最強プレゼン
様々なところで講演をしていると、よく人前で話すコツについて質問されます。もちろん、経験を積むことが1番大切だと思うのですが、ただ単に数をこなすだけではなくて、いくつかのことを意識していると上手になるのではないかと思います。もちろん私もまだ勉強中なのですが、一般的に人を巻き込むスピーチをするために大切な要素をまとめています。何も考えないで適当にやるよりは、いつもこれらを意識した方がプレゼンは上手くなっていくと思います

1. 物語を使う

"I remember the time when I had nothing but a vision. No team, no funding, just a desire to make a difference. It was a steep hill to climb, but every step brought us closer to where we are today." 

日本語訳: "私がビジョンだけを抱いていた頃を覚えています。チームも、資金もありませんでした、ただ違いを生み出したいという思いだけがありました。それは険しい道のりでしたが、一歩一歩が我々を今日の地点に近づけていきました。"
   
ここでは物語の形式でプロジェクトが始まった初期の困難を共有しています。聴衆はプレゼンテーターの苦労と成功を共感し、より深く関与することができます。というか、聴衆は常にプレゼンターがどんな人だか、その人の人柄が気になりますから、ちょっとしたパーソナルなストーリーを入れることで、一気に聴衆を巻き込むことができると勝手に思い込んでます。

2. 視覚的な要素を用いる

"As you can see in this infographic, 70% of our users are in the age range of 18-25. This demographic is essential for our future growth." 

日本語訳: "このインフォグラフィックを見ていただくとわかるように、私たちのユーザーの70%は18歳から25歳の範囲にいます。この年齢層は私たちの未来の成長にとって必要不可欠です。"
   
この例では視覚的な要素、つまりインフォグラフィックを用いて、重要なデータを示しています。これにより、聴衆は情報を容易に理解し、覚えておくことができます。今はプロジェクターの性能が上がって、部屋を暗くする必要もなくなってきましたから、画面投影を使うと眠くなってしまうということがなくなりました。とは言ってもあまりにもスライドに依存してしまうと面白くないくせになってしまいますから、バランス感覚を持ってやることが大切です。スライドに持っていかれないようにしなければですね。




3. シンプルに伝える

"Instead of saying that we 'leveraged synergistic capabilities to achieve growth,' let's keep it simple: we worked together and grew because of it."

日本語訳: "「相乗効果を利用して成長を達成した」と言う代わりに、シンプルに説明しましょう: 私たちは協力して働き、その結果として成長しました。"

この例では、複雑な業界用語を避け、よりシンプルで理解しやすい言葉を使用しています。これにより、聴衆は容易に理解し、メッセージについて考えることができます。私も悪い癖として説明が回りくどくなってしまうことがあります。いろいろと横道にそれるとメッセージが曖昧になりますから、具体例の提示もほどほどに、単刀直入にポイントを伝えることが大事だと思います。

4. 感情を共有する

"When we finally cracked the problem, I felt such an immense sense of relief and joy. It was like conquering Everest."

日本語訳: "私たちがついに問題を解決したとき、私は大きな安堵と喜びを感じました。まるでエベレストを制覇したような感じでした。"

このセリフでは、プレゼンターが直面した課題を解決したときの喜びを共有しています。このような感情的な共有は、聴衆が感情的に話に引き込まれ、話し手との絆を深めるのに役立ちます。人間は常に論理的に思考するとは限りません。やっぱり人間は感情に動かされるとしたので、論理だけではなく、感情、エモーションを使って聴衆に訴えかけることが大事だと思います。

5. 質問を投げかける

"Imagine if you were in my shoes. What would you do?"

日本語訳: "もし自分が私の立場だと想像してみてください。あなたなら何をしますか?"

ここでの質問は、聴衆に自己反省の機会を提供し、プレゼンテーションにより深く関与するように促しています。質問をして間を取ると言うのは、押してをして、押しまくるだけのプレゼンよりもよほど聴衆を惹きつけることができると思います。私も悪い癖で押して押して押しまくることが多いのですが、これを意識して時々止まって質問をし間を取るようにしています。

私も35年間人前で話続けていますけれど、これらの事は経験の中から学びとってきました。でも最初にこのようなポイントを知っておくと、私がやってきたような試行錯誤の時間を節約することができます。まずはこの5つのポイントを意識して場数を踏んでいきましょう。