うちの家族はネコ好きだ。今も3匹のネコが住んでいる。今回は何代か前のネコのお話。
「キャー!」
母の悲鳴。
ピアノルームから聞こえる。
隣の部屋で寝ていた僕は、眠い目をこすって行ってみた。
めったに入ることもないピアノルーム(音楽教師なのに?)に
久しぶりに入ってみると・・・
なんと部屋中に、
ブンブンとおおらかに飛び回っているハエ、ハエ、ハエ!
その数、数百匹!
「なんじゃ、こりゃ~」
原因はわからぬが、異常発生したらしい。
すぐに窓をあけ追い出すと共に、殺虫剤をまき、
そのあと窓を閉めて、仕上げの「バルサン」をセットした。
食べ物類のかけらもない部屋になぜ異常発生したのか、
いくら考えてもわからなかった。
2~3日後、家の飼い猫ミーの息子シロくんが、
ピアノルームからこっそり出てくるのを見かけた。
(※うちの猫どもは、閉まっているドアを自由に開ける能力を持っているのだ。)
何してたんだろう?と思って、入ってみたが何も変わったところはない。
ついでなので、バルサンの後でもあるし掃除機をかけることにした。
そして、日頃見ないピアノの下をのぞいてみると‥‥
な、なんと、そこには・・・
ネズミのミイラが一体横たわっているではないか。
ミイラはカラカラに干からびていた。(※ミイラは普通干からびている。)
「原因はこれだったのか。」
このミイラの栄養分を吸って、ウジがわき、
それが一斉に成虫となりハエとなったのだ。
‥‥‥考えれば、すごく気持ちの悪いことだった。
しかし、ではなぜ、そのネズミはここで神に召されたのか。
そりゃ答えは歴然としている。
あいつだ、いたずらの天才、シロの奴だ。
僕はすぐにシロを捜し、ペシペシやってやろうと抱き上げた。
するとシロの奴、いつものように甘えた声。
「ピーピー、キューンキューン」
「こいつめ、こんなかわいい声を出しやがって…」
僕は、キスとほおずりで、たっぷりと罰を与えたのだった。