今日の自宅 茶稽古(悪者の部屋と自作の台目棚) | 茶の湯放浪記

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田舎に住む、普通のサラリーマン茶人のおろかな日々を綴っています。
ご一笑頂ければ幸いです。
筆者は坊主頭ですが毛髪の事情によるもので、寺とは関係ありません。

今日は久しぶりの自宅稽古や。

久しぶり過ぎて準備に何をしたらエエか忘れた^ ^

とりあえず散らかった茶室兼書斎を空っぽにせなアカンな。


今日は久しぶりの稽古なんやけど、今日来はるお弟子さんの一人(Tさん)も、私とは違う流儀の居合をやってるんや。

それで、私が今凝ってる「早抜き」(立膝の業、10連発)を稽古の後で観てもらう趣向にしてん。

それで刀を床に飾りたいんやけど、刀の後ろに似合うのは、やっぱり「漢詩」。


どや❓

厳(いか)ついやろ^ ^

拓本(黒地に白字)やったら、もっと厳つくて、悪のイメージが際立つんやけどなあ^ ^


このお軸の字は、娘が書いてくれたんや。

「月落烏啼霜満天

 江楓漁火對愁眠

 咕蘇城外寒山寺

 夜半鐘聲到客船」


月落ち、烏(からす)鳴きて、霜(しも)天に満つ。

江楓(こうふう=川沿いのカエデ)漁火(ぎょか=いさりび)、愁眠(しゅうみん=静な眠)に対す。

咕蘇城外 寒山寺(こそじょうがいかんざんじ)。

夜半鐘声(やはん しょうせい)客船に到る。


ロマンチックで旅情もあって、私が一番好きな漢詩やねん。



花は、庭に咲いてた侘助椿。

花入は、李朝白磁の徳利で魚の象嵌入り。


白眼の魚が妙に可愛いと言うかユーモラス^ ^


ヨシ、棚を置くぞ。

先日、あるところの初釜に行ったら、棚が台目棚(表千家・即中斎好)で水指が芋頭(古伊賀)やってん。
それで、自分が持ってるヤツを使いとうなったんや。

これが、自作の台目棚や‼️


別名、賢治棚。

宮沢賢治さん自筆の「雨ニモマケズ」のコピーを貼ってんねん。



この詩は、賢治さんが手帳に鉛筆書きして、カバンの内ポケットに入れてたんを死後に発見されたモンやから、人に見せるつもりなんか無かってん。

それを、こんな風に使うのは、どうかとも思うけど、ちゃんとした発表用の「作品」では無く、彼が自分の信条を手帳に綴ったもんとして味わって欲しいねん。

「コウイウ人ニ、私モナリタイ」

て私は本気で思うてるんや。


そして、芋頭水指や。


今から十数年前やったか、リーマンショックの後、「ETCを使えば、どこまで行っても千円」って言う期間が一年か二年くらい有って、その最後の日に茶友M氏と萩に行って買った思い出の水指。

この時は、茶入二個、水指二個、茶碗一個を買おたなあ。

遠いし、ETC割引も無くなるし、もう二度と行かれへんと思って買いまくったわ^ ^


しかしウチの芋頭は、ホンマに里芋の皮を剥いたみたいやろ❓

美味しそうやん^ ^



薄茶器は、溜塗に老松と松葉と流水の蒔絵。


主茶碗は、玉藻焼(香川県高松市)の赤楽。

高松市は、官休庵の家元が茶頭として使えた松平家の城下町やから茶道も盛んで、玉藻焼も楽焼の脇窯として歴史があるねん。



替茶碗は、うさぎの赤絵。

鳥獣戯画かなあ。

去年の干支で、12月に使おうと思てた茶碗をそのまま使用^ ^



茶杓は、こんなん。


裏が真塗に蒔絵。


「君がため、梅の一枝、手折りつるかな」

なんつって^ ^


ちなみに輪島塗。

あの、今年の元旦に大震災があった輪島や。

お茶が楽しめる幸せを噛み締めよう。


お菓子は、Tさん夫妻持参の「福梅」と「水仙」。

春は、もうすぐそこまで来てるんやなあ。



どっちも綺麗やなあ。


稽古終了後、予定通り、居合の演武をやったわ。

Tさん、大喜びしてたで。

「次回も楽しみにしてます。居合の新わざを。」

「いや、お茶とちゃうんかい⁉️」

でも嬉しい^ ^

またのお越しをお待ちしております。

では、また。