心臓の意門(ハートチャクラ)知覚~第四禅までの行程の説明を、

そのまま抜粋します。

行程の長さに対して説明文は短いです。

この辺りの行程の上達に関しては、

実際には仏陀語録などの精神的な要素の方が

大きく影響することが理由かと思います。

 

先週記事にした全行程表の方が見易い方もいらっしゃると思いますが、

原文を参考にしたい方もいらっしゃると思いますので

お寺の資料の文面のまま、今回記載させていただきます。

*呼吸と禅相に関する抜粋と用語の説明は、

 テーマ技術面(修習)の中に別で記載があります。

 

禅相(取相・似相)は瞑想で集中力が高まった際に生起する感覚のことで、

生起した感覚の取相が光ると似相と呼ばれ、

知覚する光る感覚全般に似相という言葉が用いられています。

 

心臓意門の似相を現代の言い方にすると、

ハートチャクラ部分の光という意味になります。

 

今回の範囲を、簡単に表にすると下記の赤字の箇所になります。

 

一段階目(初禅)

 ↓       呼吸に関する説明

 ↓       禅相に関する説明

 ↓       心臓の意門に関する説明

二段階目(第二禅)

 ↓       

三段階目(第三禅)

 ↓

四段階目(第四禅)

 

(ここから抜粋になります。)

 

心が似相において干渉を受けること無く、

一時間または二時間程度専注を持続できるようになったら、

心臓の中に在る心所依処をよりどころとする有分識(意門)を

知覚できるかどうか試してみるとよい。

何度も続けてチャレンジしていると心所依処をよりどころとする有分識と、

意門に顕現する似相を知覚することができるようになるであろう。

そして有分識を知覚できるようになったら、その時は

同時に5つの禅支を知覚することにチャレンジするとよい。

この修習を不断に行っていれば、

やがて5つの禅支を知覚することができるようになる。

↓5つの禅支

1、尋:心を「似相」に導き向かわせ、止まらせる。

2、伺:心を「似相」に継続して専注させ、保持する。

3、喜:「似相」に対する喜悦。

4、楽:楽受または「似相」の楽を体験すること。

5、一境性:「似相」に対する一境性。(集中)

 

禅那を修習し始めたばかりのとき、修行者は禅那に入るために

長時間の練習をしなければならない。

しかし禅支を観察するための時間は、あまり多くを費やしてはならない。

そして、この時から初禅の五自在の修習を開始しなければならない。

↓五自在

1、引転自在:出定後、諸禅支を観察する能力。

2、入定自在:いついかなる時においても、心の欲求に従って入定できること。

3、住定自在:自分の意思によって、好きなだけ(の時間)入定すること。

4、出定自在:予定した時間に出定できること。

5、省察自在:諸禅支を省察できる能力。(第一項に同じ)

 

引転と省察の2つは、同じ意門心路に出現する。

引転とは意門引転心によって操作することによって、

五禅支の中の一つの禅支、例えば「尋」を所縁として意門から引転した後

すぐに生起する4つまたは5つの速攻心よって操作するもので、

所縁もまた同じ対象を取るのである。

五自在に習熟したあと、第二禅に入ることが出来る。

そのため、まず初禅に入り初禅から出て、

初禅の欠点および第二禅の長所を思惟する。

初禅がいまだ五蓋(貪欲・怒り・睡眠・後悔・疑)に近い事を思惟し、

また初禅の中に尋・伺禅支が含まれるために、

初禅は尋と伺を含まない第二禅より静寂において劣っていることを

思惟しなければならない。

この2つの禅支を取り除いて、喜・楽・一境性だけを残したいという

決意を持つべきであり、そのようにした上で「似相」に専注する。

このようにすれば、喜・楽・一境性を具備した第二禅を証することができる。

 

続いて、第二禅の五自在を修習しなければならない。

修習が成功して第三禅に入りたいと思うときは、

第二禅の欠点と第三禅の長所を思惟する。

すなわち、第二禅は初禅に近く、

第三禅のほうが第二禅より静寂であるという点である。

また、第二禅の中に喜禅支が含まれているために、

第三禅より第二禅のほうが

静寂において劣っていることを思惟しなければならない。

第二禅から出定したあと、かのごとく思惟し

第三禅を成就し、証したいという決意を持って、再度「似相」に専注する。

このようにすれば楽と一境性を擁する第三禅を証することができるであろう。

 

次に第三禅の五自在を修習する。

この修習に成功して第四禅に進みたいと思うとき、

第三禅の欠点と第四禅の長所を思惟し、第三禅には楽禅支が含まれるため

楽禅支を含まない第四禅より

第三禅のほうが静寂の点で劣っていることを思惟するべきである。

第三禅から出定したあと、このように思惟して

第四禅の心を養成し、証したいと決意したあと再度「似相」に専注する。

このようにすれば捨と一境性を具備する第四禅を証することができる。

引き続き、第四禅の五自在を修習する。

 

第四禅を証したなら、呼吸は完全に停止する。

ここにおいて安般念の第四段階*「身の止の行」が完成するのである。

「私は身(息全体)の止の行において息を吸う」を修習する。

「私は身(息全体)の止の行において息を吐く」を修習する。

上に述べた修行次第は、禅相の生起する前から始まり

第四禅の修習に従って定力が成長し成就されて

その結果、呼吸がますます静かになり、最後には停止するまでをいう。

 

*英語訳ではbreath bodyとなっており、パーリ後ではkaaya-sanhaaraである。

 直訳では「身行」となるので、日本語では「身の行」とした。

 

(抜粋終わり。)

 

文章だと見ずらい方は、先週記載させていただいた

技術面(修習)の「瞑想の行程を表にまとめました」という記事などを

参考にしていただければと思います。

普段の日常生活中から禅相が生起している集中感覚を保持すると

自然に自己内観をしている状態になります。

(五自在の練習にもなります。)

例えば細かい心の動きを即座に掴めるようになったり喜楽に対しても

平静を保てる(捨)ようになっていたりすると、

自分が瞑想を上達している認識が持てるのではないかなと思います。

 

僕が所有して抜粋内容を記載している瞑想資料に関して。

資料の日本語版が翻訳されたのが2011年1月となっています。

(海外のお寺で無料で貰えます。)

僕がこの資料をいただいたのが2011年でしたので、

日本語版が出版されてから割とすぐに入手できたことになります。

ここ数年は(コロナで)海外へ簡単に行けない状況になってしまっているので、

もしかしたら日本語版が出回っている数は、そんなに多くはないのかもしれないです。

(別の似たような資料は見たことがあります。)

 

資料が各国の言葉に翻訳されて、

できるだけ多くの望む方に読んでもらえるようになって欲しいと

いうことと、

資料は寄付金のみで発行されていて、販売は一切していないため

この資料の内容で収益を得ることは(仏陀の教えとしても)禁止されている

と記載されています。