5月4日 【あねごろく】


「天知る地知る、我知る人知る」今月の我が家のトイレのカレンダー標語です。

こんにちは。安井レイコです。
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さて、広い山の中でたけのこを掘っている時には、何本ものたけのこをいちい
ち持って上ったり下りたりするのは大変なので、10~20本くらいをまとめ
てあちらこちらに山を作っておくのね。

で、彼らが帰った後に、さて、たけのこを少しまとめようかと見たら、その山
がなくなっているの。

20本くらいはあったのかしら。

それから程なくして山の管理人さんがいらして、

「山からたけのこを担いで下りていった人たちがいるけど、知り合いかい?」

と聞かれて、

「え、地元の人じゃないんですか?」

「うんにゃ、見たこともない人たちだ」

というので、彼らが最初からたけのこを狙って山に入ってきた泥棒だって分か
った次第。


それを聞いた長男と次男は、めっちゃくちゃ怒った。

「すぐ警察に電話してよ!どうして放っておくの!」

とエライ勢い。私達は、

「たくさんあるんだから」

「自然の恵みなんだから」

「盗むほうより盗まれるほうがいいじゃない」

「心の貧しい人に施してあげたと思って…」

そう、次々と言いながら、子供たちをなだめた。


でも、家に帰って来てじっくり考えて、あの時、子供たちをなだめたことが本
当に良かったのかなと疑問が沸いてきた。

確かに、たけのこは取りきれないほどあるし、その中の一部は誰にでも分けて
あげて構わない。ちょうだいと言われれば、誰にでもあげる。

けれど、何も言わずに盗んで行った人たちの不正を暴こうとした息子たちの行
為に対し、色々な言い訳をしながらそれを見過ごすように言ったことは、親と
してあまりに情けなかったのではないか。

現実には、警察を呼ぶほどのことではないと大人は知っている。けれど、正義
が行われない時には警察を呼ぶものだ、と子供たちは信じているのだ。


畑の落穂なら拾って良くて、出来上がった米俵は盗んじゃいけない。
自然の野に咲く花を押し花にするのは良くて、街頭に咲くチューリップの首は
もいではいけない。

どこからどこまでを良しとするのか(法律上の解釈ではなく、人としてね)。

たぶん、自然の恵みをいただいたときに、「ありがとう」「いただきます」と
言って頭を垂れることさえできれば、警察はいらないのだろう。

今回は、親として毅然とした対応を見せられなかったという点ではかなり失敗
だったと思うけれど…


「天知る地知る、我知る人知る」

誰も知るまいと思っても天地の神は照覧し、自分も知り、それを仕掛けるあな
たも知っていることだ。


そう、悪事はそのままでは終わらないのよ、ということはじっくり話せた1日
だった。



                             安井レイコ





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