逆流性食道炎、もちろん胃潰瘍でもPPI(プロトンポンプ阻害薬:オメプラゾン、タケプロン、パリエット、ネキシウム、最も新しいタケキャブなど)を服用するのは当たり前です。


PPIの前の世代のH2ブロッカーが出てから胃潰瘍は手術をほぼすることなく完治するのでこれらはすごい薬剤だと思います。


しかし、長期服用は良くないし、もともと胃酸が出るには意味があります。食物の消化だけではなく口腔内の細菌を殺す役割で腸管にこれらの細菌の侵入を防ぐことです。胃酸はpH1~2の強酸でこれで大抵の細菌は死滅してしまいます。しかし、PPIを服用するとpHが下がらず胃の粘膜には優しいですが大量の口腔内の細菌が腸管に侵入してしまう、それによって腸内細菌叢が乱れるdysbiosisと言われる状況になります。腸内細菌叢の重要性は最近は認識がかなり進んでいてこの乱れが様々な疾患を引き起こすことが知られています。PPIを服用することでSIBO(上部小腸で細菌が異常繁殖した状態で、小腸内でガスが発生するなどして体重減少、下痢、吸収不良を来す) 腸管感染症を引き起こすことも報告されています。プレバイオティクス(オリゴ糖や水溶性食物繊維など)、プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌などの生菌製剤)、両方合わせたシンバイオティクスが流行っていますが、まずは胃をしっかりさせてからこれらを服用すべきですね。胃潰瘍の原因はストレスが大きいのでなるべくストレスを減らすことを心掛ける、なかなか難しいですがどうにかやっていかなければ。