日本に住む安河内(Y)と、オーストラリア在住のイギリス人M氏の対談です。
今回のテーマは「親切がもたらす健康効果」。フィリピンでの寄付やボランティア活動を行うYと、オーストラリアの田舎で自然に囲まれた生活を送るMが、それぞれの人生観や経験を交えて、親切・教育・観光・国際交流について深く語り合いました。日常の小さな親切が持つ力、教育がもたらす影響、そして異文化の中で感じた気づきなど、多彩な話題が詰まった内容です。

 



Y(安河内):今日はありがとうございます。

M:こちらこそ、ありがとう。僕の名前はMで、イギリス出身です。今はオーストラリアのニューサウスウェールズ州の田舎に住んでいて、シドニーから4時間ほどの場所です。

Y:オーストラリアに来てどのくらいですか?

M:18歳の時にオーストラリアに初めて来ました。今、56歳です。

Y:なるほど、ということはかなり長く暮らしているんですね。僕は58歳なので、ほとんど同世代ですね。

M:そうですね。同じ「ボックス(世代)」です(笑)。

Y:オーストラリアの田舎って、自然がいっぱいで魅力的ですね。でも、物価は高くないですか?

M:めちゃくちゃ高いです。特に土地にかかる税金が本当に高くてびっくりしますよ。

Y:僕も10年前にアデレードに行ったことがありますが、その時もすでに高かったですね。

M:そうですよね。昔はもっと生活しやすかったんですが、今は本当に何もかもが高騰してます。

Y:ちなみに、今は何をされているんですか?

M:今は農場でのんびりと暮らしています。周りにはカンガルーがたくさんいて、毎日見かけますよ。

Y:カンガルー!オスは危ないって聞いたことがあります。

M:その通りです。オスはかなり攻撃的で、筋肉モリモリ。まるでジム通いの男たちみたいですよ(笑)。

Y:想像するだけで迫力がありますね。ところで、僕は今、日本で英語を教えていて、今日は広島近くの学校に出張で来ています。

M:先生をされているんですね。どんな人に教えてるんですか?

Y:高校生から社会人まで幅広く教えています。今はAIを活用した英語学習法も開発していて、それを共有するために全国を回っています。

M:すごいですね。情熱を感じます。

Y:来週からはセブに行きます。フィリピンでのボランティア活動を応援していて、現地の子どもたちを支援しています。

M:そうなんですか?それは素晴らしいですね。

Y:ある女の子を10年以上支援していて、今ではフィリピン大学の医学部で学んでいます。

M:えっ、それはまさに人生が変わるストーリーですね。

Y:ええ、彼女の母親も教育にすごく熱心で。将来は彼女が地域に貢献する医師になってくれると信じています。

M:それは一人の人生どころか、地域社会にも大きな影響を与えますね。

Y:はい。チャリティの力って、想像以上に大きいんです。ちょうど今日「親切の健康効果」という記事を読みました。

M:なるほど、親切にはストレス軽減の効果があるんですね。

Y:そうです。しかもそれは自己肯定感の向上にもつながる。僕は寄付をすることで、「自分はいい人間だ」と感じられるんです。だから寄付は単に自分のためなんですよね。

M:その気持ち、わかりますよ。親切って、実は自分のためでもありますよね。

Y:教育もそうです。僕は「誰かの人生を変えられるかも」という思いで教師になりました。

M:影響を受けた先生とかいらっしゃるんですか?

Y:昔、英語が全然できなかった僕に素晴らしい方法で、教えてくれた先生がいました。その先生のおかげで英語が好きになりました。

M:教師って、まさに「人生の転機」を作れる職業ですね。

Y:そう思います。だからこそ僕は若い先生にも、ただ話すだけじゃなく、どう教えるかを伝えたいんです。

M:話しすぎる先生って多いですよね。僕も学生の頃、そんな先生の授業は途中で意識が飛んでました(笑)。

Y:そう。学生に主体的に学ばせることが大事なんです。僕は指示だけして、生徒同士に練習させます。

M:理想的な授業ですね。ところで、最近親切なことをされた経験はありますか?

Y:東京で道に迷っていた外国人旅行者を助けたことがあります。バスをスキップして案内しました。

M:それは素晴らしい行動です。観光客にとっては一生の思い出になるはずです。

Y:そうだと嬉しいですね。今、日本は観光が経済の重要な柱になっていますから。コロナ禍に国内を旅して、日本の素晴らしさを再発見しました。まだまだ開発の余地があると思います。

M:沖縄、北海道、長野、どこも魅力的ですよね。オーストラリアのゴールドコーストとは違った良さがあります。

Y:沖縄なんて、かつて独立国でしたし、文化の多様性が面白いんです。アロハシャツのようなかりゆしウェアというシャツが公式な服装なんですよ。

M:えっ、先生もアロハシャツで授業できるんですか?(笑)

Y:できますよ(笑)。沖縄の雰囲気にピッタリですからね。

今回の対談を通して、「親切は相手のためであると同時に、自分自身の癒しにもなる」という視点が繰り返し浮かび上がりました。Yが10年以上にわたり支援しているフィリピンの子供の話は、まさに親切がもたらす希望の象徴でした。一方で、日常の中の小さな親切、例えば観光客の案内なども、相手にとってはかけがえのない体験です。教育、観光、ボランティア。さまざまな形で現れる「優しさの循環」が、社会や人生をどれほど豊かにするか――読者の皆さんにも、心に響く部分があったのではないでしょうか。

 

A Conversation Between Yasukochi in Japan and M, a British Man Living in Australia
Theme: The Health Benefits of Kindness

 

This dialogue features Yasukochi (Y), who donates and volunteers in the Philippines, and M, a British man living in rural New South Wales, Australia. They share their personal experiences and philosophies on kindness, education, tourism, and international exchange. The conversation explores how small acts of kindness can make a big difference, the transformative power of education, and the cultural insights they’ve gained through their global experiences.

 

Y (Yasukochi): Thank you for joining me today.

M: Thank you! My name is M. I’m originally from the UK but now live in rural New South Wales, Australia—about four hours from Sydney.

Y: How long have you been in Australia?

M: I first came here when I was 18. I’m 56 now.

Y: So you've lived there for quite a long time. I’m 58, so we’re pretty much the same generation.

M: Exactly. We're in the same “box” (laughs).

Y: Rural Australia sounds beautiful and full of nature. But isn’t the cost of living high?

M: It’s extremely high—especially the land taxes. It’s shocking.

Y: I visited Adelaide about 10 years ago, and it was already expensive back then.

M: It’s only gotten worse. Life used to be easier here.

Y: What do you do now?

M: I live a slow-paced life on a farm. Kangaroos are everywhere—I see them daily.

Y: Kangaroos! I’ve only seen them in zoos. I’ve heard the males can be dangerous.

M: That’s right. The males are aggressive and muscular—like gym guys (laughs).

Y: That’s quite an image! By the way, I currently teach English in Japan and today I’m on a work trip near Hiroshima.

M: So you’re a teacher. What kind of people do you teach?

Y: I teach a wide range—from high school students to adults. I’m also 
developing AI-powered English learning methods and traveling across Japan to share them.

M: That’s impressive. I can sense your passion.

Y: Thank you. I also support volunteer work in the Philippines and have been helping children there.

M: Really? That’s amazing.

Y: I’ve been supporting one girl for over 10 years. She’s now studying medicine at the University of the Philippines.

M: That’s truly life-changing—for her and for the community.

Y: Her mother was also very passionate about education. I believe she’ll become a doctor who gives back to her region.

M: That kind of charity has a huge ripple effect on society.

Y: Exactly. I recently read an article about the health benefits of kindness.

M: So kindness reduces stress?

Y: Yes, and it also boosts self-esteem. Donating gives me the feeling that I’m a good person. In that sense, it’s not just for others—it’s for me too.

M: I totally understand. Being kind is actually good for yourself as well.

Y: Teaching is the same. I became a teacher because I wanted to change someone’s life.

M: Was there a teacher who inspired you?

Y: Yes, when I couldn’t speak any English, one teacher helped me with a great method. Thanks to them, I came to love English.

M: Teachers truly can change lives.

Y: That’s why I want to teach young teachers how to teach effectively—not just how to talk.

M: A lot of teachers talk too much. I used to zone out in those classes (laughs).

Y: Right. The key is getting students to actively participate. I just give instructions and let them practice with each other.

M: That’s an ideal lesson. By the way, has anyone done something kind for you recently?

Y: I helped a foreign tourist in Tokyo who was lost. I skipped my bus and guided him.

M: That’s a wonderful gesture. It could become a lifelong memory for that traveler.

Y: I hope so. Tourism is becoming a key part of Japan’s economy. During the pandemic, I traveled domestically and rediscovered how amazing Japan is. There’s still room for development.

M: Places like Okinawa, Hokkaido, and Nagano are all wonderful. They’re different from places like the Gold Coast here.

Y: Okinawa was once its own country and has a fascinating cultural mix. They even have formal shirts called kariyushi wear that are like aloha shirts.

M: So you could teach wearing an aloha shirt? (laughs)

Y: I could (laughs). It matches the Okinawan vibe perfectly.

 

Through this conversation, one theme repeatedly emerged: kindness is not only for others, but also a source of healing for yourself. The story of the girl in the Philippines whom Yasukochi has supported for over a decade is a powerful example of how kindness brings hope. On the other hand, small everyday gestures—like helping a tourist—can become unforgettable experiences for someone else. Whether in education, tourism, or volunteering, the ripple effect of kindness enriches lives and communities. Surely, many readers will find something that resonates with them in this dialogue.

 

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神奈川県立大和高校で開催された東進主催の特別講演会には、安河内哲也と、リトアニア出身で7か国語を話す英語教師・インガ先生が登場。生徒たちの素朴な疑問から、進路、勉強法、モチベーション、そして未来の働き方に至るまで、多様なテーマに本音で答える“超参加型”の授業が展開されました。本記事では、実際のやりとりをもとに、その熱気を余すところなくレポートします。

 



Q1. リトアニアってどんな国?

質問者:「リトアニアってどんな国ですか?」

インガ先生の回答:
「リトアニアは小さいけれどとても美しく、自然も多くて、人々はとても親切。食べ物も美味しいし、文化的にも豊かです。私はリトアニアが大好きで、日本の皆さんにもぜひ訪れてほしいと思っています。」

安河内のコメント:
「いや〜、インガ先生はすごいよ。7か国語を操るんだって。僕なんて4か国語しかできない。日本語、英語、韓国語、そして…九州弁(笑)。でもこうしてリトアニアから英語を教えに来てくれるって、本当にありがたいことだよね。」

Q2. 英語以外に学ぶべき言語は?

安河内の回答:
「まずは英語に集中するのがいいかな。“英語だけ”でも世界をカバーできるから。今は英語で世界中どこでも仕事ができるし、人とつながれる。もちろん中国語とか、スペイン語、アラビア語も役立つ場面はあるけど、まずは英語からだね。僕は今、言語ではなくて“生成AI”を学んでる。これからは“英語+AI”が最強のスキルセットになるから。」

Q3. 先生たちが勉強を頑張れる理由は?

安河内の回答:
「明日が楽しくなるからだよ。スキルが一つ増えると、人生が一段と面白くなる。逆に、何もせずに生きてると、毎日が“惰性の生活”みたいになって無駄になる(笑)。AIや英語を使えば、雑用も減るし、自由時間が増える。“学び”は未来を楽しむための自己投資なんだよ。」

Q4. 英語の成績を上げるには?

安河内の回答:
「音と文例で覚えること。単語の意味だけ覚えてもダメ。文例を繰り返し音読して、耳で聞き、声に出して覚えるんだ。AIを使ってアニメの例文に変えて覚えるともっと頭に残る。『チェンソーマン』とか『名探偵コナン』で例文を作れば、楽しいし忘れない!」

Q5. おすすめの英語試験は?

安河内の回答:
「迷わず“英検準一級”。これさえ持ってれば、上智大学、立教大学、早稲田大学など多くの大学で、英語は合格ラインを確保できる。まあ他の教科は頑張らなきゃだけど。さらに、共通テストとも親和性が高いんで点数が上がって一石二鳥だよね。半年くらい本気で取り組んでみて。」

Q6. リスニング力を伸ばすには?

「何よりも実際に英語の音声に触れる時間を増やすことが大切。あとは音をよく聴いて、それを真似て声を出すことだね。」

授業では、次のようなアクティビティが行われました:

• 実際の英語音声を聴いて意味を推測する「選択問題バトル」
• 似た意味の文を聴いて選ぶ「サバイバル・リスニングクイズ」
• 通訳役になって訳す「日給10万円チャレンジ」
• プレゼン発表「暗唱バトル with ミッキーマウス or トランプのモノマネ」
• 「声を出すこと」「感情を込めること」の徹底練習

安河内のコメント:
「英語は“気持ち”が伝わればOK。最初から上手く話す必要はない。声を出す、真似する、間違える。この繰り返しが力になる。自分がたくさん英語を話そうとすると、相手が言っている言葉にも耳を傾けるようになる。それがリスニング上達の秘訣でもある。」

Q7. 勉強法は紙よりAI?

安河内の提案:
「昭和式の“静かな部屋でノート作りばっかり”では英語はできるようにならない。今は“AI時代”。スマホとPCを駆使して、音を使って文例を効率的に勉強すれば、偏差値80も夢じゃないよ。」

紹介されたAIツール:
• 単語帳の自動生成
• 自動英文チェッカー
• 要約添削ツール
• 文法問題自動生成メーカー

「もう紙の辞書をめくる時代じゃない。“スマホ1台で世界を相手にできる”時代が来てるんだよ。」

Q8. 英語の授業、何を大切にすべき?

安河内の回答:
「4技能を全部使う授業。読む・聞く・話す・書くを、全部“音と体”を使ってやること。授業のアクティビティに参加すればするほど英語ができるようになる。“考えてから話す”じゃなく、“反射で口から出る”を目指すんだ。」

Q9. 将来の夢ってありますか?

インガ先生の回答:
「私は、日本の教育に少しでも貢献したい。日本の生徒たちは明るくて素直。英語を学びたいという気持ちが伝わってくる。私は英語を通して彼らの未来を広げる手助けができたら幸せです。」

まとめ:行動に変えれば未来が変わる

安河内のメッセージ:
「今日の授業で得たことを“行動”に変えていこう。英検準一級を目指して走り始める、AIを活用する、毎日声を出す、英語をたくさん聞く。その積み重ねで、未来は確実に変わる。高校生活を“学びで満たす3年間”にしよう!」

生徒の声
「インガ先生の話を聞いて、海外の文化に興味が出ました」
「間違っても大丈夫って言われて、思い切って英語を話せました」
「AIを使った勉強法、今夜から始めます!」

 

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「ゾーンに入る会議」とは? 会議のプロ・伊賀聡さんが語る、創造性と主体性を引き出す会議術|『組織をゾーンに入れる 会議の魔法』著者インタビュー

会議が退屈で消耗する場になっていませんか?

そんな常識を覆すのが、戦略創発ファシリテーター・伊賀聡さんが提唱する「ゾーンに入る会議」!

本動画では、安河内哲也との対談を通じて、「創造的で楽しい会議」「自分ごと化する戦略」「戦略マエストロの役割」など、これからの組織に求められる会議の姿を深掘りしていきます。

Q:英語をどれだけ勉強しても、話すときに間違えるのが怖くて声が出ません。このまま続けても、本当に話せるようになるのかとても不安です。リスニングや文法のテストでは点数が上がってきているのに、スピーキングだけは全然上達している実感がありません。勉強方法を変えるべきでしょうか?

 



A:あなたの悩みは、日本人の英語学習者の多くが通るごく自然な道です。むしろ、真剣に学んできたからこそ、「伝えられない自分」に対してもどかしさや焦りを感じているのだと思います。ここでは、「話せるようになるまでの過程」や「心の持ち方」、そして「具体的な行動の工夫」を、例とともにわかりやすくご紹介します。

テストの点が上がっているなら、基礎はすでにしっかりしている

文法やリスニングの点数が伸びてきたのは、あなたのインプットの力が高まっている証拠です。いわば、英語の材料が頭の中にたくさん蓄えられている状態です。

問題はそれを「取り出して使う練習」が不足していること。スピーキングはまさにこの“取り出す”トレーニングです。

たとえるなら、料理のレシピをたくさん読んでも、実際に包丁を握らなければ料理が上達しないのと同じです。いま必要なのは、「話してみる」「声に出す」という行動です。

「間違えずに話すこと」が目的になっていませんか?

多くの学習者が、「ネイティブのように話さなければならない」と思い込んでいます。しかし、英語の本質は「伝える道具」です。完璧な文法でなくても、意味が通じればコミュニケーションは成立します。

例:
• レストランで「Could I have the menu, please?」と言えなかったとしても、
→「Menu? OK?」と笑顔で言えば、十分に伝わります。
• バス停で「Excuse me, what time does the next bus arrive?」が出てこなくても、
→「Next bus, what time?」で意図は相手に伝わります。

これは「間違えてもいい」という話ではなく、「正しさよりも伝わることに価値がある」という話です。

間違いは避けるものではなく、“理解の確認作業”である

スピーキングの場面で間違えると、恥ずかしさを感じてしまうかもしれませんが、それは「知識が足りない」のではなく、「知識を使いこなす準備段階」にあるということです。

ある学習者は、「間違えないようにしよう」という考え方をやめて、「相手が理解できたかどうかを観察するゲーム」として会話をとらえ直しました。すると、会話中に伝わらなかったときも、反応を見て言い換えたり、別の表現を試したりと、前向きな試行錯誤が増え、結果的にスピーキング力が伸びたそうです。つまり、間違いは「失敗」ではなく、「調整のチャンス」です。

学習には「一時的に混乱する時期」がある

英語力は直線的に上達するわけではありません。ある程度慣れてきた段階で、かえってミスが増えるということがあります。これは新しいルールや応用にチャレンジしている証です。一時的な“ぐらつき”は、「本物の英語力」が育つ途中に必ず起きる自然な現象なのです。

話せるようになるための行動例(毎日できる練習)

いまの学習に、以下のような“実際に話す練習”を加えてみましょう。

1. モノローグ練習(日常を1人で実況)

例:「I’m making tea now. The water is boiling. I feel sleepy.」

2. イラストや写真を使った即席スピーチ

例:スマホの写真を見て、「My friend is smiling. We were at a café. It was sunny.」と描写。

3. 時間を区切った“英語タイム”

1日のうち、たとえば歯磨きの間だけ「英語で考える」「英語で独り言を言う」など、無理のない範囲で“英語脳”を育てます。

4. 友人やAIとの短文チャットで即興練習

正確さは二の次で、とにかく「即座に反応する」ことが大切です。

間違えたことを記録しよう(回数ではなく“中身”を)

「どんな間違いをしたか」「どう言い直したか」をメモするのがおすすめです。

たとえば:
❌「He go to school yesterday.」
→ ✅「He went to school yesterday.」
❌「I am tired because I don’t slept.」
→ ✅「…because I didn’t sleep.」

こうした「自分のつまずきノート」は、世界に一冊しかない最強の教材になります。

あなたは「話せない」のではなく、「話し始めていないだけ」

“話せない”と感じるのは、「話していない」からではなく、「話す勇気を出せていない」だけです。

英語は「失敗しないように身につけるもの」ではなく、「失敗を通じて上達するもの」です。だからこそ、「今日の学習が完璧だったか」ではなく、「今日、英語を一度でも口に出せたか」を自分の評価軸にしてみてください。あなたの中には、すでにたくさんの英語の知識が詰まっています。それを“音にして届ける”だけで、あなたの英語は世界を広げていきます。

 

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日本に住む安河内(Y)と、ブラジル在住のアメリカ人G氏の対談です。今回のテーマは、気候変動から人類の進化、韓国済州島(チェジュとう)に住む「海女(ヘニオ)」たちの遺伝的適応、そして人類の未来に至るまで、幅広く深い内容が展開されました。人類とテクノロジーや環境との関係を深く掘り下げます。



Y:調子はどうですか?

G:文句なし、元気ですよ。

Y:部屋がきれいですね。背景からして…あなたはアメリカ出身で、今はメキシコにいますか?

G:いえ、もっと南です。ブラジルにいます。

Y:ブラジルですか。天気はどうですか?

G:今は秋の終わりなので、日中は22〜23度くらいです。

Y:快適そうですね。でも夜は冷えますか?

G:そうですね、少し肌寒くなります。

Y:日本は逆に暑くなってきていて、夏が一番つらい季節です。年々暑くなっている感じがします。

G:地球はこの1万年くらい温暖化の傾向にありますからね。人間の近代化が原因とされがちですが、実はもっと長期的な変化かもしれません。

Y:確かに。私の生きている間は、もっと暑くなる一方な気がします。

G:でも実は北極や南極の氷床は再形成されているという話もあります。もしかしたら地球はすでに冷却期に入っているのかもしれませんよ。

Y:そうかもしれませんね。まあ、なるようになるでしょう。

G:日本は南北に長い国なので、気候を選んで暮らすこともできますよね。例えば、夏は北海道、冬は沖縄に住むという理想的な生活も。

Y:それができれば最高ですね。私は今、東京に住んでいて、エアコンの効いた部屋にいれば気候の問題は感じません。

Y:ところで、最近面白いニュースを読みました。済州島(チェジュとう)の海女(ヘニオ)たちが、ダイビングに適応した進化を遂げているという話です。

G:ああ、そのニュース読みましたよ。科学者たちによると、トレーニングの結果という意見もありますが、私は遺伝的適応も関係していると思います。

Y:記事によると、彼女たちは平均で65歳くらいなのに、素潜りで18メートルも潜れるとか。しかも30秒ほどの潜水を何度も繰り返す。

G:研究者は、3つのグループ、すなわちヘニオ30人、非ダイバーの済州島住民30人、本土の韓国人31人を対象に比較したそうですね。

Y:遺伝子や心拍数、血圧を測定して、冷水に顔を浸けた状態での反応を調べた結果、済州島の人々全体が本土の人々と遺伝的に異なっていたそうですね。

G:さらに、ヘニオたちは心拍数が著しく低く、これは潜水に有利ですね。でもそれは訓練の結果とも言える。

Y:ただ、寒さに強い遺伝子や血圧が上がりにくい遺伝子を持つ割合が、ヘニオには本土の人より4倍も高かったそうです。これは確実に遺伝的な要素でしょうね。

Y:65歳の彼女たちは健康的に見えないかもしれませんが、実は体はダイビング向けに適応している。驚きです。

G:人間は進化を続けているのかもしれませんね。スマートフォンやAIの登場で、脳の構造も変わってきている可能性があります。

Y:脳の一部をあまり使わなくなった分、他の部分が変化しているかもしれませんね。

G:1万年後の人類の骨格を見ると、体の構造が変わっているかもしれません。

Y:スマホに依存していることで、脳の一部が退化しているかも…。そのうち人型ロボットがすべてやってくれる時代が来るでしょうね。洗濯、料理、掃除まで全部。ところで、フリーダイビングをしたことはありますか?

G:子供の頃に少しだけ。

Y:私は、今はスキューバダイバーです。オープンウォーターのライセンスを持っていて、今年中にアドバンスも取りたいです。

G:いいですね!私はダイビングをしたいけど、今は海から8時間も離れた場所に住んでいて…。でもブラジルの自然の淡水は温かくて快適です。まるでバスタブのようですよ。

Y:温泉はありますか?

G:いくつかはありますが、地熱活動はあまり活発ではないです。地震もほとんど起こらない。

Y:それはいいですね。日本は太平洋火山帯(パシフィック・リング・オブ・ファイア)にあるので、地震が多くて大変です。

G:そうですね。ブラジルは台風もハリケーンもないし、森林火災も少ない。自然災害がほとんどないんです。

Y:あなたはアメリカのどこ出身なんですか?

G:軍人家庭に生まれたので、テキサス生まれですが、ほぼ2年ごとに引っ越していました。ワシントン、カリフォルニア、アリゾナ、フロリダ、ジョージア…いろいろです。

Y:地理のテストではいつも満点だったでしょうね。

G:アメリカについては知りすぎているくらいですよ。

Y:今はブラジルが「ホーム」ですね。

G:そうですね。生活費もアメリカの20%以下です。

Y:それはすごい!人々も親切ですか?

G:とても親切です。しかも、日系人が多くて驚きました。20世紀初頭からの大規模な移民が何度もありました。

Y:ということは、日本人にとって住みやすいかもしれませんね。

G:大都市には「ジャパンタウン」もあります。サンパウロのリベルダージ地区なんかはまさに日本そのものです。

Y:英語は通じますか?

G:都市部では25%くらいの人が話せます。私は妻がブラジル人なので、通訳として助けてもらっています。

Y:なるほど、それは心強いですね。今日は本当にありがとうございました!

G:こちらこそ、ありがとうございました。またお話ししましょう!

本対談では、済州島の海女の進化に関する科学的な話題から、気候変動、人類の未来、そして生活コストや文化の違いまで、多岐にわたる話が展開されました。Y氏とG氏の間には、物理的な距離を超えた共通の関心と、深い洞察が感じられます。科学と人間の営みを結びつけるこうした会話は、私たちが「今」と「未来」をどう生きるかを考える上で、大変示唆に富んでいます。

 

A Conversation Between Mr. Yasukochi in Japan and Mr. G from the U.S. Living in Brazil

 

Mr. Yasukochi (Y) lives in Japan, and Mr. G is an American living in Brazil. In this conversation, they talk about many topics, including climate change, human evolution, the diving women of Jeju Island in South Korea, and the future of humanity. They discuss how humans are connected with nature and technology.

 

Y: How are you doing?


G: I'm doing great. No complaints.
 

Y: Your room looks clean. Are you in Mexico now?
 

G: No, I'm further south—in Brazil.
 

Y: Oh, Brazil! How’s the weather?
 

G: It’s the end of autumn now. The temperature is around 22–23°C during the day.
 

Y: Sounds comfortable. Does it get cold at night?
 

G: Yes, it gets a little chilly.
 

Y: In Japan, it’s getting hot now. Summer is the hardest season for us. It feels hotter every year.
 

G: The Earth has been warming for the past 10,000 years. People think it's because of modern life, but it could be a long-term natural change.
 

Y: I think it will keep getting hotter in my lifetime.
 

G: But I heard that ice in the Arctic and Antarctic is starting to grow again. Maybe the Earth is entering a cooler time.
 

Y: Maybe you're right. We'll see what happens.
 

G: Japan is a long country from north to south, so people can choose where to live. For example, summer in Hokkaido, winter in Okinawa.
 

Y: That sounds like a dream! I live in Tokyo now. As long as I stay in an air-conditioned room, I don’t feel the weather much.

 

Y: By the way, I read an interesting article. In Jeju Island, South Korea, some women called “Haenyeo” have evolved to dive better.
 

G: Yes, I saw that. Some scientists say it’s from training, but I think it's also genetic.
 

Y: The article said they are about 65 years old but can dive 18 meters deep. They do it many times, staying underwater for 30 seconds each time.
 

G: Researchers compared 3 groups: 30 Haenyeo, 30 non-divers from Jeju, and 31 people from mainland Korea.
 

Y: They tested their genes, heart rates, and blood pressure while their faces were in cold water. They found that people in Jeju are genetically different from people on the mainland.
 

G: The Haenyeo had much lower heart rates, which helps for diving. That could be training, though.
 

Y: But the article also said they are 4 times more likely to have genes for cold resistance and stable blood pressure. That’s probably from evolution.
 

Y: These 65-year-old women might not look athletic, but their bodies are made for diving. It’s amazing.
 

G: Humans might still be evolving. Smartphones and AI could be changing our brains too.
 

Y: We may use less of some brain areas and develop other parts instead.
 

G: In 10,000 years, our bodies might look very different.
 

Y: Maybe we’ll depend on robots so much that our brains will get weaker. Robots might do all the work—laundry, cooking, cleaning…
 

Y: Have you ever tried free diving?
 

G: I tried it a little when I was a kid.
 

Y: I’m a scuba diver now. I have an Open Water license, and I want to get the Advanced license this year.
 

G: That’s great! I want to dive too, but I live 8 hours away from the sea. But Brazil has warm, fresh water—it’s like a bathtub.
 

Y: Do you have hot springs there?
 

G: A few, but we don’t have much geothermal activity. And we rarely have earthquakes.
 

Y: That’s nice. Japan is on the Pacific Ring of Fire, so we have many earthquakes.
 

G: In Brazil, we don’t have typhoons or hurricanes either. And wildfires are rare. There are very few natural disasters here.
 

Y: Where in the U.S. are you from?
 

G: I was born in Texas, but my family moved often because my father was in the military. We lived in Washington, California, Arizona, Florida, and Georgia.
 

Y: You must be good at geography!
 

G: I know a lot about the U.S., that’s for sure.
 

Y: Now Brazil is your home, right?
 

G: Yes. Life here costs less than 20% of what it does in the U.S.
 

Y: That’s amazing. Are people kind there?
 

G: Very kind. I was surprised by how many Japanese-Brazilians live here. Many came in the early 20th century.
 

Y: So, it might be a good place for Japanese people to live.
 

G: There are even “Japan Towns” in big cities. The Liberdade area in São Paulo feels just like Japan.
 

Y: Can people speak English?
 

G: About 25% of people in cities can. My wife is Brazilian, so she helps me with the language.
 

Y: That’s really helpful. Thank you so much for today!
 

G: Thank you too! Let’s talk again!

In this conversation, Mr. Y and Mr. G talked about many interesting topics—from the diving women of Jeju Island and climate change to the future of humanity and life in Brazil. Their conversation shows how people can connect deeply even from far away. Talking about science and everyday life together helps us think more clearly about our present and our future.

 

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韓国映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』をAmazon Primeで鑑賞しました。実は全く予備知識なしで観始めたのですが、序盤の雰囲気からてっきり、ホームドラマやコメディタッチの温かい家族映画なのかと思っていました。ところが、物語が進むにつれて、その印象は大きく覆されていきます。

 


 

最初は、生活に困っている家族や近所との人間関係を描いた、よくある韓国ドラマのような穏やかな展開が続きます。登場人物たちのユーモラスなやり取りに笑いながら見ていたのですが、次第にストーリーは大きな社会問題を真正面から描き出す方向へとシフトしていきます。

驚いたのは、コミカルな描写と重厚なテーマとのバランスの絶妙さです。とくに後半は、韓国現代史の中でも最も衝撃的な事件のひとつ「光州事件(1980年)」が描かれ、社会の暗部が浮き彫りになります。非常に重いテーマにもかかわらず、テンポよく展開するストーリーに目が離せず、私はソファから一歩も動かず、最後まで一気に見終えてしまいました。

この光州事件が起きた1980年、私はまだ中学生で、地元・福岡県でのんびりと田園を走り回っていた記憶があります。その頃、日本の学校では韓国の政情について教わることもなく、韓国の存在をあまり意識していませんでした。けれども、福岡では韓国のラジオ放送がAMでよく受信できており、子どもながらに「どこか外国の声が聞こえるな」と感じていたのを思い出しました。

私が韓国という国を強く意識し始めたのは、大学時代に初めてアメリカに行った時のことです。格安航空券をきっかけに大韓航空を利用し、成田から金浦空港で乗り継いでロサンゼルスへ向かいました。機内はほとんどが韓国人の乗客で、フライトアテンダントも韓国の方。飛行機の中がまるで「韓国の空間」そのものだったのが印象的でした。

その後、今度は下関から釜山へ向かうフェリーで韓国を訪れ、約1ヶ月滞在しました。現地で様々なトラブルにも遭いましたが、多くの韓国の方々に助けていただき、韓国語を学びたいという気持ちも芽生えました。今では少しだけですが、韓国語を話せるようになりましたし、韓国人の友人もたくさんできました。

1988年に韓国を訪れた際には、光州事件から10年も経っていない時期であり、ソウルの街中でも学生デモが繰り広げられていました。催涙弾の匂いを感じたり、大学周辺で集まる学生たちの姿を目の当たりにすることもありましたが、街全体は比較的平穏でした。

当時のソウルはオリンピックを翌年に控え、建築ラッシュの真っただ中。街は大きく変わろうとしており、未来への活気に満ちていました。一方で、英語があまり通じないという点では日本と似ていて、韓国もまだ「英語に不慣れな国」のひとつでした。その後の韓国の英語教育改革により、日本よりも先にグローバル化が進んだのは皆さんご存知の通りです。

この映画を観ながら、私はそんな韓国との個人的な記憶と重ね合わせながら、80年代のアジアの情景を懐かしく思い出しました。とくに、当時の韓国と日本の街並みや生活用品の雰囲気がとても似ていたことが印象に残りました。

私が目撃した韓国の現実は、この映画のような過酷なものではありませんでしたが、それでも人々の逞しさと優しさには何度も心を打たれました。秋には再び韓国を訪れる予定です。あの時代の記憶が息づく場所を、もう一度歩いてみたいと思っています。

この映画に関して

 

『タクシー運転手 約束は海を越えて』(原題:택시운전사、英題:A Taxi Driver)は、1980年5月に韓国で起きた光州事件という民主化運動の渦中に、ドイツ人記者とその取材を助けたソウルのタクシー運転手の実話を基にした作品です。名優ソン・ガンホが主人公のタクシー運転手キム・マンソプを、ドイツの俳優トーマス・クレッチマンがドイツ人記者ピーター(ユルゲン・ヒンツペーターがモデル)を演じました。韓国では2017年8月2日に公開され、1200万人以上の観客を動員する大ヒットを記録し、同年の韓国映画興行収入第1位となりました。日本でも2018年4月21日に公開され、高い評価を得ています。本作は、歴史の悲劇を背景にしながらも、国境を越えた友情やジャーナリズムの使命、そして普通の人々の勇気を描いたヒューマンドラマとして、多くの観客の心を打ちました。

監督 チャン・フン 
脚本 オム・ユナ 
製作 パク・ウンギョン 
出演 ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル 

あらすじ

 

1980年5月、韓国のソウルで個人タクシーを運転するキム・マンソプ(ソン・ガンホ)は、11歳の娘を男手ひとつで育てながら、家賃の支払いにも苦労する平凡な市民です。ある日、彼は「通行禁止時間までに光州へ行けば10万ウォンを支払う」というドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)の依頼を偶然耳にし、大金に目がくらんでその仕事を引き受けます。

英語もろくに話せないマンソプは、ピーターを乗せて光州へ向かいますが、そこはソウルとは全く異なる緊迫した状況下にありました。民主化を求める市民や学生によるデモが軍によって激しく弾圧され、街は封鎖されようとしていたのです。当初は危険を察知し、娘の待つソウルへ早く戻りたいと考えるマンソプでしたが、ピーターが命がけで取材を続ける姿や、デモに参加する大学生ジェシク(リュ・ジュンヨル)、現地の心優しいタクシー運転手ファン・テスル(ユ・ヘジン)らとの出会いを通じて、次第に心境が変化していきます。

光州で目の当たりにする軍による無慈悲な暴力と、それに立ち向かう人々の姿は、それまで政治に無関心だったマンソプの心を揺さぶり、ピーターの取材を最後まで助けることを決意させます。彼らは検問を突破し、撮影されたフィルムを世界に届けるため、決死の脱出を試みることになります。

物語の背景:光州事件

本作の背景となっているのは、1980年5月18日から27日にかけて韓国の光州市(クァンジュし)で起きた「光州事件(光州民主化運動)」です。

1979年10月26日に朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺された後、韓国社会は一時的に民主化への期待が高まり、「ソウルの春」と呼ばれました。しかし、同年12月12日に軍人の全斗煥(チョン・ドファン)が粛軍クーデターを起こして実権を掌握し、翌1980年5月17日には全国に非常戒厳令を布告、金大中(キム・デジュン)氏ら野党指導者を逮捕・軟禁しました。

これに対し、金大中氏の地元である光州を中心に学生や市民が激しく抵抗し、大規模なデモが発生しました。戒엄軍はこれを武力で鎮圧し、市民に対して無差別に発砲するなど激しい弾圧を行い、多数の死傷者を出しました。当時、韓国内の報道は厳しく統制されており、光州で起きている惨状は韓国内の他の地域や国外にはほとんど伝わっていませんでした。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、この歴史的事件の真実を世界に伝えた外国人記者と、彼を助けた一人のタクシー運転手の視点から描いています。

実話との関連性

この映画は、ドイツ公共放送連盟(ARD-NDR)の東京特派員だったユルゲン・ヒンツペーター氏と、彼をソウルから光州まで乗せたタクシー運転手キム・サボク(金砂福)氏の実話に基づいています。

映画では、主人公のタクシー運転手の名前は「キム・マンソプ」と設定され、ヒンツペーター記者に本名を尋ねられた際に「キム・サボク」という偽名を名乗るシーンがあります。しかし、実際にはタクシー運転手の本名はキム・サボク氏でした。映画製作時にはキム・サボク氏に関する情報が少なく、彼の人物像の多くはフィクションとして描かれています。

映画公開後、キム・サボク氏の息子であるキム・スンピル氏が名乗り出て、父親の実際の行動やヒンツペーター氏との関係について詳細が明らかになりました。スンピル氏によると、キム・サボク氏は単にお金のために光州へ行ったのではなく、1975年からヒンツペーター氏と面識があり、外国の報道機関に協力することもあった人物で、光州の状況をある程度理解した上で、危険を承知でヒンツペーター氏の取材に協力したとされています。

映画のラストには、晩年のユルゲン・ヒンツペーター氏本人がキム・サボク氏との再会を願うインタビュー映像が使用されており、深い感動を呼びます。ヒンツペーター氏は2016年に亡くなるまで、キム・サボク氏と再会することは叶いませんでした。

キャストと製作陣

* キム・マンソプ役:ソン・ガンホ 韓国を代表する俳優であり、「国民的俳優」とも称されるソン・ガンホが、平凡ながらも人間味あふれるタクシー運転手キム・マンソプを熱演しました。お金に執着し、デモを迷惑がる利己的な一面を見せながらも、光州の惨状を目の当たりにして正義感に目覚めていく複雑な心情の変化を見事に表現しています。ソン・ガンホにとって本作は『グエムル-漢江の怪物-』『弁護人』に続く3作目の1000万人動員映画となりました。

* ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター)役:トーマス・クレッチマン 『戦場のピアニスト』やマーベル映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』などにも出演しているドイツ出身の国際的俳優トーマス・クレッチマンが、光州の真実を世界に伝えようと奮闘するドイツ人記者ピーターを演じました。言葉の壁を越えてマンソプと絆を深めていく姿が印象的です。

* 監督:チャン・フン 『義兄弟 SECRET REUNION』『高地戦』などで知られるチャン・フン監督がメガホンを取りました。監督は「何よりも、若い観客にこのこと(光州事件)を知らせたかった」と本作に関わった動機を語っています。歴史的な出来事を扱いながらも、主人公マンソプの感情の動きに焦点を当て、普遍的なヒューマンドラマとして昇華させています。

国内外での評価と影響

韓国国内での大ヒットと受賞歴 『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、2017年8月2日に韓国で公開されると、わずか19日で観客動員数1000万人を突破し、最終的に1218万人以上を動員する空前の大ヒットとなりました。これは2017年に韓国で公開された映画(外国映画を含む)の中で唯一の1000万人突破作品であり、歴代韓国映画興行収入ランキングでも上位に位置しています。
その作品性と大衆性から数多くの映画賞を受賞しました。

韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、1980年の光州事件という韓国現代史の痛ましい出来事を背景に、一人の平凡なタクシー運転手と外国人記者の視点を通して、人間の良心、勇気、そしてジャーナリズムの使命を力強く描いた傑作です。ソン・ガンホをはじめとする俳優陣の卓越した演技、史実に基づきながらもエンターテイメント性を失わない巧みな脚本と演出により、韓国国内で記録的な大ヒットとなっただけでなく、国境を越えて多くの人々に感動と深い問いを投げかけました。

韓国の文化と歴史を学ぶためにも、この映画は絶対外せない1本ですね。興味がある方はぜひ見てくださいね。オススメです。

 

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今日は、ある高校の生徒の皆さんに、英語の勉強法の指導をしています。進学校なので、共通テストに関する意識が高いです。生徒たちの質問の中でいちばん多いのは……

 

「英語のリーディングってどうやって勉強したらいいんですか?」

そう聞かれたとき、「この方法が正解です」と一つの答えで返すことはできません。なぜなら、リーディングにはさまざまな目的と方法があり、それぞれに合った練習法を選ぶ必要があるからです。特に共通テストのリーディングでは、リーディングの様々な側面を試しているからです。単純に一つの手法に依拠してしまうと、点数も伸び悩むでしょうね。

リーディングは、「読む力」とひとことで言い表せない複雑なスキルです。たとえば、速く読むこと、正確に読むこと、大意をつかむこと、必要な情報だけを見つけることなど、目的によって求められる力はまったく異なります。共通テストはそのような様々なリーディングの力を試すように設計されています。

だからこそ、「自分は何を伸ばしたいのか?」「どの力が不足しているのか?」を考えて、その目的に合った読み方と練習法を選ぶことが大切なのです。


1. 精読(Intensive Reading)

目的:

英文の構造や語彙を正確に理解する力を養う。論理的に英文を読めるようになる。

特徴:

  • 一語一語を丁寧に読む

  • 文法・構文・語彙を確認しながら進める

  • 構造を見抜く練習や音読と組み合わせると効果的

毎日の勉強法:

  1. 短めの英文を1日1つ選び、まず自力で意味をとってみる

  2. わからない単語は文脈から推測してから辞書で確認する

  3. 文の構造(主語・動詞・目的語)を意識して、SVOや関係詞などを分析

  4. 口頭で訳してみる。できれば英語→日本語、日本語→英語の両方を行う(最終的に訳し癖がつかないように気をつけた上で)

  5. 最後に声に出して3回以上音読することで、文のリズムも体に入れる

"The government launched a new policy to address climate change."

 
  • "launch" = 「開始する」

  • "address" = 「取り組む」

  • 文構造:主語(The government)+動詞(launched)+目的語(a new policy)

→「政府は気候変動に取り組むための新しい政策を始めた。」


2. 多読(Extensive Reading)

目的:

英語にたくさん触れて、語感・語彙・リズムを自然に身につける。読書習慣を作る。

特徴:

  • やさしめの英文を大量に読む

  • 辞書はできるだけ使わず、全体の意味を重視

  • 「読書=楽しい」という感覚を育てる

毎日の勉強法:

  1. 自分のレベルより少し簡単な英語の本や記事を用意する

  2. 1日15〜30分、時間を決めて読む(ページ数ではなく時間重視)

  3. わからない単語に出会っても止まらず、「文脈からの推測」「雰囲気」で読み進める

  4. 読み終わったら、簡単に「何が書いてあったか」を要約してみる

  5. 読書記録をつけて、読んだ冊数や内容を振り返る習慣をつける

"Jack opened the door and found a strange box on the floor. He looked around, but no one was there."

 

→ 意味が100%わからなくても、文の流れとイメージで読み進める。「誰もいないのに不思議な箱がある」という内容を雰囲気でつかむ。


3. 再読(Re-Reading)

目的:

一度読んだ英文を何度も読むことで、記憶定着・処理スピード向上・表現の習得を図る。最終的には耳からだけで完璧に理解できるようにする。

特徴:

  • 同じ英文を繰り返し読む

  • 毎回異なる視点(意味・文法・語彙・リズムなど)で読む

  • 暗記や音読と相性が良い

毎日の勉強法:

  1. 短い英文や記事を1つ選び、1回目は普通に精読

  2. 2日目・3日目と、毎日少しずつ同じ文章を読み直す

  3. 日を追うごとにスピードを上げて読んでみる

  4. 英語を「音」として読む「シャドーイング」も効果的

  5. 1週間後にまた再読して、内容を覚えているか、よりスムーズに読めるか確認する

"She decided to study abroad to experience a new culture and improve her English skills."

 

→ 1回目は単語と文の構造を確認。2回目は音読。3回目はスムーズに読めるか試す。4回目は日本語訳せずに意味を感じるように読む。


4. 速読(Speed Reading)

目的:

大量の情報を素早く処理する力をつける。試験やビジネス現場での読解スピード向上。

特徴:

  • 読むスピードを意識して、文章のまとまりで意味を取る

  • 脳の情報処理力を鍛える

  • 文章を流れとして捉える練習になる

毎日の勉強法:

  1. ストップウォッチを使って、短い英文を時間を測りながら読む

  2. 1回読んだら、読み終えた時間と内容の理解度を記録する

  3. 同じ文を2回目・3回目と繰り返し読み、スピードと理解度の変化を見る

  4. 段落ごとの要点をメモにまとめる練習をする

  5. 週に一度、自分のWPM(Words Per Minute)を記録して成長を確認する

"In recent years, the popularity of electric vehicles has increased rapidly, especially in countries with strong environmental policies."

 

→ 最初は1分で読む→理解度を確認→もう一度30秒以内で読む→要点を3語以内でメモ「EV人気、環境政策」。


5. スキャニング(Scanning)

目的:

必要な情報(数値・名前・日付など)だけを瞬時に見つけ出す力をつける。

特徴:

  • 本文全体を読むのではなく、特定の情報だけを探す

  • 調べ物や試験で有効

  • 「読み飛ばし」が中心の技術

毎日の勉強法:

  1. 英文に対して「この中で会議の日付は?」「費用はいくら?」と質問を立てておく

  2. その質問に答えるためだけに、目でパラパラと文面を走らせながら読む

  3. 数字・固有名詞・時間・地名などに注目する訓練をする

  4. 練習後に、自分がどれだけ素早く情報を抜き出せたかを記録

  5. 同じ練習を異なるテーマ(旅行案内、製品紹介など)で繰り返す

"The meeting will be held on Friday, March 8th at 3:00 PM in Conference Room B."

 

→ 「会議はいつ?」→“Friday, March 8th”と“3:00 PM”を素早く見つけ出すことが目的。


6. スキミング(Skimming)

目的:

文章の要点・大意を素早くつかむ。全体像をざっくり把握する力を鍛える。

特徴:

  • 見出し・最初と最後の段落・太字などを中心に読む

  • 詳細には立ち入らず、「何について書かれているか」を把握する

  • ニュースやメール、報告書などで役立つ技術

毎日の勉強法:

  1. 1〜2分で1記事を読むと時間を決めて、まずスピード重視で読んでみる

  2. 読み終わったら、「何について書いてあったか」を2〜3文で英語で要約

  3. 見出しや構成、段落の流れを視覚的に意識して読む練習をする

  4. 「筆者の主張は何か」「この記事の目的は?」と問いを立てながら読む

  5. 要約の質を日々記録し、曖昧な点を見直して補う

"This article discusses the effects of social media on teenage mental health, focusing on anxiety, depression, and sleep issues."

 

→ 記事全体を読まずに「ソーシャルメディアと10代のメンタルヘルス」が主なテーマだと即座に把握。

7. パラグラフリーディング(Paragraph Reading)

目的:

長文を論理的に理解する力をつける。段落ごとの主張や構造を意識しながら、全体の流れを把握できるようにする。

特徴:

  • 1文1文ではなく、「段落=意味のかたまり」として読む

  • 各段落の「要点(トピックセンテンス)」に注目

  • 論理構造(主張→理由→例→結論など)を読み取る訓練

  • 読解試験やレポート、論説文などに特に有効


毎日の勉強法:

  1. 英文を1段落ずつ読む

  2. 段落の最初の1文(トピックセンテンス)に注目し、その段落の主題を予測する

  3. 段落全体を読んだ後、自分の言葉で「この段落は何を言っていたか?」を一文で要約

  4. 全体を読み終えたら、段落の流れ(例:問題提起→原因→解決策)を図にして整理する

  5. 慣れてきたら、「トピックセンテンスだけを読んで記事全体を要約する」練習も有効


英語の具体例(1段落):

Many people believe that success comes from natural talent, but in reality, hard work plays a much bigger role. Studies have shown that individuals who consistently put in effort over time tend to outperform those who rely only on innate ability. Furthermore, successful people often fail many times before they achieve their goals. This suggests that persistence and dedication are more important than talent alone.

 

練習ポイント:

  • 最初の文がトピックセンテンス:「成功=才能」ではなく「努力が大事」という主張

  • そのあとに「研究結果→失敗例→結論」が続く構成

  • この段落全体の要約例:

“Effort and persistence are more important than natural talent in achieving success.”

 

目的と練習法をセットで考えよう

英語のリーディング力を伸ばすには、まず自分の「目的」と「課題」を明確にすることが何より大切です。そして、目的に応じた手法を選び、毎日の学習に取り入れていくことが、確実な力につながります。

  • 丁寧に読むなら「精読」

  • 英語に慣れたいなら「多読」

  • 繰り返しの定着なら「再読」

  • 読むスピードを上げたいなら「速読」

  • 情報検索力をつけたいなら「スキャニング」

  • 要点をつかみたいなら「スキミング」

  • アカデミックな読解は「パラグラフリーディング」

共通テストを見てみると、全部の力が試されていますね。どれかに絞り込んで集中しても、なかなか点数は上がらないでしょうね。「どれが正解か」ではなく、「どれを、いつ、どう使うか」が成功のカギです。高得点を取るためには、かなり時間はかかると思いますが、日々の積み重ねが、英語力の確かな土台になります。目的を意識して、今日から少しずつ取り組んでみましょう。

 

 

 

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日本に住む安河内(Y)と、英国在住のイギリス人男性(A)氏の対談です。今回は、B氏が以前暮らしていたカンボジアでの生活、そしてこれから向かう予定のケニアへの旅についての話から始まり、次第に話題はイギリスの再生可能エネルギー政策、特に新築住宅へのソーラーパネル設置義務化へと移っていきます。日常生活と地球環境問題がどうつながるのか。二人が語る現地での実感を通して、現代の暮らしとエネルギーのあり方を深く掘り下げた対話です。

 

 

Y:今、イギリスに住んでるんですよね?
 

A:はい。2か月前まではカンボジアに住んでたんですけど、最近戻ってきました。

 

Y:カンボジアに?それは興味深いですね。どこにいたんですか?

 

A:シェムリアップ(Siem Reap)という内陸の街にいました。アンコールワットで有名な場所です。とても暑くて活気のある街でした。

 

Y:ああ、海沿いじゃないんですね。カンボジアも魅力的ですが、次はどこかへ?

 

A:今月末にはケニアに行く予定です。アフリカの国々に興味があって、特にケニアは前から行きたかった場所なんです。

 

Y:ケニアの首都ってナイロビ(Nairobi)ですよね?少し治安の問題があると聞いたことがあります。

 

A:確かに「ナイロベリー(Nairobbery)」なんて呼ばれることもあるくらい、過去には治安が悪い時期もありました。でも最近は改善されていて、僕は海岸沿いのモンバサ(Mombasa)に滞在する予定なので、リラックスできるんじゃないかと思ってます。

 

Y:いいですね、海沿いは癒されますよね。旅行といえば、イギリスでも気候変動やサステナブルな暮らしが注目されてますよね?最近のエネルギー政策に関する記事を読んで驚きました。

 

A:ああ、2027年から新築住宅にソーラーパネルの設置を義務づける法律のことですね?確かにイギリスとしてはかなり大胆な政策です。

 

Y:詳しく教えてもらえますか?

 

A:はい。その法律によると、新しく建てられる住宅の約80%に、屋根面積の40%以上をソーラーパネルで覆うことが義務化される予定です。屋根の形状や地域の条件によっては例外もあって、約10%はその基準より少なくても認められますし、約1%の新築住宅は設置不要になる見込みです。

 

Y:1%というのは本当に特殊なケースなんでしょうね。でも、設置費用も気になります。

 

B:建設費に約4400〜5300ドル(60万円〜80万円)の追加コストがかかる見込みですが、例えば3LDKの家なら、年間1300ドルほどの光熱費を節約できるらしいです。つまり、4〜5年で元が取れる計算になります。

 

Y:なるほど、長期的にはプラスですね。さらに政府が補助金やローンの制度も用意しているんでしょう?

 

A:そうです。既存の住宅にソーラーパネルを後付けするための助成金制度や融資制度も並行して進められる予定です。でも、やはり新築時に設置したほうがコストは圧倒的に安く済みます。

 

Y:日本でもぜひ進めてほしい制度ですね。実は、うちの家は南向きの大きな屋根があって、ソーラーパネルに最適なんです。もし補助金があれば、すぐにでも導入したいと思っています。

 

B:イギリスよりも日本のほうが日照時間が長いし、冬でも晴天が多いから、実はもっと効果が期待できると思うよ。

 

Y:しかも、蓄電池も導入すれば、昼に発電した電気を夜に使えるし、非常時にも安心ですね。

 

A:そのとおり。最近は、家庭用の高性能な蓄電池の価格も下がってきてるし、効率的に電力を活用できる環境が整ってきてる。

 

Y:あと面白いのが、窓ガラス型のソーラーパネルとか、建物全体が発電装置になる未来も見えてきましたよね。

 

A:そうですね。最近では、透明なソーラーパネルを開発している企業もあって、外観を損なわずに発電できるようになるそうです。特に都市部では屋根の面積に限界があるので、こういう技術の普及は大きな鍵になると思います。

 

Y:まさにこれからは、多様な技術を組み合わせて、国や地域ごとの最適解を見つけていく時代ですね。日本でも柔軟で実用的な制度設計が求められていると思います。

A:その未来は、すでに始まりつつある。エネルギーの自立性が、これからの暮らしの標準になっていくかもしれませんね。

 

本対談では、ケニア旅行やカンボジア生活の話を皮切りに、イギリスの最先端エネルギー政策に関する議論へと発展しました。特に注目されたのは、2027年以降に始まる予定の新築住宅へのソーラーパネル設置義務化政策。この取り組みによって、家庭の光熱費削減、温室効果ガスの削減、そしてエネルギーの自立が大きく進む可能性があります。日本とイギリス、それぞれの立地条件や制度の違いを踏まえつつ、再生可能エネルギーがいかに身近な生活に関わってくるかを深掘りした、有意義な対談となりました。

A Conversation Between Yasukochi in Japan and Mr. A in the UK
Topic: Life in Cambodia, Travel to Kenya, and Solar Panel Policies in the UK

Yasukochi (Y) lives in Japan, and Mr. A is a British man who now lives in the UK. In this conversation, they start by talking about Mr. A’s past life in Cambodia and his next trip to Kenya. Then, they move on to the topic of renewable energy in the UK, especially a new law that will require solar panels on new houses. Through their talk, they connect daily life with global environmental issues.

 

Y: You live in the UK now, right?

 

A: Yes, I do. But I lived in Cambodia until two months ago. I just moved back.

 

Y: Cambodia? That sounds interesting. Where did you live?

 

A: I lived in Siem Reap, a city famous for Angkor Wat. It was very hot and lively.

 

Y: Oh, so it’s not by the sea. Cambodia sounds nice. Where are you going next?

 

A: I’m going to Kenya at the end of this month. I’ve always wanted to visit some countries in Africa, especially Kenya.

 

Y: Kenya’s capital is Nairobi, right? I heard there were some safety problems.

 

A: That’s true. Some people even call it “Nairobbery” because it had many crimes in the past. But it’s getting better. I’ll stay in Mombasa, a city near the coast. I think it will be relaxing.

 

Y: That sounds great. The seaside is always nice. Speaking of travel, I read that the UK is focusing more on climate change and sustainable living.

 

A: Yes. In 2027, the UK will start a new law that says new houses must have solar panels. It’s a big step for the country.

 

Y: Can you tell me more about it?

 

A: Sure. The law will say that about 80% of new houses must cover at least 40% of their roofs with solar panels. Some houses will have different rules depending on their roof shape and area. About 10% can have fewer panels, and 1% won’t need any.

 

Y: Only 1%? That must be special cases. But how much does it cost?

 

A: It adds around $4,400 to $5,300 to the building cost. But a house with 3 bedrooms can save about $1,300 a year in electricity. So, people can recover the cost in 4 to 5 years.

 

Y: That sounds good in the long run. Are there any government support programs?

 

A: Yes, there will be support like loans or grants for adding solar panels to old houses too. But it’s cheaper to install them when building a new house.

 

Y: I hope Japan will do something like that. My house has a big south-facing roof, so it’s perfect for solar panels. If there were subsidies, I’d like to install them.

 

A: Japan has more sunshine than the UK. Even in winter, you have many sunny days, so solar panels might work better there.

 

Y: And if I install a battery, I can use the electricity at night too. It’s also helpful during emergencies.

 

A: Exactly. Home batteries are getting cheaper and better now. It’s becoming easier to use solar energy well.

 

Y: I’ve also heard of solar windows. In the future, maybe the whole building can produce energy.

 

A: Yes. Some companies are developing clear solar panels now. They don’t change how a building looks. In cities with small roofs, this technology can be very useful.

 

Y: So now we need to mix many technologies and find the best way for each country. Japan needs flexible and useful plans too.

A: I think the future has already started. Maybe self-made energy will be normal for homes soon.

This conversation started with Mr. A’s life in Cambodia and his next trip to Kenya. Then, it moved on to a deeper talk about the UK’s solar panel law, which will begin in 2027. This law could help families save money, reduce greenhouse gases, and use energy more independently. By comparing Japan and the UK, the speakers showed how renewable energy is becoming a real part of everyday life.

 

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今日は明治大学で講義でした。英語を学んでいるみなさんの悩みに、わたし自身の経験と考えをもとに、ひとつひとつ答えました。社会に出る前に、「英語を話せるようになりたい」と感じている人は本当に多いです。でも、その一方で、「なかなか話せるようにならない」という声もよく聞きます。なぜそうなってしまうのか。どうすれば本当に話せるようになるのか。そのヒントを、ここで共有していきますね。

 



Q. どうして英語が話せるようにならないのか?

一番の理由は、「アウトプットの機会と練習が圧倒的に足りないから」です。
日本の英語学習では、文法や単語の暗記、長文読解といった“インプット”の訓練はたくさん行われます。もちろんそれらは大切です。でも、それだけでは話せるようにはなりません。英語はスポーツや楽器と同じで、実際に自分で使ってみて初めて上達するものです。

音読やシャドーイングもたしかに効果はあります。ただし、それらも基本的には「インプット系」の練習です。話せるようになるためには、自分の言葉で伝える練習――つまり「アウトプット」を積み重ねていく必要があります。口を動かして、自分の意見を伝える練習を、もっともっと増やしていかないといけません。後でまた述べますが、AIを使って対話をしてみたり、オンライン英会話を活用したりするなど、アウトプットの方法もインターネットのおかげで増えています。それらを活用することが大切です。

Q. 留学すれば英語が話せるようになるのか?

これはよくある誤解です。「留学すれば英語が話せるようになる」と思っている人は多いですが、実際にはそう簡単ではありません。留学に行く前までの英語の勉強が非常に大切なんですね。留学というのは、あくまで英語力のブースターであって、何もないところから、英語が話せるようになる魔法ではないんですね。

もちろん留学には絶対行ったほうがいいです。語学を超えた文化体験と言う価値が待っていますから。だからこそ、「行けるなら行ってほしい」と強く思っています。でも、行くからには、英語の勉強には力を入れておいてください。という明確な意識と目的を持って行ってほしいです。留学する前に、ぜひ日本でも“話す練習”をしておいてください。

Q. リスニングが苦手です。どうやって克服すればいいですか?

リスニングが苦手な理由は、大きく分けて2つあります。ひとつは「内容が理解できていないこと」。もうひとつは「音そのものが聞き取れないこと」です。
内容に関しては、単語力や背景知識を増やしていけば、徐々に解決します。でも、音が聞き取れないのは、耳を鍛えるしかありません。

おすすめなのは、ディズニーの映画や洋楽のバラードなど、発音がはっきりしていて、内容も親しみやすいものを繰り返し聞くことです。特にカラオケで歌うのは効果抜群です。正しい英語のリズムや音が体に染み込んでいきます。1日最低1時間位は英語の音に触れたり、口を動かしたりして練習する時間を作ることです。

Q. 英語を話す機会がありません

そういうときこそ、自分で話す場を作りましょう。ChatGPTの音声チャット機能を使えば、いつでもどこでも英語の会話ができますし、オンライン英会話を活用すれば、相手の反応を見ながら会話の練習をすることができます。
ほかにも、独り言を英語でつぶやいてみたり、英語のプレゼンを一人で練習してみたり。やり方はいくらでもあります。

「うまく話さなきゃ」と思う必要はありません。最初のうちは間違えてもいいんです。話すことに慣れる、口を動かす、それが大事なんです。そのようにして大胆にアウトプットを重ねながら、インプットの勉強のときには発音や文法に精密にこだわっていくことで、徐々に話すときの正確さも向上していきます。

Q. どうすれば効率よく学べますか?

私が大切にしている考え方は、「PDCA」より「DCAPサイクル」です。Plan(計画)に時間をかけすぎて、Do(実行)になかなか進まない人が多すぎます。特に日本の学習者はPばかりやっている傾向があります。もう“PPPPサイクル”になってしまっている人もいます。

でも、言語学習は、まず最初に飛び出してみなければ何も始まりません。まずは思いきって話してみる。そこから気づきが生まれます。そして少しだけCheck(ふり返り)をして、またすぐにActです。失敗して当たり前。10回失敗して、やっと1つつかめれば大成功です。

Q. 発音が悪くて、話すのが恥ずかしいです

その気持ちはすごくよくわかります。私もそうでした。でも、恥ずかしがっていても何も始まりません。発音は、マネして直していくことで必ず上達します。シャドーイングやオーバーラッピングを使って、ネイティブの音に“寄せていく”。

 

口を大きく動かして、息をしっかり使って、身体全体で声を出す。これがポイントです。そして、話すときにはノンネイティブなのですから、完璧を目指さなくて大丈夫です。最初は伝わればOK。自信を持って話してみてください。話しながら向上させていくと言う意識が重要です。

Q. スピーキング以外はやらなくて良いのですか?

文法も、リーディングも、単語も、全部“話すため”にやれば良いのです。「文法は試験のため」「単語は暗記のため」じゃなくて、「話せる文法」「使える単語」として身につけていきましょう。そのためには文例を大切にし、音を使って学ぶことが重要です。私はよく学生の皆さんにこう言っています。英語を話すときに「間違えたらどうしよう」と思ってしまうのは当然です。でも、それを乗り越えて、「伝えたい」という気持ちを大事にしてほしいです。

Q. プレゼン力や会話力はなぜ重要?

海外の大学では、テストと同様に「どれだけ積極的に話して参加したか」が評価されます。いわゆる「クラス・パーティシペーション」が重視されるんですね。ですから、多少英語が下手でも、発言やプレゼンに積極的だとA評価だって取れるんです。逆に、テストのスコアが高くても、プレゼンができなければ評価は下がるでしょう。だからこそ、普段から「人前で話す練習」をしておくことが大切です。最初は1分でもいいので、自分の好きなことや夢について英語で話してみましょう。

英語は、世界中の人とつながるための「道具」です。完璧な英語じゃなくていいんです。自分の思いや考えを伝えることに価値があります。私は英語で人生が変わりました。世界中の人と話し、仕事をし、自分の世界が何倍にも広がりました。だから、今英語を勉強している皆さんにも、ぜひその楽しさと可能性を味わってほしいです。さあ、今日から口を動かしましょう。そして、英語を“使う”毎日を始めてみてください。応援しています。

 

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日本に住む安河内(Y)と、チュニジア在住の英国人P氏の対談です。今回のテーマは、観光業やツアーガイドとしての経験、「シャンパンは心臓病リスクを下げるか?」という健康に関するニュースについてです。世界各地の観光事情からワイン文化、さらには生活習慣や健康管理まで、多岐にわたる興味深い話題が飛び交いました。

 



Y: おはようございます、私は今東京です。さて、Pさん、あなたはどこからですか?

P: 僕はイギリス人ですが、今は北アフリカに住んでいて、チュニジアから話しています。

Y: おお、チュニジアですか。以前もお話ししたことがありましたね。観光業に関わっていて、ツアーガイドもされていましたよね?

P: そうです、もう32年もチュニジアに住んでいます。英語の話せるツアーガイドとして仕事しています。

Y: 実は私の知人も今日ツアーコンダクターの仕事をしています。朝早くから37人の団体客をガイドしに出発しましたよ。

P: おお、それは素晴らしいですね。どこの国の方々ですか?

Y: 今日は日本人のお年寄りのグループです。彼は外国人観光客のガイドもしますが、国内旅行のグループも多いですね。

P: 日本人観光客はガイドするのが難しいとよく聞きますが、どうですか?

Y: そうですね、外国人観光客よりも満足度のハードルが高いと言われています。でも最近は中国人観光客も増えて、日本経済にとっても良い影響を与えていると思います。

P: チュニジアでは中国人観光客は冬に来ることが多く、いわゆる「サーキット・ツアー」をします。つまり、毎晩違う都市のホテルに泊まりながらローマ遺跡などを巡るんです。

Y: 面白いですね。日本では中国人は都市部でのショッピングやエンタメを好む傾向があります。ヨーロッパ人観光客は自然体験を好む人が多いですね。

P: 確かに、国によって旅行のスタイルが異なりますね。アジア人は忙しく観光したがる傾向がある一方で、ヨーロッパの人々はゆったり自然の中で過ごすのが好きです。

Y: リピーターは特にリラックスする日を設ける傾向がありますよね。最初の旅行では全てを見ようとしますが。

P: その通り。ところで、彼はどの年齢層のお客さんが一番やりやすいって言ってました?

Y: 中年層が一番楽だそうです。若者ははしゃぎすぎることがあって、お年寄りは気難しいこともあるので。

P: 私も観光業が大好きです。情熱を持って仕事ができるのは幸せなことですよね。

Y: さて、今日のニュースに面白い内容のものがありました。「シャンパンが心臓疾患のリスクを下げるかもしれない」というものです。記事によると、シャンパンや白ワインを適量飲むこと、果物を多く摂ること、前向きな気分でいることが心臓突然死(SCA)のリスクを下げるかもしれないとのことです。イギリスで50万人以上を14年間追跡した研究で、SCAの要因には生活習慣、教育レベル、気分なども関係しており、これらを改善すれば40〜63%のリスクが減る可能性があるそうです。

P: それは朗報ですね。だけど「適量」が大事ですね(笑)。

Y: はい。赤ワインは昔から健康に良いと言われてますが、シャンパンまでとは驚きですね。でもシャンパンもブドウでできていますし、果物の健康効果は広く知られていますから、納得できます。

P: でも正直、この研究のスポンサーが気になりますね。ワイナリーが関わっていたらちょっと(笑)。

Y: 確かに(笑)。でも昨夜、友人とシャンパンを一杯飲みました。ちょうどいいタイミングでこの記事を読んだ気がします。

P: 僕も少し前にロゼを飲みましたよ。ちなみにチュニジアでは白ワインはあまり人気ないんです。甘すぎることが多いですね。

Y: なるほど。チュニジアは元フランス領だからワイン文化も影響を受けているんですね。ブドウ畑もありますか?

P: もちろん、私の住んでいる地域の近くに「モルナーク」というブドウ畑の有名なエリアがありますよ。

Y: もしかしたらチュニジアのワインを日本に輸入してみようかな。オリーブオイルも有名ですよね?

P: ええ、「緑の金」と呼ばれるくらい価値があるんです。イギリスの友達にはお土産として持っていくことが多いです。

Y: ちなみに、最近生活習慣で変えたことはありますか?

P: 実はもう11ヶ月間ビールを飲んでいません。白ワインは砂糖が多いので控えています。

Y: 私も今は一日一杯程度、もしくは友人と飲む時もノンアルコールをメインにしています。

P: あと、歩くのもいいですね。ジムに行かなくても、歩くことは効果的だと言われています。

Y: 私もApple Watchで歩数だけは測ってます。通知はうるさいので切ってますけど(笑)。

P: 昔、血圧の検査で24時間モニターを装着したことがあります。驚いたのは、最も血圧が高かったのが深夜1時、夢を見ている時だったんです。

Y: それは驚きですね。心と体のつながりはやはり深い。ストレスが心臓に悪いのは事実ですね。

P: 本当にそう思います。さて、そろそろお別れの時間ですね。

Y: はい、Pさん、今日も楽しい対談をありがとうございました。またお話ししましょう!

P: こちらこそありがとう。また近いうちに!

今回の対談では、日本とチュニジアという異なる文化圏に住む2人が、観光業の現場、観光客の国民性、健康意識やライフスタイルの変化について語り合いました。特に「シャンパンは心臓に良いのか?」という話題を軸に、生活の中でできる健康管理の工夫や、国際的な視点での観光業の違いについても深い洞察が交わされました。旅と健康のつながり、そして心の持ち方が身体に与える影響について考える良い機会となりました。

 

A Conversation Between Mr. Yasukochi in Japan and Mr. P, a British Tour Guide Living in Tunisia

 

This is a conversation between Mr. Yasukochi (Y), who lives in Japan, and Mr. P, a British man living in Tunisia. They talked about tourism, their experiences as tour guides, and a recent health news article: “Can Champagne reduce the risk of heart disease?” Their discussion covered many interesting topics like global travel trends, wine culture, lifestyle habits, and health.

 

Y: Good morning. I’m in Tokyo now. Where are you, Mr. P?
 

P: I’m British, but I live in North Africa. I’m speaking to you from Tunisia.
 

Y: Oh, Tunisia! We’ve talked before, haven’t we? You work in tourism and as a tour guide, right?
 

P: Yes, that’s right. I’ve lived in Tunisia for 32 years. I work as an English-speaking tour guide.
 

Y: Actually, one of my friends is working as a tour conductor today. He left early in the morning with a group of 37 people.
 

P: That’s great! Where are the guests from?
 

Y: They’re Japanese senior citizens. He also guides foreign tourists, but many of his jobs are with domestic groups.
 

P: I’ve heard that guiding Japanese tourists can be difficult. Is that true?
 

Y: Yes, they often expect very high-quality service, even more than foreign tourists. But recently, more Chinese tourists have come to Japan, and I think it helps the Japanese economy.
 

P: In Tunisia, Chinese tourists usually come in winter. They often take “circuit tours,” visiting different cities and staying at different hotels every night, including visits to Roman ruins.
 

Y: Interesting. In Japan, Chinese tourists like shopping and entertainment in big cities. European tourists often enjoy nature.
 

P: Yes, travel styles are different by country. Many Asian tourists want to see a lot in a short time. Europeans like to relax in nature.
 

Y: That’s true. People who visit again often take time to relax. On their first trip, they try to see everything.
 

P: Exactly. By the way, which age group does your friend find easiest to guide?
 

Y: He says middle-aged people are the easiest. Young people can get too excited, and elderly people can be a bit difficult.
 

P: I love working in tourism. It’s nice to work with passion.
 

Y: Today I read an interesting article. It said that drinking champagne may reduce the risk of heart disease. It also said that eating more fruit and staying positive may help reduce the risk of sudden cardiac arrest (SCA).
 

P: That’s good news. But “moderation” is important! (laughs)
 

Y: Yes, red wine is often said to be healthy, but I was surprised about champagne. Still, it’s made from grapes, and fruits are healthy, so I understand.
 

P: Honestly, I wonder who paid for the research. If it’s a wine company, that’s suspicious. (laughs)
 

Y: True! But last night, I had a glass of champagne with a friend. I read the article at the perfect time.
 

P: I drank some rosé wine recently. In Tunisia, people don’t drink much white wine because it’s often too sweet.
 

Y: Tunisia was once a French colony, so I guess it has a wine culture too. Are there vineyards there?
 

P: Yes, near my home, there’s a famous wine area called Mornag.
 

Y: Maybe I should import Tunisian wine to Japan. Your olive oil is also famous, right?
 

P: Yes, it’s called “green gold.” I often take it to my friends in the UK as a gift.
 

Y: Have you changed any health habits recently?
 

P: Actually, I haven’t had beer for 11 months. I try not to drink white wine because it has a lot of sugar.
 

Y: I usually drink just one glass a day, or drink non-alcoholic drinks with friends.
 

P: Walking is good too. Even without going to the gym, walking is healthy.
 

Y: I track my steps with my Apple Watch—but I turned off the notifications because they’re too noisy. (laughs)
 

P: I once wore a 24-hour blood pressure monitor. Surprisingly, the highest reading was at 1 a.m. while I was dreaming!
 

Y: That’s amazing. The mind and body are really connected. Stress is clearly bad for the heart.
 

P: I agree. Well, it’s time to say goodbye.
 

Y: Thank you for the nice talk today, Mr. P. Let’s talk again soon!
 

P: Thank you too. Talk to you soon!

 

In this conversation, the two speakers from different cultures—Japan and Tunisia—discussed tourism, customer types, health news, and lifestyle changes. The champagne topic was a fun way to explore how small choices in daily life can affect health. It was also a good chance to think about how travel and health are connected.

 

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