2023年11月 奈良 山の辺の道エリアのパワースポットを巡ってきました。
その ④長岳寺 です。
R169沿いにある看板に従って山に向かって車を走らせ、釜ノ口山長岳寺(高野山真言宗)へ向かいます。長岳寺は天長元(824)年に淳和天皇の勅願で、弘法大師が大和神社の神宮寺として開いた、歴史のあるお寺です。
公衆トイレのある駐車場があり、その端に袖塀のついた大門(総門)があります。寛永17(1640)年に再建されたものです。山門の先で一旦坂を下ってまっすぐ行きます。
塀に突き当たり、そのまま塀に沿って曲がっていくと受付があります。その先に庫裏の門があります。門の屋根には変顔狛犬がいました。
順路通り、門をくぐって庫裏に行きます。
旧地蔵院が庫裏(国重文)として使われていて、檜皮葺き唐破風の風格のある玄関から建物に上がります。
庫裏に上がると、襖で仕切られた3間が続いています。鶴や松の襖絵が描かれています。
部屋を出ると広い縁側があります。
鶴亀庭園は、松は鶴っぽいですが、池の石組は植栽が大きくなってしまったせいで、亀には見えなくなっています。
縁側の一番奥に持仏堂(国重文)があります。延命殿とも呼ばれ、普賢延命菩薩が安置されていますが、ここは立入禁止です。
日当りのいい縁側を戻って庫裏を出ます。
庫裏の玄関の隣に土間の厨房がありました。テーブルもあり、柱にはかなり前に張られた紙に「食券」と書いてありました。昔は食堂だったようです。
庫裏の門を出て先へ行くと、すぐに鐘楼門(国重文)があります。平安時代に弘法大師が創建した当時からある建物で、日本最古の鐘楼門と言われています。
鐘楼門をくぐると、すぐ右に植込みがあり、その向こうには放生池があります。
放生池に向かうように本堂が建っています。天明3(1783)年の再建です。
蟇股には花が彫られていますが、他に装飾はなく、全体的にシンプルな感じです。本堂の内部は撮影禁止ですが、阿弥陀三尊像など、平安時代に造られた仏像が安置されています。右側には大地獄絵があり、他の参拝客に説明している方がいたのですが、だいぶ長そうだったので途中で出てきました。
入口付近の天井には足跡がついてます。
本堂の右手に石塔があり、その先の石段の方へ行きます。
石段の手前には不動明王坐像がありました。
石段を上ると左手に大師堂の拝堂があります。
拝堂は後ろが開いていて、大師堂が見えます。
拝堂の後ろに回ると正保2(1645)年に建てられた大師堂(県文化)があります。内部は見えず、弘法大師や不動明王は見られませんでした。
大師堂から更に行くと左に階段が見えたので、行ってみることにします。
茶所の後ろの目立たない所が入口で、急な石段が続いています。
石段の上には大石棺佛があります。古墳の石材を使って彫ったもので、鎌倉時代の石仏です。この先にも小路が続いていて、祠が建ち並んでいます。
石段を下りて更に行くと鐘撞堂があります。屋根には四隅に花の瓦が乗っていました。鐘撞堂の周りにも木造や石造の祠があります。
鐘撞堂から階段を下ると放生池に出ます。跳ねた鯉の波紋が消えると、水面に映る本堂がきれいに見えました。
放生池をぐるっと回って鐘楼門に戻ってきました。
駐車場を出てR169を渡って少し行くと、長岳寺の飛び地があります。細長い三角形の敷地には五智堂(国重文)が建っています。お堂と言っても屋根の下には真ん中の太い心柱で支えられていて、壁はありません。
芯柱を大日如来に見立て、梵字の刻まれた大きな額が四方に掛けてあります。
タラーク(宝生如来)
アク(不空成就如来)
ウン(阿しゅく如来)
キリーク(阿弥陀如来)
光明真言というお経は「オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン」と唱えますが、アボキャは不空成就如来、ベイロシャノウは大日如来、マカボダラは阿しゅく如来、マニは放生如来、ハンドマは阿弥陀如来を指すと言われ、この5人を「五智如来」といい、五智如来が光明を照らし、地獄に落ちた者も含めて全てを極楽往生させてくれるとされています。つまり、この五智堂は最強のパワースポットと言え、光明真言も最強のパワーワードと言えます。
【奈良 山の辺の道の寺社 ⑤⑥:大和神社・夜都伎神社】パワースポットを巡る夫婦旅 に続く・・・