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 先日のニュース。「文科省が中学生のスマホ携帯を条件付きで認める」とのこと。

 

 以前、ある小学校で、スマホを買い与えられている児童のもとに友人が集まり、みんなでエロサイトを見ている集団があり指導したという話を聞いた。我が子だけルールやマナーを徹底させても、けっきょく守り切れないのだ。

 また、僕が生徒指導主事をしていたとき。中2の男子がエロサイトをクリックしてしまい、それ以来、そこからメールと電話がひっきりなしにかかってきて大金を請求され、親に言えず泣きついてきたこともあった(僕が直接そこへ電話をし、すごい暴言を吐かれたが毅然と対応し事なきを得た)

ネット社会は一つ間違えるとたいへんな世界でもある。

 

 今や、ネットでは、首を腹に乗せた遺体や児童ポルノなど、禁止されてるはずの動画も画像も少し探せば見られる(一昔前より現在はかなり制限がかけられてはいるが)

 暴力・アダルト・ギャンブル・出会い系、この“4つの敵”は子どもたちをネット世界で手ぐすねひいて待ち受けているのである。たとえ「検索フィルター」を掛けてあっても、「閲覧フィルター」でない限り、ネットサーフィンでそれはすぐに突破できる。子の知識は親の知識をすぐに上回り、気付いたときは「自分の知らない息子」がそこにいるのだ。だからこそ、ペアレンタル・コントロールが必要なのである。

  「ペアレンタル・コントロール」ってどういう意味か知ってる? 何かをレンタルするっていうのではなく、『ペアレント(親)による制限』って意味。「夜9時以降のスマホ禁止」ってのを守らせるのも広義の“ペアコン”ではあるけど、普通は端末やWEBにフィルタリング(機能制限)を掛けることを指す。親が子供の位置情報を共有するのもペアコンの一種といえる。

 iPhoneは端末そのものにフィルタリング機能が付いているし(もちろん親自身がそれをしなくてはいけないが)、おまけにアップル社はアプリを市場開放してない代わりに完全管理しポルノなど排除している。またdocomoやau、ソフトバンクの3大キャリア(今は楽天も入って4大)は、独自のフィルタリングを提供している(例えばdocomoは「あんしんモード」と「ファミリーブラウザ」)

 しかし、自由市場のAndroidスマホはさまざまなアプリが溢れ、キャリヤ以外の格安SIMのスマホもどんどん増え、僕らは自分でアプリを選別しインストールして我が子を守る必要が以前より増している。

 何を買い、どのキャリアにしようが、店舗から買えば、窓口でいろいろ説明してくれるし、ペアコンも必ず指導してくれる怖いのは、店舗のないところで買って、そのまま使う人なのだ。


 児童のたった一人でも、フィルタリングなしのスマホを持っていれば、あっという間にその“恐怖の輪”は拡がるだろう。親や教師である我々は、前以上にペアコンを理解し、保護者を啓蒙していかねばならない状況に来ているのだ。

 では、簡単なペアコンとは? まずはここからトライ。
  ①上記の各社のフィルタリングが使えるのならまずそれを確実に。
  ②スマホのブラウザの検索サイトの設定をする。また、Yahooやグーグルを使用する場合、その検索サイトの設定も。グーグルのフィルタリング設定などは、パソコンモードに変更してからでないとできないので注意。
  ③YouTubeのセーフモード設定。
  ④AppStoreや
グーグル・プレイ・ストアの利用制限(パスワード認証)。
  ⑤上にも書いた位置情報の共有を有効にする場合、子供にそのことを理解・納得させないと、かえって「自分を信用していない」と親子の断絶につながるので要注意。


 ある親が、自分の使っていたお古をペアコン設定せず子にあげたり、ネットで買った格安スマホをそのまま渡すと、けっきょくとんでもない“クラスター”が生まれてしまう。これを何とかしていけるのは、学校教育しかないだろう。

 先生方は、子どもたちはもちろん、ぜひ保護者への啓蒙・指導も引き続きよろしく。