僕は、サウジアラビアで働くことになった。
サウジを内側から見たその様々な「魅力」の記録第26弾。
先月行ってきた世界遺産のある「ハーイル2日目」です。今日はいよいよ、世界遺産の岩絵=ロックアートを観にいきます。
2日目前半
ツアーに入ってるなら、車が迎えに来てくれて行くだけなので楽なのだが、僕らは完全個人旅行だ。
岩絵のあるジュッバ地区はハーイルから120㎞離れている。タイのようにソンテオが走っているわけではなく、レンタカーかタクシーでしか行けない。ただし、レンタカー屋は街中では見かけず、駅で見ただけだし、タクシーも駅では見かけたが、街中で走っているのは一台も見ない。
そこで、Uberの運転手と交渉して、行きと帰り、そして現地での待機をお願いしようと思い、Uberが集まる近くのモールへと出かけた。
平日だというのに、そのモールは若者でにぎわっていた。Uberもアプリで見ると数台近くにいるようだ。アプリによると、現地まで208リアルかかるようなので、往復と現地で1時間待機で500リアルで交渉しようとしたところ、交渉どころか行き先を聞いた途端に「遠すぎる!」と断られてしまった。世界遺産の観光地なのに?
別のUberを呼んで交渉してみたが、同様だった。さらにもう一台も・・・。
ここは世界遺産を守る街じゃないのか!
3台続けて断られたため、Uberはあきらめて、高いかもしれないが、ホテルでタクシーを呼んでもらうことにした。
往復&現地1時間待機という条件で500リアルになるよう交渉しようと身構えていたところ、「300リアルだがいいか?」と言われびっくりした。はじめからこうすればよかった。
おまけに来てくれた運転手さん、とっても陽気で性格がよかった。運転もうまく、平均140㎞/h、最高時速196㎞/hで走っていたが、不安もなかった。
途中では、バギーの乗り場に寄ったり、モニュメントの説明などもしてくれたりしたし(当然あまり意味は分からなかったが)、ラッキーだったのは、2か所のサウジ・テント(おもてなし場所)に寄ってくれたこと。
サウジの風習として、「アラビア遊牧民テントで訪問客を無料のアラビックコーヒーとデーツでもてなす」というのがある。
話には聞いていたが、タクシーの運転手さんは、普通の民家の庭にあるテントに僕らが反応したら、停まってわざわざバックしてくれ、人の家の敷地に設けられたサウジ・テントに勝手に入っていき、僕たちに写真を撮れと言う。家の人も出てきて、アラビックコーヒーを出してくれ、いろいろな種類のデーツをこれもあれも食べろと勧めてくれた。
この“おもてなし文化”は、サウジの大きな特長だなあと感心しつつ、運転手さんに感謝した。
そして、さらにラッキーなことに、僕らが喜んでいたら、もう一つ寄ってくれた。
今度は個人のお宅ではなく、現地博物館併設の立派なサウジ・テントで、またコーヒーとデーツの接待を受けた。アラビックコーヒーのカップは小さく、なくなるとすぐ補充してくれるので、断れない僕は4杯もいただくことになった。デーツは栄養価が高く、2個で十分なのだが、どんどんすすめてくれ、少々胸焼けしてきたが、サウジ・テントでのおもてなしは、サウジの文化に生で浸っているようでとても心地よかった。
その後、併設された昔ながらの土壁の民家博物館も見学。無料なのに、管理の方や運転手さんもいっしょに歩いて、いろいろ説明してくれた。細かい生活用品も展示されていた。現在、こういう古い造りの建物に住むのは禁止されているとのことで、サウジの人にとっても昔懐かしい住居ということだ。
最後に、井戸を見せてくれた。砂漠の井戸なので貴重なんだろうなあ、と思い、写真を撮っていたら、なんとラクダが登場。井戸から水を汲む様子を僕たちに実際に見せてくれるために、裏からわざわざ連れてきてくれたのだ。
<※下記をクリックしてビデオでご覧ください!>
これについては、運転手さんから「二人で50リアルを渡して」と言われ、管理人さんに渡した。
とてもいいものを見せてもらった。
そこから5分で、岩絵=ロックアートの現場に着いた。
そこは、フェンスで囲まれ、入口は錠がしてあったが、手前にある事務所に出向き受付をすると開けてくれ、無料で観覧できた。
中に入って、小道をずっといくと、岩山のいろいろな部分に書かれたロックアートを観ることができた。上の方にあるものは、階段が設けられ観られるようになっていた。
かなり広範囲に書かれており、岩山をぐるっと回って裏の方にもたくさんあった。
運転手さんは、先導して歩いてくれ、ここにもあるよ、あそこにもあるよ、と熱心に教えてくれた。
個人的には、子供の落書きのようで、世界遺産と言われても、たいして感動はしなかったなあ(個人の感想です)。
でも、運転手さんが熱心に教えてくれるので、いっぱい写真を撮ってきたけど。
15:20 ホテルに戻った。運転手さんにはもちろん多めのチップをはずんだ。
2時間休憩してまた出かける。(つづく)