ブログ 目次

 担任時代は、「子ども一人一人が居心地の良い学級」、「みんなで心を一つにする喜びを感じられる学級」を目指して、クラス経営に励んでいました。しかし、中学校では、なんといっても学習面で力をつけることも重要。それで、課題の全員提出はもちろん、いろいろな工夫をしていました。

 一見、それと何も関係ないような「テスト週間日課表づくりの指導」も、こんな感じでやると、“個人を鍛える”“集団を創る”手だての一つになります。

 

 ◆      ◆      ◆      ◆      ◆      ◆

 

 テスト勉強へどういう姿勢で向かわせるかは、担任の指導如何で決まる。テスト週間は部活をなくすほどの週であるのでテレビなど論外。一日5時間、土日は一日11時間やれるはず。これを生徒に「普通」と思わせられるかどうかは担任の意識と指導次第

 ただ「やれ!」では絶対できない。11時間なんて大人でもなかなかできない時間だ。

ではどうするか?

 計画表を綿密に立てさせるのだ。それも一人一人の子どもに合わせた細かい手だてを取りながら。以下に紹介。


① まずテスト週間中での家庭での総学習時間を割り出し、教科ごとに配分させる。これをしっかりやっておかないと教科が偏る。

② それを配分する際、どの曜日にやるかはその子が予習型か復習型かによる。そして、学校の授業時間割と照らし合わせて日にち配分をする。塾などとの組み合わせも加味する。
③ 日にち配分で気をつけることは、教科によって(または好き嫌いによって)、暗記教科(嫌いな教科)は一日当たりの時間を少なく(日にちは多く)、じっくり考える教科(好きな教科)は一単位当たりの時間を多く取らせる。
④ 一日の学習教科と時間配分が決まったら、それを一日の中でどの時間帯にやるか決めさせる。帰ってすぐには得意なものからとか、勉強嫌いな子は好きな教科から始める等加味して。飽きっぽい子は教科を分断したり好きな教科と嫌いな教科を交互にとる。食事や風呂との兼ね合いも。
⑤ その他、勉強場所の指導も。家庭学習が苦手な子は台所など親の近くで。または、教科によって場所を変えたり、時間帯によって変えたりさせる。
⑥ 暗記物をトイレや冷蔵庫などいろいろな場所に貼って覚える方法や、眠気を覚ます方法(氷を口に含む、軽く縄跳びをする等)、あまり進められないが、一教科すむごとに友だちにメールを入れるなんていう邪道も伝授。
 

◆ わざわざ学校で日課表を作らせる時間をとるなら、これだけの指導をするべき。指導もせず、書く時間をとるだけなら、家でやらせればよい。日課表づくりの時間は、先生はこまめに机間指導をし、その子にあってるか逐一チェックを入れる。忙しいぞ。


◆ 集団作りのために、毎日のチェックはもちろん、班で時間を競わせたり、スピーチで眠気対策やがんばりを発表させたりなど、クラスでその取り組みを一緒に盛り上げていくクラス全体のイベントにしてしまうのである。