質問力

一日中GPTを使って、英文を作成したり、問題を作成したりしていますが、GPTを使いこなすときに大切なのが、いわゆる「プロンプト・エンジニアリング」つまり「適切な質問の書き方」です。以前はプログラム言語でしかプロンプトは書けなかったわけですが、今や自然言語で書けるようになったわけです。これは、MS-DOSのコマンドを入力していたDOS/Vや9801から、ウインドウズに変わったあの時以上のインパクトですよね。

 

さて、GPTは大変強力なAIですが、その性能を最大限に引き出すためには、適切なプロンプト(入力)の書き方が重要です。そのポイントを5つまとめてみましょう。

  1. 具体的で明確な質問をする

     

    GPTはあいまいな質問よりも具体的な質問に対してより有用な回答を提供します。具体的な数字、名前、日付などを含む問いに対しては、より明確な情報を与えることができます。例えば、「数学の問題を教えて」よりも「二次方程式x^2 - 3x - 4 = 0の解を求めてください」のような具体的な問いの方がより有意義な回答を得られます。英語学習の場合は「日本語で」「英語で」のように指定しないと、期待しているのと別の言語で戻ってきたりします。その場合は、以下の5の手順を使ってくださいね。

     

  2. 適切なコンテキストを提供する

     

    質問や要求が特定のコンテキストで意味を持つ場合、その情報を含めるとより適切な回答が得られます。例えば、「次の章を書いてください」よりも、「私のミステリーノベルの次の章で、探偵は新たな証拠を見つけて事件の謎を解き明かす、というシーンを書いてください」というような具体的な情報を提供するとより良い結果が得られます。英語教師の場合は「私は、日本で、英語が苦手な、高校1年生を教えています」のような前提を先に提示してから質問した方が、的確なレベルの回答が得られることが多いですよ。

     

     

  3. 質問の種類を明確にする

     

    GPTはさまざまな質問形式に対応できますが、あなたが何を求めているかを明確にすることでより良い結果が得られます。たとえば、事実に基づく質問(「ビル・ゲイツの出生地は?」)、意見や推測を求める質問(「ビットコインの価格は次の5年でどう変わると思いますか?」)、作成や生成を求める質問(「ビジネスプロポーザルのサンプルを作ってください」)など、要求の種類に応じた質問の形式を使用してください。とにかく、質問は具体的な方がよいです。私も曖昧な質問をして、GPTが迷ってしまい、変な回答を得ることを何度も経験してきました。条件をたくさん付けて、GPTを追い込んであげると、逆にGPTは喜んで、よい回答を返してくれます。

     

  4. 敬語や専門用語を適切に使用する

     

    GPTは入力されたプロンプトのスタイルやトーンを模倣します。したがって、特定の形式やトーン、言語スタイルを望む場合は、それをプロンプトに明示的に含めるとよいでしょう。これは、私もあまり意識していなかったのですが、いろいろと調べてみるとそうらしいとわかりました。ただ「です・ます調」や「だ・である調」のような語尾の指定はしっかりしてあげた方がきれいに統一されます。「アカデミックな文体で」「カジュアルな文体で」等も条件付けしてあげた方が、意図する解答がかえってきやすくなります。

     

  5. 結果を改良するための反復

     

    最初の回答が完全には望んだものでない場合でも、その回答を使って質問を調整し、再度問い直すことで結果を改良することができます。このプロセスは特に複雑な質問や要求に有効です。私はよく「もっと短くしてください」「もっと長く詳しく述べてください」「それぞれのポイントに具体例を加えてください」「日本語と英語の両方で併記してください」「絵文字を鏤めてください」「結論は最後にもってきてください」などのプロンプトによって、何度もリライトさせ、自分でリライトする手間を省いています。

これらのポイントを意識しながらプロンプトを作成することで、GPTからより有用かつ意味のある回答を引き出すことが可能となります。最初に使ったときは、意図しない回答が戻ってきて「生成AIって使えないな〜」と思うかもしれませんが、プロンプトをうまく書けるようになれば、こんなに便利なモノはありません。やってみて!!