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第3日;ペトラ遺跡をロバで闊歩!

 今日は楽しみにしていたペトラ遺跡の観光だ。

 (※サウジは砂漠大国だから、こういう遺跡群がない。唯一、見どころの世界遺産“ディルイーヤ”は、僕が来る前から修復中で3年以上立入禁止。全面修復ということで“テセウスの船”化しており、はたしてもはやそれは世界遺産と言っていいのかどうか?わからなくなっている。)

 だから、こういう大規模な遺跡って、よけいに興味をそそられる。かなり歩くと聞いていたが、子供もじじばばも歩いてるんだから、僕もどうにかなるだろうと思っていた。

 

  ペトラとは、ギリシャ語で崖の意で、ペトラ遺跡は世界遺産の一つだ。

 ペトラ遺跡は、2,000年以上前にナバテア人(ナバタイ人ともいう)によって建設。古代メソポタミアやエジプトを結ぶ貿易路の重要な行路だったそう。ナバテア人はここに、砂岩の岸壁に精巧に彫りこんだ岩窟墓やモニュメントを多数残している。

 

 8:00 ペトラ遺跡の入口、ビジターセンターで受付を済ませ歩き始めた。

 (※日本語のしおりがもらえた。入場料はツアー代に入っているが、聞くとディズニーランドなみらしい。)

 ここからシーク入り口までは、馬や馬車に乗って移動することができる。

 (※馬車はエル・ハズネまで乗車可。)

 

 8:20 入口から1kmほど歩くとシークの入り口に着いた。地殻変動と水の侵食により削られた自然の地質断層である“シーク”と呼ばれる狭い峡谷(所により幅3m)が最初の見どころで、シークを取り囲む壁の高さは高いところで180mを超えるそう。迫りくる壁沿いに進みながら、自然のすごさを肌で感じる。

 

 9:00 1.2kmのうねったシークを抜けると、ペトラの最も精緻な遺跡である“エル・ハズネ”(宝物殿の意)に着いた。

 映画「インディ・ジョーンズ」の舞台にもなったところで、砂岩の断崖に刻まれた正面は、幅30m高さ43mもあるそう。AD1世紀にナバテア人の王の墳墓として造られたものとのこと。

 ここには観光客目当てにたくさんのラクダがいた。サウジのラクダはよだれがひどく病気が心配だということで大使館から乗らないようにと通達があるほどだが、ここのラクダはとてもきれいだった。同行者が乗りたいというのでいくらか聞いてみると10JDだったので、約3分の1にあたる5$しかないと値切ったら、簡単にOKされた。それなら僕もと思ったら、ちょうど出発時間が来てしまった…。(※1JDヨルダンディナール=200円)

 

 9:30 ここからさらにファサード通りと呼ばれる岩窟墓が並ぶ通りを抜けて歩いた。古い劇場跡も興味深かった。

 この通りはラクダでの移動ができる。

 (※通りによって、馬、ラクダ、ロバの持ち場が決まっているようだ。)

 通り沿いにはたくさんの露店が出ており、エル・ハズネで1個2JDだった土産用磁石が、通りを進むにつれて1個1JDになり、2個で1JDになり、最後は6個で1JDになっていた。

 モザイクアートの店もサンド・ボトルの店もあって、遺跡群や露店を楽しみ歩き続けた。

 

 10:40 1.7km歩いて、ようやくレストランに到着。やっと一休みかと思ったら、同行者のほとんどは、さらに800段以上の石の階段を一時間上って、エド・ディルと呼ばれる神殿跡に行くという。本音はここで待っていたいところだったが、このブログ書きのためにも?上るしかない。

 

 11:00 ここからの階段道はロバで上れるらしいが、それはかえって怖そうだ。落ちる人も過去にいたとツアコンが言っていたが、納得できる道である。

 登り始めてすぐ道が分かれていたので同行者と別の道を選んだら、合流したのはずっと先、頂上のすぐ手前であった。つまり僕はひたすら一人で上り続けたのだ。何度か挫折しそうになり戻ろうかと思ったが、山道のところどころに露店があり、その雰囲気が挫折感を払拭してくれた。

 それに時々僕を抜いていくかわいいロバの存在も僕を勇気づけてくれた。重い人を乗せて一生懸命上ってるロバに比べたら、僕はまだましだと思えた。

 頂上手前で無事合流。

 

 11:55 山の上にある“エド・ディル”(修道院の意)に着いた。

 エル・ハズネとよく似ているが、幅47m高さ48mということでエル・ハズネよりも大きい。こちらも映画「トランスフォーマー」の舞台になった場所。内部は、中央に祭壇、両側面にはベンチが彫られており、宗教行事に使われていたそうだ。 

 

 12:10 帰路へ。行きは1時間弱かかった上りを、下りは40分で降りれたが、足がガクガクになった。往復で3.4kmあるそう。さすがに降りるときはロバに乗ってる人は見かけなかった。今日は合計7.3km歩いたことになる。

 

 12:50 レストランでビュッフェランチをとり、電動カートで入口に戻る予定だったが、ツアコンがロバに乗って北の駐車場へ向かった方がよいと提案してくれ、2.3kmの上りの道のりをロバに揺られながら移動することになった。

 13:55 ロバは乗り心地はよくない。前後にゆすられながら進むような感じでずっと落ち着かなかった。実際、左にどんどんずり落ちていく同行者もいた。僕のロバは頑丈そうな比較的大きなロバだったので、乗る人によってロバの大きさを考えてるんだなと思ってたら、一番身体の大きな同行者は一番小さなロバに乗せられていた。そのロバは背中の“重い荷物”を早くおろしたいからか、わき目もふらず他のロバを追い抜いていった。ロバは一頭か二頭ごとに手綱を引く人がいるのだが、手綱を自分で持たされ操者が誰もついていないロバもいて、止まったり逆に歩いたり自由に進んでいた。そのロバに乗っている同行者は泣きそうになっていた。おまけになぜか馬が一頭混じっており、操者と共に二人乗りで軽快に僕らを追い抜いて行く同行者もいた。

 このロバ・ライドは、ペトラの最後のいい記念となった。

 

 14:30 これで観光はおしまい。あとはひたすら空港へ走るだけだ。十分満足した僕らは、3時間半の最後のバスタイムを楽しみながら、アンマン空港を目指した。

 

 そうそう、ツアーで出た“弁当”を最後に紹介しておこう。

 日本だと、弁当と言えば折詰弁当だろう。バラだとしたらおにぎりとかバナナとかかな。

 今回は、ヨルダンに着いた日の昼食と最終日の夕食は、ツアーバスの中で食べる弁当だった。さあ、ヨルダンの弁当はどんなかなと思って袋を開けると、何と驚き!

 チーズとレタスを挟んだ簡素なサンドイッチ(パンは丸ごと2枚使用で切られていない状態でサランラップにくるまれている)/カステラ/ドライフルーツ(サランラップ)/リンゴ丸ごと/オレンジ丸ごと・・・ここまではまだいい。他に、トマト丸ごと/キュウリ丸ごと・・・が入っているのだ。なんというチョイスセンス。なんか悲しくなってくる弁当だった。

 

 おっと、最後に悲しい?思い出で締めてしまって、すみません。

 ヨルダン料理とお弁当抜き!で、ぜひヨルダン旅行を楽しんでください。特にペトラのロバ道中はお勧めですよ。<おしまい>