津原泰水 「ブラバン」


一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れなかでコントラバスを弾き始めた。

ともに曲を作り上げる喜びを味わった。

忘れられない男女がそこにいた。

高校を卒業し、それぞれの道を歩んでいくうち、いつしか四半世紀が経過していたーーー。

ある日、再結成の話が持ち上がる。

かつての仲間たちから、何人が集まってくれるのだろうか。

ほろ苦く温かく奏でられる、永遠の青春組曲。