達は嬉しそうに、母に報告し、
姉とその喜びを分かち合っていた。

アイツの欲しいもの。
それはやはり「本」だった。
それも「空想科学読本」。

そして姉のカンちゃんがいつも使っていたシャープペンシル。
その書きやすそうな姿をいつも羨ましく思っていたタイ兄。

その憧れの筆記用具も、仲間として加わった。



アイツの日記には、抑えきれない喜びが
こぼれ落ちるように書き綴られていた。





題名【シャープペンシル】
今日、祖母にシャープペンシルをかっていただきました。
すごく格好良いクルトがだったので、とても嬉しいです。
またシャープペンシルをよく使うので、
(この日記にもつかっています)
これをジャンジャンつかいたいです。
このシャープペンシルさえあれば、もうシャープペンシルはいりません。




題名『本』
今日、また本を買っていただきました。
冊数はなんと4冊で、2秒で読める世界クイック名作と空想科学1~3で、
2秒で読める世界クイック名作は、省き過ぎなので
作者(アンデルセン・グリム兄弟)には見せない方が良いと思いましたが、
すんごく面白いです。



そして今朝。
台風一過で汚れた我が家のベランダを、黙々と掃除して下さる副理事長。

村長の灰掃除に続き、
副理事長までをも巻き込んでの嫁ヤッスバーンの
フォローアップ大作戦。
(。-人-。)



感謝が止まらないのはアイツ達だけではなく、
その母ヤッスバーンも同じように、
感謝が止まらないのであります。

お義母さん、
いつもありがとうございます
(。-人-。)


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