指揮コンクール | 指揮者 小森康弘のメガ盛りッ!ブログ     ~NOBLE et SENTIMENTALE~

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実は、去る10/29~11/4に行われていた
第16回東京国際音楽コンクール《指揮》に出場しました。

このコンクールは唯一の日本の指揮コンクールで、
45年の歴史を持つ由緒あるコンクール。

そしてこのコンクール、
今年から制限年齢が上がり、
僕もギリギリ受けられることが判明。

ということで急遽申し込んだのですが、
まず書類と映像審査(DVD)が難関で、
日本のみならず世界各国から180名の応募があったそうです。

そこからオーケストラを振れる一次審査に進めたのは何と24名!

本当にラッキーなことに僕もその中に入れてもらえました。
(僕、最年長でした)

ということで先日オケ(新日本フィル)を振っての審査を受けてきたのですが、
結果は残念ながら一次で敗退。。
(しかもその日が誕生日という…orz)


自分はこのコンクールのために数ヶ月かけて準備し、
人生最後のチャンスと思って
ある意味命をかけて取り組んできたので、
この結果には本当にショックだったし、
情けない限りです。

たくさんの人が応援してくれて、
また課題曲を演奏して練習台になってくれてオケなどもあったのですが、
そんな皆さんに申し訳ない気持ちで一杯で、
しばらく立ち直れませんでした

でもコンクールを最後まで見て、
残ってる人達の凄さを知り、
自分に足りない部分が分かってきて、
ようやくその結果が受け入れられるようになったのです。

結局このコンクール、
今回は入賞者は一人も出ませんでした。

非常に厳しいコンクールだと思います。

でも最後のレセプションで、
審査委員長の外山雄三先生が自ら僕の方に来て下さり、
「本当にプロフェッショナルな音がしていたのは君だけだった。結果がこうなってしまったのは残念だが、そのままの姿勢で続けなさい。君は素材はとても良いのだから。」
と仰ってくださり、
その時は色々な思いがこみ上げて来て、
思わず泣き崩れそうになりました。

コンクールというものは水物です。

その時のコンディション、運、審査員との相性などで、
自分の能力とは全く違う結果が出ることがあります。

でも結果は結果。それは仕方ありません。

しかし賞を取ることが重要なのではなく、
この歳になってコンクールというものに
ほぼ初めてどっぷりと身を置き、
大変で辛い思いをした経験こそが
宝だとやっと思えるようになりました。

素晴らしい同志と一緒に励まし合いながら
この難関コンクールを受けられたこと、
そして本当に本当に親身に演奏してくれた
新日本フィルを指揮出来たことも
自分にとってかけがえのない経験になりました。

今は今回で得た充実感と悔しさを踏み台にして、
これから先の一つ一つの仕事を
さらに高いレベルでこなして行こうと
心から強くそう思います。


明日から群馬交響楽団との高校音楽教室。
最終日は故郷、宇都宮での公演。


また新たな気持ちで頑張ります!!!!