表千家 同門会 兵庫県支部 教授者講習会に行って来たで①^ ^ | 茶の湯放浪記

茶の湯放浪記

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筆者は坊主頭ですが毛髪の事情によるもので、寺とは関係ありません。

5月24日(金)の表千家同門会 兵庫支部の教授者講習会に行って来たで。


午前中は講義で、今回のテーマは「床の間」

面白かったわ。

特に面白かったのは、花入の「格」のくだり。

花入には真・行・草の格付けがあって、それぞれの格に応じた敷板に合わすんやけど、これが結構微妙な世界で迷うんや。

講師の宗匠がおっしゃるには

「基本的にはこうだと言うだけです。本当に『真』なんは唐物だけやし、本物の唐物なんかほとんど無いし、そんなん普通の人は持てませんから気にしなくて良いです。好きに楽しんで下さい^ ^」

エエなあ、その考え方。

これ、全然逆の事を言う宗匠もいて、「私らの持ってるもんなんて、みんな『草』や。『草』で扱いなさい。」なんて言うたらしいんやけど、そんなん言うたら身も蓋もないやん^ ^

私らは、ささやかなコレクションに真・行・草つけて楽しんだらエエやん。


で、最後に「何か質問はありませんか❓」って言われたから、思い切って、前から気になってた事を手を挙げて訊いてみたんや。

「お家元の茶事で時々『コウネンキ』と言う変わった名前の盆石が使われますけど、アレは何ですか❓どう言う意味があるんですか❓」

(まさか「更年期」と関係ないやろな❓)


そしたら、こんな答えが帰って来たわ。

「コウネンキと言うのは、中国の山の名前なんです。元伯宗旦が好んだんです。特に意味はありません^ ^」

そうか、そうやったんか⁉️

しかし、意味が無いとは^ ^

ま、季節も意味も無かったら、困った時にいつでも使えるなあ。


ちなみに、後でネットで調べたら

「盆山 コウネンキ = 中国 元時代の山水画の画家高然暉(コウネンキ)から転じて山水を表す盆山をコウネンキと呼ぶ」

なんて書いてあったわ。

これも、一つの説なんやろけど。

そのネット情報には、

「表千家の初釜で残月亭の床に飾られる」

とも書いてあったけど、石の裏に宗旦の花押があるだけで、意味は無いみたい^ ^


ちなみに、これは萩焼の坂倉新兵衛さんの作品でコウネンキ写し。

5万円やて^ ^

、、、、、、、、、、、、

ほんで午前中の最後に、午後の実技指導のメンバー発表があってんけど、知人のA先生が何と「軸飾り」の亭主役。

大変な役を引き受けはったんやなあ。

ほんで、昼休み前にA先生に挨拶に行って
「軸飾りの亭主役ですか❓頑張って下さい‼️」
て言うてんけど、
「役員ですから(引き受けました)、、」
と笑顔は無かったわ。


軸飾りと言うのは、御宸翰(ごしんかん=天皇が書いたもの)や掛けるのが勿体ないような貴重なお軸を掛ける作法なんやけど、A先生、頑張ってはったで。


最初に床の上で、ちょっとだけ拡げてから、掛物釘に掛けて下ろしながら拡げて行くんやけど、その最初にお軸の「巻きグセ」が強うて苦労してはったわ。


一番下の両端にある「軸先」を転がすように下げて拡げて行くんやけど、上がクルンと巻いて付いてくるんや。

しかも上を片手で押さえて、もう一方の手で軸先を回したらアカンねん。

しかも手の汗や脂が付いたらアカンから、お軸は触ってもエエとこが限られてるねん。

あれ、結局どないしはったんやろ❓

カメラの前に助手のT先生が座らはって、よう見えへんようになってんけど、T先生が上を押さえてくれはったんかなあ❓


その時に使われたのが、このお軸。

この写真を撮ったのは、最後の科目やった「風炉の下座床の濃茶」の直前やから、軸飾りの時には花は無かってん。


お軸の説明を要約したら、書かれたんは江戸後期の家元の吸江斎で「九天鶴飛高」(くてん つるたかくとぶ)

九天とは広い空の意味で、中国では九は吉数なんや。

日本で九や四が不吉なんは、「苦」や「死」に通じると言う日本語の事情なんやわ^ ^

で、「叔母が米寿の祝いに頂きました物です。」みたいな由来を説明してはったかな❓

色々、指導もされてはったけど、難しい作法をホンマによう頑張らはったわ。

、、、、、、、、、

続く