僕は、サウジアラビアで働くことになった。
サウジを内側から見たその様々な「魅力」の記録第11弾。
今回は「床屋編」。
以前、前任者が現地の床屋へ行ったとき、床屋から帰ってきたとたん、どうにも気に入らず、バリカンで坊主に刈ってしまった、というお話を聞いていたので、現在、僕はセルフカットしている。
ところが、新赴任された上司が「床屋に行きたい」とおっしゃられる。「どこか知らないか?」と言われるので、近くの住宅街にある床屋をあらかじめすべて自転車で走り回って調べてきた。上司も僕も車を所有していないため、歩いて行けるところでなくてはならないので、上司に無駄足は踏ませたくない。
その住宅街には800mほどの大通りが通っているが、そこに3件の床屋があった。
※そういえば、顔を隠さなくてはならないサウジ女性ははたして美容院に行くのだろうか?
一軒は清潔そうではなくカーテンで仕切られ店内が暗い。
もう一軒は子供向けの自動車型椅子が設置されている家族向け?。ただ、客はいない。
一番近いところは、以前通った時も思ったが、客がいつも入っている清潔な感じの店だった。
そこで、当日、上司を、歩いて20分のそこへお連れした。
僕はカメラをもって。
いったいどんな感じになるのかワクワクしながら(上司には「大丈夫大丈夫」と無責任な言葉をかけながら)。
他の2軒は看板もアラビア語だけだが、ここは英語表記もある国際的?な店。
二人の客がカットをしてもらっていた。
感心したのは、店内がとてもきれいなこと。髪の毛一つ落ちていない。理由はすぐわかった。一人の客が終わると同時に、きちんと掃除をしているのだ。日本では当たり前だが、サウジの道路のゴミを見ているので、変な先入観があり、その清潔感にたいへん好感を持った。
もう一つ感心したこと。客の一人が、ひげの手入れをするので、カミソリの消毒をどうしているのか観察していると、突然、手元から火がボウっとあがった。なんと、直火で消毒したのだ。それも客のすぐ隣で。うちの店はきちんと消毒してますというアピールも兼ねているのかもしれないが、すごいやり方だ。でも、驚いてるのは僕らだけで、客自身は何も驚いていなかった。
清潔ないい店に入ったな、と思った。
5分待つとすぐに上司の番が来た。一応、翻訳アプリでアラビア語で説明すると、わざわざいろいろな写真を見せてくれ、熱心にコミュニケーションをとろうとしてくれる。
この時点で、上司の「カット前/カット後」の“おもしろい写真”を撮るのはあきらめた。ここは安心できる店だ。
今回はカットだけなので、15分もすると完了。たいへんいい出来だった。
そして、料金はなんと驚きの20リアル(=600円)ぽっち。サウジは日本より総じて物価が高いのに、これは驚きプライスだった。
僕も、次回はここでやってもらおうかな。