武藤一也(むとう・かずや)先生は、予備校講師、企業研修、英語教育ソフトウェアの開発者として多岐にわたる分野で活躍されています。英語教育への情熱を持ちつつも、その経歴は一筋縄ではいかない興味深い道のりを歩んでいます。今回は、武藤先生の英語教師としての原点や、それまでのキャリアについて詳しくお話を伺いました。



英語教育に興味を持ったきっかけ


「実は、もともと英語教育というより、自分で何かを教えたい、そして会社を作りたいという思いが先にありました」と語る武藤先生。驚くべきことに、英語を教える前は国語を教えていたといいます。


「20歳のときにオーストラリアに留学したことが転機でした。その留学経験をきっかけに英語を教えるようになったのですが、これが思った以上に面白かったんです。」


さらに大学4年生のとき、群馬大学でTOEICを教えるサークル活動を主宰し、大学生相手に講義を行っていたというエピソードも。その時点ですでに教育者としての素養を発揮していました。


英語教師の意外な背景


「実は、大学卒業後はすぐに英語教師になったわけではないんです」と武藤先生は話を続けます。一度は化粧品会社に就職し、営業職として働いていました。「下っ端の営業でしたけど、その中では一番の成績を出しましたね。飛び込み営業をやってみたいと思っていたので、経験として非常に有意義でした。」


しかし、1年後に会社を辞め、自分の塾を立ち上げます。「23、24歳くらいのときに個人事業として始め、5年後に法人化しました」と語る武藤先生。その後、予備校講師としても多くの生徒から支持を集め、数々の講師コンテストで優勝するなどの実績を残していきました。



CELTA資格への挑戦


英語教育者としての武藤先生を象徴するもう一つの功績が、CELTA(Certificate in English Language Teaching to Adults)資格取得です。「CELTAは、英語を母国語としない人に英語を教えるための国際的な資格です。2019年にカナダ・トロントで受講し、最上位のパスグレードAを取得しました。」


このグレードAは取得が非常に難しく、世界でも上位5%の受験者しか達成できないといいます。しかも2019年当時、このグレードを取得した日本人は武藤先生一人だけでした。「資格を取るだけでなく、実際の教育現場でどう活かすかが重要です」と、さらに上を目指して取り組む姿勢が印象的でした。


インタビューのまとめ


武藤一也先生のキャリアは、一見バラエティに富んでいるようでありながら、根底には「教えること」への一貫した情熱があります。国語から始まり、英語教育へシフトし、CELTAという国際資格に挑戦した姿勢は、教育に対する深い責任感を感じさせます。また、営業職の経験や起業家精神も、彼の指導スタイルに多面的な深みを与えていると言えるでしょう。