
アプリ・『漢字ナンクロ』の画像は許可を得て掲載しています。
【一晩中】
【一騎当千】
【千鳥】
【九官鳥】
【海鳥】
【十中八九】
【官製】
【十六夜】
※熟語全てを使った手紙形式の短編小説。
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お手紙ありがとう。
講演やトレーニングでお疲れかと思っていたら、元気な日々を過ごしているようですね。
公務員の主人は率先して育休を使うように上からの指示があるようです。
「【一晩中】真理子の世話で一睡もできなかった」と言いながらも、とても手際よく育児に協力してくれます。
歩の『誰もが同じように働ける社会に』というスローガンを話したら、「全くその通りで頭が下がる。我々がもっと頑張らないといけない」とい言っていました。
その彼も真理子が産まれる前は、法案の作成や議員との打ち合わせで【一騎当千】の仕事をしていたのです。深夜、【千鳥】足で帰ってくることもありました。
その主人に、「官僚が書いた原稿をそのまま読み上げる議員を世間では【九官鳥】のようだと揶揄することがあるけど、今の学校教育も、先生の言うことをそのまま真似して覚えるだけの『九官鳥のような子供』を育ててはいないだろうか」と言われました。一教師として大いに反省しているところです。
先日の授業が、萩原朔太郎の【海鳥】だったのでこんな話をしました。----「朔太郎はこの詩で海鳥の『孤独』を描いたけれど、実は科学的な視点で見ると、彼らは孤独に彷徨っているのではなく、遠い海で得た栄養を陸に持ち帰り、生態系全体を豊かにしているのです。私は、国家公務員の仕事もそれと同じだと思う。誰も見ていないような遠い場所で、社会という大きな生態系を維持するために、黙々と栄養つまり、制度や安全を運び続けているから」----
授業ではあえて言いませんでしたが、「海鳥」の生息数は海洋環境のバロメーターで、世界的に見ると約3分の1の種が絶滅の危機にあります。
今が幸せすぎるからかもしれませんが、「真理子に万が一のことがあったら」とか、【十中八九】大丈夫だと思っていても、主人のところに「【官製】談合の疑いで検察の捜査が入った。というニュースが流れたら」などと考えてしまうことがあります。
今夜は【十六夜】(いざよい)です。古語の「猶予ふ」(いざよふ)が由来で、昨夜の満月よりも、少し遅くためらうように昇ってくるこの月が私は好きです。
今夜はこの辺で、歩へ
遥香より
P.S 誰一人として意味もなく生まれてきた人間はいません。すべての人間は、たった一つの使命を負ってこの世に生を受けます。それは、『幸せに生きよ』という使命です。
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(第3章)へ続く
