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小学校時代
アイツがずっとずっと
思い描き続けて来た
夢の舞台
応援団長
アイツの夢の舞台が
まもなく
終わりを告げようとしていた。
『優勝旗授与』
赤組応援団長
岡本
開会式で返還した優勝旗が
再び赤組のもとへ
帰って来た。
『最後の運動会。
思い出いっぱいの運動会にしたいと思います。』
アイツの
応援団長として
走り続けた日々が、
思い出に変わる時がやってきた。
９月１１日 水曜日
【運動会が終わる時】
私は運動会が終わる時までに
成長したいことが３つあります。
一つは「きずな」を深めることです。
二つ目は「今までよりも大きな声」を
出せるようにすることです。
三つ目は、「体力」をつけることです。
特に団長になったので頑張ります。
運動会のおよそ3週間前。
アイツは日記に
運動会の真の目標を記していた。
そこには
「優勝」という文字はどこにもない。
「きずな」「大きな声」「体力」
そしてそこから
「成長」を遂げたいという
11歳の少女なりの熱い思いを
力強く残していた。
