まもなくロンドンへ | 果しなき流れの果に

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文筆業を生業とする1970年生まれ。好き勝手ばかりしてきた20。人生について考え始めた30代。ここから先、40代は「誰かのために」をキーワードに書き続けます。弱い自分をさらけ出せる事を目標に進化前進。仕事の依頼も随時受け付けます。

 本日まもなく、欧州出張中の河原氏に会うためロンドンへと向かう。
 本格的に取材を始めて10ヶ月。最近になってようやく、河原氏の本質が見えてきたような気がする。もちろんまだほんのさわりかもしれないし、ここから先も悩んだり考えたりの繰り返しであろう。懐に飛び込んでみたり、客観的に見つめるためあえて遠くから眺めたり、いろいろな方法を試しつつ、自分なりに考えてきた。河原成美は、どこへ向かおうとしているのか。そうしていろいろと考え続け、ほんとうにようやく、氏の語る言葉の表面的な部分ではなく、その奥底にある本音、あるいは本質に触れかけている感覚を持てるようになった。

 自分にはどうしても確かめたい事がある。それはシンガポールで、氏が口を開いて途中で辞めたある言葉について、である。特段こちらから伺ったわけでもなく、何気ない会話をしている最中にふと俯き、まるで自問自答するようにして氏は話し始めた。

 誰しも心のなかには、何人もの自分がいる。
 
 良い自分、悪い自分、好きな自分、そして嫌いな自分……。

 世界有数の文化都市、ロンドン。この地で、氏はこれからあらたな事業展開を繰り広げようとしている。その大きな一歩が今回の出張だ。
 日本発のラーメン、いや、一風堂のラーメンを世界のグローバルスタンダードにするための大仕事。そのためには何が必要でここからさきどう動くべきか。間違いなく、一風堂、力の源カンパニー、そして河原成美は、新たなステージで挑戦し始めている。そして自分が取材をする上でもっとも興味を持っているのはこの点であり、来年3月刊行予定の本でも指南書であると同時にそのあたりの奮闘振りを中心に描けたらと思っている。
 
 取材もここから三ヶ月は終盤戦。
 
 自分も気合を入れて頑張ってきます。
 
 FIN