本日は、『ハイブリッド英文読解』(IBCパブリッシング刊)を執筆された杉山一志先生に、英語読解の効果的な学び方についてお話を伺いました。大学受験や資格試験に向けて、英文を正確に理解しつつ速く読むための具体的な方法論について、安河内哲也(やすこうちてつや)先生が杉山先生にインタビューします。
安河内哲也(参加者1): それでは杉山先生、よろしくお願いします。
杉山一志(参加者2): はい、よろしくお願いします。
英文読解のためのコンセプト
杉山先生: 大学受験の英文読解では、特に難関私立大学や難関国立大学になると、文構造が非常に複雑です。単語の意味だけで理解しようとしても限界がありますよね。そこで、音読や速読の前に、しっかりと文法や構文のルールを体系的に学び、それを定着させる練習が大切です。
精読から速読へのアプローチ
安河内: つまり、まずは文の構造を理解する精読から始めて、その後、速読につなげていくというアプローチですね。
杉山先生: そうです。この本では、精読で文の構造を理解した後、スラッシュリーディングや音読を使って、速読力を高めていきます。共通テストや英検などでは、すべての英文を精読する時間はないので、精読と速読を使い分けることが重要です。
効果的な学習ステップ
安河内: この本では、どのような学習手順を提案していますか?
杉山先生: 4つのステップで学習します。
- ステップ1: まず、本文を自分の力で読んでみます。単語の確認をし、音声を使って全体の意味を掴みます。
- ステップ2: 文法や構文の解析を行い、文の要素や構造を視覚的に理解します。
- ステップ3: スラッシュリーディングを使い、英語の語順で左から右へ読み進める練習をします。
- ステップ4: 最後は、日本語を介さず、英文をそのまま理解し、シャドーイングでリスニング力も鍛えます。
直読直解の重要性
安河内: 精読だけではなく、左から右へ直読・直解する感覚を養うのがステップ3ですね。
杉山先生: そうです。英語を英語のまま理解する力を鍛えることで、読むスピードと正確性が向上します。文法や構文が理解できていれば、和訳に頼らずスムーズに意味を取ることができます。
音声を活用したトレーニング
安河内: 音声教材も工夫されていますね。
杉山先生: はい、音声はステップごとにスピードが変わります。最初はスロースピードで、最後はナチュラルスピードになります。自分のレベルに合わせて練習を進めてください。シャドーイングは無理にやらなくても大丈夫です。
試験対策としてのエクササイズ
安河内: 大学入試や英検対策として、どんなエクササイズがついていますか?
杉山先生: 空所補充問題、要約問題、正誤問題、並び替え問題など、出題形式に合わせたエクササイズを用意しています。試験で問われるポイントを意識しながら学習できます。
学習者へのメッセージ
安河内: 最後に、英語学習者へのアドバイスをお願いします。
杉山先生: 英語学習は地道な努力が必要ですが、正しい方法で継続すれば必ず成果が出ます。この本のステップを繰り返し練習すれば、初見の英文にも対応できるようになります。焦らず、コツコツと頑張ってください。
安河内: ありがとうございました!
杉山一志先生のお話から、精読と速読をバランスよく組み合わせることの重要性が分かりました。文の構造を理解し、直読・直解の力を養うことで、読解力と速読力が向上します。音声を活用しながら、繰り返し学習することで、試験本番にも強い読解力が身につくでしょう。


