高橋克彦 「パンドラ・ケース」



「悪趣味だな。仲間で最初に死んだ人間の十三回忌に開くタイムカプセルだなんて・・・」

鄙(ひな)びた雪の温泉宿に集まった八人の大学生は、卒業記念のカプセルに新聞記事と思い思いの品物を収めた。

「あたしがきっと最初だわ」そう呟(つぶや)いた半田緑は五年後に失踪。

十七年後、彼女のカプセルを開けるとひからびた指と指輪が・・・