中山七里 「護られなかった者たちへ」


仙台市で他殺体が発見された。

拘束したまま飢え苦しませ、餓死させるという残酷な殺害方法から、担当刑事の苫篠は怨恨の線で捜査する。

しかし被害者は人から恨まれるとは思えない聖人のような人物で、容疑者は一向に浮かばずにいた。

捜査が暗礁に乗り上げるなか、二体目の餓死死体が発見される。

一方、事件の数日前に出所した模範囚の利根は、過去に起きたある出来事の関係者を探っていたーーー。