O・ヘンリーってこんなにオシャレだったんだ‼️ | 近江の物語を君に捧ぐ

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近江を舞台に、近江に生きる人を主人公にした小説をひたすら書き続けている近江人、木村泰崇のブログ。

しかし、今回の朝ドラ

「カムカムエヴリバディ」では、

ラジオ、

ルイ・アームストロング、

回転焼き

時代劇…………と、

見ている者の心に

入り込んできてしまうものが

いろいろとあるわけだが、

あの懐かしき大阪編の時に

私がちょっと

関心を寄せてしまったものに、

当時の若きるいが愛読していた

O ・ヘンリーがある。


もちろん

O・ヘンリーの有名な短編小説の

ストーリーは

幾つか知っているが、

が、しかし、

実際に

O・ヘンリーの短編小説を

読んだことが、

私は

恥ずかしながら

このトシになるまで

一度として  

なかった‼️(笑)



それで、

先日、

文庫本(新潮文庫)を買ってきて、

「賢者の贈りもの」

から読み始めた‼️







[若い夫婦には、とっておきの
宝として自慢できるものが二つあった。
まずジムの金時計。
かつてはジムの父親のものであり、
また祖父のものだった。
もう一つはデラの髪だ。
たとえばシバの女王が通気孔を
はさんだ向かいの部屋に住んでいたとして、
デラが窓の風に濡れ髪を乾かそうとするならば、
それだけで女王の財産も形無しになっただろう。
もしソロモン王がアパートの管理人で、
地下室が宝物庫になっていたとしても、
通りかかるジムが金時計を出すだけで、
王はくやしがって髭をひねったことだろう]
(P 12)




文体がオシャレだ‼️

文体が心地よい‼️

私好みの文体である。

そして、
村上春樹じゃないが
比喩も巧みである。



O・ヘンリーって、素敵な小説家
だったんだ‼️
という驚きに包まれた。(笑)
(正直、読むまでは、
ものすごく古くさい
真面目人間の典型みたいな人だと
思っていた。笑)

彼の略歴を
読んでさらに驚いた。
刑務所に入っている。
その獄中で小説を書き始めている。


ちなみに、
O・ヘンリーは
1862年生まれ。

日本の作家と少し比較すると、
太宰治が1909年生まれ、
芥川龍之介が1892年生まれ、
夏目漱石が1867年生まれで、
O・ヘンリーは
夏目漱石とほぼ同時代を
生きている。




O ・ヘンリーの文体は
実に若々しい。