吉田修一 「犯罪小説集」


田園に続く一本道が分かれるY字路で、一人の少女が消息を絶った。

犯人は不明のまま10年の時が過ぎ、少女の祖父の五郎や直前まで一緒にいた紡は罪悪感を抱えたままだった。

だが、当初から疑われていた無職の男・豪士の存在が関係者たちを徐々に狂わせていくーーー。(「青田Y字路」)

痴情、ギャンブル、過疎の閉鎖空間、豪奢な生活−−−幸せな生活を願う人々が陥穽にはまった瞬間の叫びとは ?

人間の真実を炙り出す小説集。