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 僕は、サウジアラビアで働くことになった。

 サウジを内側から見たその様々な「魅力」の記録第10弾

 今回は「コロナ禍の取組編」

 

 まず、サウジの国の常識を知ることから始めよう。

 

   

 

 サウジはイスラムの国だ。だからいろいろな制約がある。

 豚肉はダメ。アルコールはダメ。この二つは絶対で、それ以外にもまだ多くの人が行っているものとして、女性は顔を隠す。レストランの入り口は男女別。日に5度のお祈りの時間は多くの店が閉まる。偶像化禁止のためイラストや絵の看板はダメ(だからアラビア文字だけの看板がほとんどで何の店かわからない)

 

 上記のアルコールがダメなのは、コロナ騒動が広がりにくい大きな理由となりうる。“夜の街”が存在しないのだから。お酒を飲んで気が大きくなることもないし、女性を横に侍らせる店もないのだ。

 

 市内に公共交通機関が基本“ない”のも大きな理由であろう。街と街を結ぶ鉄道はあるが、リヤドだけをとれば、その中に公共交通機関はない。バスも電車もラクダ?もなし。移動は自家用車かタクシーだけだ。

 (※12月に鉄道を利用した際、1車両10人ほどの予約乗車に限られていました。)

 (※現在、G20に間に合わせるはずだったメトロ建設が停滞してはいるが一応進められているし、それに伴って公共バスのバス停もそこかしこにできはじめています。これについては、そのうちこのブログで紹介するつもりです。)

 

 この2点で、サウジでは、見知らぬ人と長い間、三密になる場がほとんどないわけである。

 

 さらにサウジは王国であるため、日本とは違い決まったことはすぐに広まるし、統治が徹底している。

 (※日本は言いたいことがいえる国なので、ある意味、いろいろなことが徹底されないよね?)

 

 以下、徹底されていることを箇条書きで。

全員がイカマというマイナンバーカードを持ち(僕らも)、それらはスマホといろいろな点で関連付けられる。タワッカルナというコロナ接触アプリをスマホに入れ、それを提示しないと、公共の場所やモールやスーパーには入れない。駅や空港にもだ。タワッカルナには、ワクチンを打った回数や、その有効期限なども反映されるし、陽性者との接触が疑われたら緑色ではなくなりすぐわかる。

②マスクをしてないと罰金。実際にとられた人がいるそうだ。

③20人以上の集まりは禁止。

④学校閉鎖=オンライン授業を昨年3月より徹底してきた。今のところ、9月から1年半ぶりに学校再開が予定されている。

⑤レストランのテイクアウト推奨。高級店に入ったことがないので、詳細は分からないが、僕が行く店はほとんどがテイクアウトのみ。モールのフードコートは時間短縮でやっている店もある。

⑥航空機の運休。これも上から指示があったら現場はすぐに動き、通達期間など設けずに急に行われることもある。先月末にようやく、4か月ほど停止されていた日本からの渡航が解禁となった。

⑦PCR検査の無料実施。スマホアプリで予約をし、ドライブスルーで手軽に行える。在サウジ外国人に対しても同様。日本人で7回も受けた人がいると聞く。

⑧ワクチンの無料接種。医療関係者と高齢者、学校関係者など、優先的に接種を開始した。これもアプリで申し込むのだが、僕も先月、1回目の接種をした。ちなみに僕はファイザー接種。

 

 以上のような手立てをとる国であるのに、なぜかサウジでも4月中旬以降、新規感染者数が1日1000人を超えている。これは、日本との人口比率を考えると(※日本は新規感染4000人~6000人を推移。サウジの人口3500万人、日本の人口1億2600万人)日本とあまり変わらないということになる?

 その理由は僕にはわからないが、この時期はラマダンと重なったので、特に多いのかもしれない。

 (※イスラム教徒は宗教心と連帯感を高めるため、ラマダンの時は日の出から日没まで飲食を取らず、集団で礼拝をしたり、日没後に大人数で夕食を取ったりする習慣がある。)

 

 それでも僕らは、コンパウンド(外国人居住区)に守られており、無防備に外を出歩かない限り、安全な環境で過ごさせてもらっている。