桐野夏生 「ローズガーデン」


営業マンとしてジャカルタに赴任して二年。

博夫はミロから逃げようとし、しかしむしろ深くはまり込んでいく自分を感じていた。

全ては高校2年のあの日、庭に薔薇が咲き乱れる家のベッドでともに過ごしたときから始まったのだ。

そこは彼女が義父と淫らなゲームに興じた場所。

濃密なミロの世界を描く短編集。