日常生活の考え方が

少し楽になるかもしれない禅語をまとめました。

*解釈は諸説あるものもあります。

 

花は無心にして蝶を招く

蝶は無心にして花を尋ねる

*良寛詩集

花は花粉を運んで貰う代わりに蜜を与えている

という意図は無く、

蝶は蜜を貰う代わりに花粉を運んであげている

という意図は無く、

お互い無心で行っているという言葉です。

何かを極めると、自然に無心でそれができるようになる。

無心でする何かは美しいという意味です。

 

一夜落下雨 満城流水香

いちやらっかのあめ まんじょうりゅうすいかんばし

*古尊宿語要

夜に降った雨が、美しい花を叩き落とした

しかし雨は川に流れて、花の香りを運んでくれたという情景です。

美しい花を落としてしまった雨を責める様子から

誰かを責めるのは止めよう、過去を嘆くのは止めよう、

花の香りが満ちた様子から

次に何が起こるかは、分からないですよという意味になります。

 

自灯明(じとうみょう)

*釈尊

ずっと誰かを頼って生きてきて、

例えば瞑想も教えて貰う立場だったけど、

いつの間にか自分が成長して、できるようになっていた。

次は自分が頼られる役・教える番になりました。

自分が、誰かの道を照らす明かりになるという意味になります。

 

随處作主(ずいしょにしゅとなる)

*臨済録

良い時も、悪い時も、どんな時も、どんな場所でも

ブレずに物事に取り組みましょうという意味になります。

良い時・良い事は、自分がやる

嫌な時・嫌な事は、誰かにやらせるということが

無いように気を付けましょうということになります。

 

担雪填井(ゆきをになってせいをうずむ)

*毒語心経

井戸を雪で埋める無駄だと思える作業の例えから、

無駄だと思ったことから大事なものを得ることもある

という言葉になります。

病気になって寝ていた時間は無駄だと思ったけど

それによって健康のありがたみが分かった。

学生時代にしていたアルバイトで得た知識が

就職してから思わぬところで役に立った。などです。

 

三級浪高魚化龍

さんきゅうなみたかくしてうおりゅうとかす

*碧巌録

滝を登った魚が龍になるという例えから、

試練を乗り越えて成長して化けるという意味になります。

困難を乗り越えたときに、自分の心境も変化するという言葉です。

 

白馬入蘆花(はくばろかにいる)

一面白い蘆(あし)の花の中に、白馬がいても

見分けがつかなくて同じに見えるけど

花と馬は別々の存在という言葉です。

同じ場所で、同じように生活している人でも

同じ人はいないので、

相手を知って理解することが大切という意味になります。

 

結果自然成(けっかじねんになる)

やることをやったら、自然に結果がでるのを待ちましょう

という言葉です。

精一杯やったのであれば、結果が出るまでは

思い悩まず待ちましょうという意味があります。

 

*参考になりそうな禅語を、ここ数回の記事でまとめてみました。

 今回で禅語は一旦区切ろうと思います。

 ありがとうございました。