今日の師匠宅の茶稽古(吊釜の炭点前と彦根屏風茶碗) | 茶の湯放浪記

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田舎に住む、普通のサラリーマン茶人のおろかな日々を綴っています。
ご一笑頂ければ幸いです。
筆者は坊主頭ですが毛髪の事情によるもので、寺とは関係ありません。

午後、いつものように師匠宅に行って、水屋に入ったら炭斗に炭がセットしてあってん。
「あ、俺やな❓」
そう言えば師匠が、次回は私が旅箪笥と吊釜での炭点前やと言うてはったなあ。

しかし何の予習もしとらん。
こう言うとこ、反省せなアカンわ😢


予習なしで出来る程、吊釜の炭点前を私はモノにしてへんねん。
吊釜は4月しかせえへんからなあ、、、と言うのは言い訳で、毎年やってんねんから覚えられそうなモンやけど、覚えられへんねん^ ^


そんな訳で、いつもの様に師匠の遠隔操作で動く「ラジコン炭点前」。

いわれたら、なんとなく、それらしい動きが出来るだけマシか❓

と、自分を慰める^ ^


【旅箪笥と吊釜の炭点前のポイント】

① 羽箒と香合を旅箪笥の上に飾る。

② 炭斗を持って出る。

③ 灰器を持って出る。

④ 羽箒を右手で取って旅箪笥の前に一文字に置く。

⑤ 香合を右手で取って、左手の掌に乗せる。

⑥ (男性のみ)羽箒を右手で取って、香合と羽箒を胸の前で「入の字の形」にして、割膝で客付きに回って、炉の中央で炉に正対する。

⑦ 羽箒を炭斗と炉縁の間、やや炉縁よりに置く。

⑧ 火箸を炭斗から取り出して、炭斗と炉縁の間、やや炭斗よりに置く。

⑨ 香合を炭斗の中央の畳の縁から三目あたりに置く。

⑩ 釜敷を炭斗から取り出して、炉と旅箪笥の間に置く。

11. 釜の蓋を閉じる。

12. 鎖に吊ってある鍵を一目上げる。

13. 釜の弦の右肩と左の釻を持ち、釜を持ち上げて、釜敷に乗せる。

14. 釜の座りを確かめた後、釜を旅箪笥の前中央まで移動させ、左の釻を弦から外して釜にもたれさせ、右の釻も同じようにする。

15. 弦を両手で釜の左に置き、釻を左右と外して合わせて左手で弦の中に置く。

16. 割膝で炉に正対するまで移動する。


さあ、後はいつもと同じや。

灰を撒いて、炭を次いだ後に釜を炉に戻す動きは、ほぼさっきの逆なだけやし。

頑張れ‼️

(だれに言うてんねん^ ^)


、、、、、、、、、、、、、、、、、、

今日の主茶碗は

再興湖東焼の一志郎窯さんのカセ黒の楽焼。

湖東焼と言うのは、幕末に茶人やった井伊直弼(宗観)が作った藩窯で、明治維新後に絶えたんやけど、それを復興しはったんや。


こんな作品があるんや。


染付は、こんなん。

絵は、どっちも彦根城や。



以前、私が企画した社中の庵外研修で彦根に行ったとき、皆んなを連れて一志郎窯さんのギャラリー兼ショップに行ったんやけど、エエなと思う茶碗はどれも結構高額で、誰も何もよう買わんかってんけど、師匠だけは今日主茶碗に使うたのを買うてくれはってん。

エエ茶碗やと思たからやろけど、案内した私の顔を立ててくれはったんもあると思うわ。

そんな思い出の茶碗や^ ^


替茶碗は、全面に染付で蛸唐草紋様が描かれてて、正面にだけ丸い白丸の中に、彦根屏風に描かれた二人の遊女の立ち姿が描かれてんねん。


蛸唐草模様は、こんなん。





で、彦根屏風はこんなん。


江戸時代初期に描かれた風俗画で、浮世絵の始まりとも言われてるねん。

作者は不明で彦根藩主の井伊家の所属やったことから彦根屏風って言われてるねん。


描かれてるのは、こんなん。

京都の三条辺りの歓楽街で、音曲や双六に興じる人達や。


アップにすると、こんなん。


これは、何やろ❓

手紙でも見てるんかなあ❓


この絵の左の二人が、今日の替茶碗に描かれてた遊女二人や。

男装の女性が目を引くなあ。

これ、ひょっとして歌舞伎のルーツとなった「出雲の阿国(いずものおくに)かな❓

そう思うと、江戸初期と言うより、安土桃山時代を感じるなあ^ ^


今日、師匠がこの替茶碗を出してくれはったんは、主茶碗の「彦根繋がり」なんやけど、社中旅行を思い出したり、安土桃山時代にタイムスリップしたりして、楽しかったわ。

いやー、茶道具って空想を広げて楽しめるモンやなあ。

やっぱり、お茶はオモロいわ。

では、また。