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 僕は、担任や部活顧問全盛の頃には、ずいぶんたくさんの学級便りを発行したり、子どもに学級新聞を発行させたりした。その中には、この文のようなエッセイ風のものも数多くあり、学級新聞の中にも先生コーナーを必ずつくらせ、コラム風な感じで載せていた。そこには、ぶっちゃけ過ぎた話が好きな僕でも、やはり教育者として何か“教訓”を込めたいと工夫を凝らしてもいた。今回は、そこには“載せられなかった”お話です。


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 30代の頃の僕は、最も長く学校にいる教師だった。「部活は絶対遅刻しない」主義のため、前の日が飲み会や生徒指導で遅くなったら、遅刻しないために必ず学校に泊まったし、教材作りに時間をかけすぎるため音楽室で夜中まで格闘なんてざらだった。20代には、生徒指導で毎夜、会議や家庭訪問を繰り返していたので、学校に長くいるのは当たり前だったし、むしろ30代の頃は、先の見えない生徒指導より学級や授業のために時間を使うのは、楽しかったしやりがいがあった。
 今回は、その20代と30代の体験談から1つずつ

 20代の生徒指導で一番思い出に残ってるのは、ある非行生徒が家出をしたときの出来事。有職少女と共にどうも近くのモーテルに入ったようだとの情報が寄せられ、先輩と僕は、夜中にもかかわらず現場へ。でも、モーテルの従業員に聞いても当然らちはあかず、けっきょく前の路上で見張ることになった。車内でかわりばんこに仮眠をとりながら見張っていると、夜明けの5時過ぎ、僕の番の時、建物から出てくる2人を見つけた。でも、半分寝ぼけてもうろうとしていた僕は確認に手間取り、先輩を起こすのも遅れ、すんでのところで路地に逃げられ、確保に至らなかった。2人は、翌日、市外のゲームセンターで補導され、先輩が迎えに行ったが、小さい頃刑事になりたかった僕に、職業選択を間違えずによかったと思わせた一件であった。

 もうひとつは30代の出来事(こちらは少々下品なので女性は読むのを遠慮してください?)
 夜中までかかって、4階の音楽室(兼自宅)で1学期の期末テスト問題の多重録音をやり終えた僕は、いつもはシャワーを浴びに職員室へ降りるところ、深夜2時過ぎでもあり、職員室のセコムを解除するのも面倒だったので、その日は4階でシャワーを浴びることにした。4階にシャワー?って思うかもしれないけど、まあ簡単に言うと、音楽室前のトイレの清掃用ゴムホースのこと。その夜は特に暑く、まだ音楽室にエアコンもない時代だったので、冷水で十分気持ちよかった。ということで、男子トイレはシャワー室と化し、壁や小便器に豪快に水しぶきをかけながら、手洗い用の消毒液を身体や頭につけながらゴシゴシやっていた。もちろん真っ裸で。夜中に電気をつけ続けているのも気が引け、トイレの電気は消し、音楽準備室だけ電気をつけて、そのうす明かりでシャワーを浴びていた。
 ちょうど頭を洗っていた時のこと。目をつぶってゴシゴシやっていた僕に向け、急にライトが!そう、それはまさに、舞台の踊り子さんにスポットが当たるように? 

そして同時に「誰だ?」の声!
<いや、違うでしょ、「誰だ」って聞きたいのは僕の方でしょ。>
って思ってはみたものの、夜中に学校のトイレで裸で頭を洗ってる男を懐中電灯で照らしたら、誰でもそう叫びたくはなるわな。
 その人はセコムの警備員だった。もちろん裸のまま丁寧に事情を話し、帰っていただいた。



 

 ねっ、載せられないでしょ、こんな体験、子どもが読むお便りには。


 昔の学校では、いろいろなことが起こっていたのですね。・・・えっ僕の周りだけだって?