≪初めての方へ≫
2005年に妻と二人で小さな整体院「ＹＡＳＵＴＡ」を開院致しました。日々の患者さんと向きあう中で、痛みやケガを繰り返す人には動きに何らかの要因があるのではないかと思い始め、数年前から武術研究家の甲野善紀先生、中国武術・韓氏意拳の光岡英稔先生、小関アスリートバランス研究所の小関勲先生らにご指導頂きながら研究を始めました。そこには一般的なスポーツ科学や体育理論とはまったく違った世界があり、まさに目から鱗がおちる思いでした。そうして運動をゼロから見直した結果、共通して言えることは「いい動きを産み出すにはその前提条件がある」ということでした。
その条件というのは一言でいえば「自然状態であるか」です。かつては家の周りが自然状態でしたので子供達は自然な動きが日常に身についていました。しかしながら現在は整い過ぎた環境の中で生活しているため、からだの自然な動きを必要としない状況になっています。自然発生的な運動経験なしに人為的な運動の練習をどれだけ沢山やったとしてもその効果は半減し、疲労は倍増してしまいます。さらには現代スポーツのような人為的な動きの繰り返しはケガにつながりやすく、また精神面においても本来楽しくて始めた競技や音楽などでさえも、その面白さも失せてただ辛いものになってしまいます。
バランスからだ塾ではその「自然状態にある運動＝全身同時運動」とそうでない「人為的な運動＝局所的時間差運動」の「質的違い」を体で認識してもらい、理屈抜きで体にダイレクトに味わってもらいます。それらを繰り返すことで運動そのものや運動の価値観や定義が変化し、「運動の本質的転換」が始まります。つまり、バランスからだ塾では特別なテクニックを身につけるわけではなく、特殊な能力を得るわけでもなく、染みついてしまっている「人為的な運動」から、「自然の摂理に従った本来の動き」へ戻っていく過程を味わっていくことを目的としています。
例えば、お一人お一人が持っている能力(運動能力のみならず、生命体としての能力全て)が種だとすれば、その種がどのような芽を出し、花を咲かせ、実を結ぶか。それは土の善し悪しにも大きく関係してきます。ウエイトトレーニングやサプリメントといった類は、語弊があるかもしれませんが、手っ取り早く作物を作る為の化学肥料や農薬のようなものであるとも言えます。それらのおかげで沢山実をつけたり、害虫から守られたりするのも事実です。しかしながら自生している野草、自然農法で作られた野菜や果物、天然の魚介類などの本当の強さやおいしさには到底かなわないことは周知のことです。
バランスからだ塾での取り組みは、それらの生命力に溢れた作物のように、お一人お一人に秘められた能力という名の種を育て上げる為の土壌作り、環境作りと言ってもいいかもしれません。
運動が苦手なお子様はもちろん、本格的に競技に取り組んでいる選手、慢性的な症状でお悩みの方、さらにはお仕事や対人関係に活かしたい方、各種指導者の方などにも取り組んで頂けたら望外の望みです。
バランスからだ塾 塾長 安田政之