映画「戦場のメリークリスマス」を見たのは何年ぶりで何度目だろう?[No.3572] | 近江の物語を君に捧ぐ

近江の物語を君に捧ぐ

近江を舞台に、近江に生きる人を主人公にした小説をひたすら書き続けている近江人、木村泰崇のブログ。

何年ぶりで、

何度目だろう?

……と、思いながら、

先日はBSで再放送された

大島渚監督の

「戦場のメリークリスマス」

を見ていた。







はじめて見たのは、
東京の映画館で、
ロードショーだった。

私は
まだ二十代前半だった。(笑)

若き日の私は
見終わり
ものすごく
興奮していた。(笑)

そして、
坂本龍一の
あの音楽が
映画館を出てからも
ずっと
ずっと
身体の中に
流れ続けていたものだ。

その坂本龍一が
演じた
ヨノイ大尉。
あれほどまでに
[文学的]な日本軍人を
映画やテレビの中に
見たのは
はじめてだった。

二十代の私は
そのヨノイ大尉に
ものすごく
心引かれた。(笑)






見る側の私も
若かったが、
スクリーンの中の
坂本龍一も
デビッド・ボウイも
ビートたけしも
若く光り輝いていた。

いい時代だった………







この映画の
原作を
私は読んでいないが、
原作の小説の素晴らしさが
想像できる。

確か
南アフリカの小説家で、
実際
日本軍の捕虜収容所に
いた体験を持っている作家だったとか。

原作の中で
あのヨノイ大尉は
どんなふうに
描かれているのだろう?








二十代のある夜、
居酒屋で
同僚の女性と
「戦場のメリークリスマス」
をめぐって、
けっこう激しいバトルを交わした。

私は
あの確か
ニュージーランドで行われた
デビッド・ボウイの回想シーンは
不要じゃないか?
あのシーンの異質な色合いは
あの映画を壊していると
主張し、
同僚の女性は
「あのシーンの
集団心理の残虐性は
日本軍と共通しているものがあり、
だからこそ、
あのシーンは必要だった」
と譲らなかった。


若き日の私は、
ヨノイ大尉に
完全なまでに
感情移入しつつ
同化しながら
「戦場のメリークリスマス」
を見ていた。
それだけに
デビッド・ボウイからの
あのキスのショットは、
砕け落ちた
ヨノイ大尉と同じように
二十代の私にとっても
衝撃的だった。(笑)