オプション理論は、現代ファイナンス理論の中核を占めているといわれている。それは、裁定機会が存在しないという仮定の下では、比較原則が際立った力を発揮するからだそうである。だから前章で述べられた方法だけで、殆どのオプションの問題を解くのに十分ということである。

しかし一方で、この理論の連続時間版、および2項格子理論の拡張が存在し、これらは金融について新しい洞察を与え、より複雑な派生証券を考えることを可能とするということで、本章では、次のような項目について述べられている。

「ブラックーショールズ方程式」、「コール・オプションの式」、「リスク中立評価法」、「デルタ」、「複製、合成オプション、ポートフォリオ・インシュアランス」、「計算手法」、「エキゾチック・オプション」、「保管費用と配当」、「マルチンゲールによる価格付け」

「金融工学におけるオプション」とは、指定された条件のもとで資産を買う(売る)権利のことであり、またオブションとは派生証券のことで、その原資産は売買可能な資産である。

オブシヨン理論の主要なトピックは、オプションの正しい価格を決定することである。オプション価格は、原資産の価格、権利行使価格、原資産のボラティリティ、資産によって生み出されるキャッシュ・フロー、そして市場利子率に依存している。

この章では、次のような項目について説明してある。「オブションの概念」、「オプション価格の性質」、「オブションの組み合わせとプット-コール・パリティ」、「早期権利行使」、「1期間の2項格子オプション理論」、「多期間のオプション」、「より一般的な2項格子問題」、「実物投資機会の評価」、「一般的なリスク中立価格付け」


実際の多期間投資は、その価値が変動し、配当がランダムで、変動する金利環境のもとにあり、更にその他の継続的な不確実性の影響を受ける。

 そこで本章では、資産価格の変動をいかに簡便かつ現実的にモデル化するかということに関して、

価格変動を表現する数理モデルとして、2種の基本モデル、即ち「2項格子」と「伊藤過程」が述べられている。

「2項格子」は、伊藤過程より解析が簡単で、投資問題に関する計算の基礎を理解でき、伊藤過程は、各期においてとりうる株価が2つだけでなく、連続的であるという意味で、2項格子モデルより現実的ということである。

投資の根本的な原理を理解するためには、これらのモデルを理解することが重要として、具体的には「2項格子モデル」、「加法的モデル」、「乗法的モデル」、「対数正規確率変数」、「ランダムウォークとウィーナー過程」、「株価過程」、「伊藤の定理」、「2項格子再訪」が説明されている。