こゆび侍 第15回本公演
『さよならはここにいる』
2018年11月16日(金) 12:30~
2018年11月18日(日) 15:00~
@花まる学習会王子小劇場
脚本:成島秀和/セリザワケイコ
演出:成島秀和(こゆび侍)
キャスト:
吉永一子(40)/名塚佳織
吉永一子(30)/浅野千鶴(味わい堂々)
吉永一子(16)/岡田夏海
入江翼/鈴木智有
入江巧/園田玲欧奈(劇団プレステージ)
岩崎桃/木村玲衣(キャラメルボックス)
亀田浩子/浜中くるみ
綿貫優芽/篠原彩
綿貫俊夫・甘利良則/虎玉大介
吉永みすず/せのじゅんこ(こゆび侍)
アフタートークゲスト(16日)
玉山悟氏
(花まる学習会王子小劇場・初代芸術監督)
※一部、修正・加筆しました
こゆび侍「さよならはここにいる」
16日昼の回と18日の千穐楽を観劇。
過疎化によりなくなってしまう町を舞台に、
そこで暮らす書道家の女性・一子の
10代、30代、40代(現在)、
3つの時代をそれぞれ別の女優が演じる。
書道教室、親友と肉まんを食べたバス停、
幽霊との生活、、、
3つの時代の様々な「さよなら」の形を
織り交ぜて描かれた作品。
とても繊細で悲しみもあるストーリーながら、
様々な「さよなら」の形が丁寧に描かれていて、
演じる役者さんお一人お一人から
一つ一つの言葉を丁寧に届けようと言う
想いが伝わる、切なくも優しさの溢れる
素敵な作品でした(*^_^*)
こゆび侍・成島秀和さんの作品を
観るのは初めてでしたが、
ファンタジー要素もありながらも
笑い要素は殆ど無いストーリーでも
最後まで飽きさせない脚本。
照明効果も巧みに使われていて、
時間を遡る演出も判り易くて好かった(^^)
キャストお一人お一人の台詞運び、
仕草や表情まで細かく練られていると言う
印象を受けました。
それを表現出来うる達者な演者さんが
名を連ねられたことも納得(^^;)
エウレカセブンなどの声優でも知られる
名塚さんや、個人的に好印象を持った
虎玉さんなど、素敵な演者さんばかりでしたが、
その中に入っても贔屓目無しで
木村玲衣さん演じる岩崎桃の存在感が
光っていました
ステージ上で誰が一番魅力的に感じたかと
訊かれたら、間違いなく彼女と答えます。
印象的な言葉(台詞)も
確かに一つの要素ではありましたが、
等身大の女子高生を可愛らしくも
見事に演じながら、言葉の強弱、
間の取り方・相手との呼吸など、
嘘が無くて、観ていて本当に気持ち良い。
天性の勘の良さを持っている気がします。
なによりもちょっとした表情の変化の
見せ方が素晴らしい。
今回もとあるシーンで、一子の言葉の後に
ホンの一瞬見せた、なんとも言葉では
表現し難い表情には、ハッとさせられました。
それだけで桃の心情を表していました。
玲衣さん演じる桃からは、一子に対する
感情や想いが見え隠れしていました。
サンシャイン劇場のような大劇場では
より分かり易く、小劇場ではより繊細に
ここまで演じ分けられる女優さんは、
この若さではなかなかいないかと。
そう言った視点から考えると、
幽霊の翼君の”一子先生が好き”は、
若さゆえの感情と言うイメージ。
それに対して30代の一子からは
翼君を特別な異性としてみている
感情は私には見えず、
居なくなって欲しくない
一人にしないで
と言う気持ちが強く見られたことを思うと、
この場所から離れがたい思いや、
留まっている理由、
自分の居場所は何処なのか?、
また、翼君の言葉にはどこか一子の
隠れた想いを代弁しているかのような
感覚もあり、翼君の幽霊自体、
一子の想いや感情が創り出した
幻想・幻像とも考えられますね。
ラストシーンの2人の言葉のやり取りを考えると
ファンタジー好きとしては本当に存在して
繋がっていたとも思いたいし、
脚本・演出側の意図を面白く考えたり、
キャストそれぞれがどう理解して
演技されているのかを考えるのも
舞台作品の楽しさの一つかと。
それが正解・不正確などは
作り手、演者さん側が決めることではない。
もちろん意図や各々の思いはあるにせよ、
観る人それぞれ感じることは様々なのだから。
木村玲衣さんばかり褒め過ぎなのは
最も好きな女優さんですのでご容赦を(^^;)
正直に書けば、3世代の一子のキャラが
全く違うため、なかなか一子に感情移入
出来なかったことも、主軸ではない人物
ばかりに目が行ってしまった要因かと思います。
そう言った意味では2度目の観劇では
違った景色も見えてきたのは良かった。
玲衣さんが出演されていなかったら
おそらく知ることも無かった作品かも。
また一つ、素敵な作品に出会わせて
いただき、感謝です(*^_^*)
金曜日の公演後には、玉山悟氏による
「なぜこの作品は面白いのか」と言う
切り口でのアフタートークも聴かせて
いただきましたが、
面白い作品とそうでない作品の説明が
イチイチ納得出来て面白かったです。
特に後者は本当にあるあるで笑えた(^^;)
おまけ:
グッズとして、オリジナルクリアファイルと
上演台本を購入させていただきました。
セリザワケイコ@serizawakeiko
脚本担当☆舞台「 #さよならはここにいる 」 舞台って終わると全部消えてしまうから、いつもいつもさよならと一緒にいるような気がする。さよならから始まるものもたくさんあるけど、さよならしなきゃいけない小さな痛みはどこへ行くんだろう… https://t.co/Kc75oP3JN2
2018年11月10日 00:07
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金曜日の観劇後、ふらっと飛鳥山公園を散策。
まだ紅葉には早過ぎた感