多くの生徒たちが、共通テストの模試などで「英語の勉強を頑張っているのに点数が伸びない」と悩んでいる現状があります。単語や文法をひたすら暗記しても結果に結びつかないというジレンマをどう解消するのか、また、効果的な勉強法とは何か、具体的な指導法に悩む指導者も少なくありません。今回は、共通テストの勉強法や英語学習の根本的なアプローチについて、具体的な解決策と実践的な指導のポイントを掘り下げます。英語指導者(A)の質問に、安河内(Y)が答えました。
A: 私が生徒を教えている中で感じるのは、共通テストの傾向に合わせた勉強法を指導しているつもりなのに、生徒たちが英語に苦手意識を持ち続け、頑張っても点数が取れないというケースが多いんです。勉強法がわかっていないようで…。
Y: 単語や文法を覚えるだけでは限界がありますよね。共通テストは「いかに早く正確に英文を処理できるか」が問われる試験です。単純な暗記ではなく、「処理能力」や「言語操作能力」を高める訓練が必要です。
A: そうですよね。でも単語や文法から入らないと、そもそも英文が読めないし理解できない。どのように勉強すればいいんでしょうか?
Y: そこがポイントです。単語や文法の勉強を「文単位」で行うことが大切です。例えば、単語集に載っている例文をしっかり音読し、リスニングやシャドーイングも一緒に取り入れる。単語の意味だけ覚えるのではなく、例文の中でその単語を使えるようになると、リーディングやリスニングの素地も身についてきます。
A: 単語の意味だけ覚える勉強法は、まさに私がやっていたダメな例ですね…。
Y: 共通テストは、単語の意味を知っているかどうかを問うわけではなく、その単語が使われた文を瞬時に理解できるかどうかを試します。だから、例文単位でリスニングやシャドーイング、音読を取り入れるといいですよ。
A: 文法も同じような勉強法が必要なんでしょうか?
Y: その通りです。文法のルールを理解して文法問題が解けるだけでは全くダメです。例えば、動名詞や不定詞が出てきた文を、いかに早く左から右へ、英語のまま読めるかが大事です。文法の項目を学んだら、それを使った例文を音読したり、リスニングしたりする訓練が効果的です。
A: なるほど。音を使って文単位で処理する力をつけるのが重要なんですね。
Y: そうです。それに、文部科学省の学習指導要領解説にも「英語を日本語に訳すことに偏った指導にならないように」とあります。当然、共通テストもそのような方針に沿って作られているので、普段の勉強で、英文をいつも日本語に訳しながら読むのは避けたほうがいいです。最初のうちは日本語の助けを借りていても、最終的には英語のまま読めるようになるように訓練します。耳で聞いて、すらすらわかるようになるまでトレーニングすべきです。
A: じゃあ、生徒には基礎学習の段階からリスニングやリーディングを組み合わせて指導すればいいんですね。
Y: その通りです。基礎の単語や文法を学ぶときにも、リスニングとリーディングを並行して行うことで、共通テストに必要な処理能力が自然と身につきます。もちろんスキャニングスキミング、アカデミックパッセージの読解など、その後もやらなければならない事はたくさんあるんですけれどもね。それは今度お伝えします。
共通テストで点数が伸び悩む原因は、単語や文法の勉強が「意味の暗記」や「ルールの理解」に偏っていることにあります。大切なのは、例文単位で音声を使いながら処理する力を養うことです。リスニングやリーディングと結びつけた基礎学習を意識し、普段から「速く正確に読む・聞く」訓練を行えば、共通テストの得点向上につながります。英語を「音声言語」として捉え、勉強の質を高めていきましょう。
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