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 タイに3年住んで、帰国後も何度も訪タイしてると、いろいろな事件に遭遇する。今回は、その中でも“僕が実際に遭遇した”「だましのテクニック」特集

 まず、これだけは言っておきたい

 以前からネットに「タイで詐欺にあった」と書いている方がけっこういる。でも、その方たちの記事を読むと、タイに対して「愛」「理解」がないものが多く読んでいてつらい。好きなタイのことを悪く言われているようで。
 詐欺といっても、彼らは生活のためにやっているのである。ほんの少しだけ相場より高くしてるのだ。定価のある公正社会の日本とは違うのが当たり前なのだ。
 タイで詐欺にあうんじゃないかって恐る恐るタイ人と接している人や、タイ人に対してリスペクトしていない人の記事は、読んでいて心が暗くなる。
 ※ 例えば水上観覧だと、公共200Bでも、個人は1500Bとか2000Bとかいろいろある。個人かグループか、見学場所や見学時間など、いろいろ違って当たり前だし、日本と違って言い値社会なのだ。はじめに高く吹っ掛けられたから“ぼったくり商法”だと騒ぐのはやめてほしいものだ。交渉自体を楽しまなくっちゃ!
 僕自身は、実際に詐欺にいくつかあったが、詐欺をした彼らにさえリスペクトを感じる
「なるほど、生活のためにそんな工夫をしているんだ。」と。
「あっぱれ」とすら思うことも。

 ここにこの記事を書くのは、タイ人を疑いながら旅行してほしいからではなく、それすらも楽しんでタイを体験してほしいからだ。旅行者が、その国をリスペクトせずして楽しい旅行ができるわけないのだから。

Watポーのトゥクトゥク

 まず、有名な“かわいい”だましテク。
 Watポー(涅槃仏寺院)の河川側の付近でうろうろしていると出会う。
 この寺院の入り口は河川側の逆にあり、河川側は出口なので、個人旅行で来た者は入り口に迷う。すると、トゥクトゥクの運転手が寄ってきて、親切そうに話しかけてくる。
「ここは今日お休みだよ。涅槃仏が見たいなら他にあるよ。案内しようか?」(←実は彼がだましてるのはこの部分だけ。)
 この時は友人を連れていて、実はタイに住んでいながら、いつもは先輩と来たりしていたのでよくわかっていなかった。今のようにネットが盛んでなかった時代だし、住んでると逆に下調べをしっかりしないものだ(僕自身、帰国し、家族を連れて行くようになってはじめてタイのことをいろいろ深く研究するようになった)
 そして運ちゃんに「タイボクシング見たいか?」と聞かれ、連れていかれたのは、確かに境内には雨ざらしの大きな涅槃物のあるWatで、その境内ではタイ人の青年や子供たちがタイボクシングを習っていた。他にも2~3か所見た後、宝石やタイシルクの店に寄り、元の場所に戻ってきた。なかなかおもしろい小ツアーだった。
 ※ 運ちゃんは、連れて行った店では食事やチップをもらえ、連れて行った客が買い物をすれば、キャッシュバックがある。これは現地ツアーのツアーコンも同じ。だから、店に寄りたがるのだ。
 ちなみにトゥクトゥク代は高くなかった。連れて行ってくれたところは、けっこうマイナーな場所だったが、貴重な体験であった。
 これ以後も、2度、同じ場所で同じように声をかけられた。

タクシー途中乗り換え強要
 バンコク市内から郊外の店へ一人で出かけた時のこと。
 タクシーの運ちゃんに、初め「場所がわからない」と言われたが、「とにかく行くから乗ってくれ」と乗せられた。もちろん料金は最初に交渉した。
 愛想の良い運ちゃんは半分ほど行った所で、降りて、別のタクシーに話しかけた。道を聞くのかと思ったら、「車の調子が悪いので、あちらのタクシーに乗り換えろ」と言われ、「お金は今ここで払ってくれ。向こうにはもう払う必要はないから」と言われた。
 ※ ここで払ってしまったのが僕の間違い!
 次の運ちゃんには、確認するのもなんか疑っているようで悪いなあと思ったのでおとなしく乗った(ここで何も聞かないのが日本人気質!)。そのまま目的地に着き、降りようとするとお金を払えという。請求された金額は前の運ちゃんと交渉した金額。前の運ちゃんからは何ももらっておらず、初対面だったという。この運ちゃんには何も非はないので、払うしかなかった。
 けっきょく2倍の金額がかかってしまった。悔しかったが、いい勉強になった。

                                                                        <続く>