麹町の新参者こと中年税理士―中小企業の「ホームドクター」

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 簿記会計学の入門程度のレベルを終えたという想定で、その学生とのゼミでの問答をとりあげましょう。会計学における真実性の意味とそれに基づく財務諸表の読み方が分かるような説明をします。

 

 P 今日は、会計学の相対的真実性の意味とそれに基づく財務諸表の意味について考えていきましょう。相対的真実性の意味を復習しておくと、経済的事実に基づく会計処理・表示は複数認められています。その中で経営者が選択できるということから、異なる数字や表示になるということでしたね。

 S はい。それなので財務諸表には経営者の主観、恣意性が介入すると教わりました。

 

 P そうです。それだから継続性の原則や他の残りの五つの会計原則の考え方で制約を加えて、財務指標の比較可能性を確保、向上させる必要があるのですね。

 

 S 比較可能性の向上。それはどういう意味でしたか。

 P それは、同一企業の財務諸表の比較可能性と同種・同規模の他社との比較という二つの意味を持ちます。

 S 分かりました。

 

 P みなさんが財務諸表を読み、投資家、株主、債権者等の立場のいずれにしても、継続的な会計処理がされていないと、財務諸表を意思決定の材料にそのまま用いることはしにくいですね。どうしますか。

 S 財務諸表を読み替えることになりそうですが、よくわかりません。

 

 P ずは登記の財務諸表における会計方針をみて前年度と異なる会計処理表示があるかどうか、会社法の規定と会計学の考え方の異なる点についての処理表示がないかどうか、重要性の原則の適用により処理・表示がされていないかどうか等、確認します。そこに利益等への影響がでている場合がありますが、それで前年度との比較ができますね。利益への影響がでていなければ、自分自身であるべき会計処理表示にして読み替えないと適切な意思決定・判断ができないことにもつながりますね。

 S そうですね。

 

 P よくある事例としては、繰延資産である開発費の償却や試験研究費の計上について、会社法上の均等額以上償却という規定を利用して、経営者が即時償却か償却期間を決めて処理するのですが、合理的理由があるかどうかを見極めるのも大切です。

 S どうしてですか。

 

 P そうしないと、経営者の意図が見抜けないからですよ。合理的理由がないのに過去は同一の会計事実ねたとえば開発費について即時償却していたのに、今期は五年間にしていたとしたら、どう考えますか。

 S 即時償却よりも五年で償却した方が利益がでるのですから、利益を出そうということでしょうか。

 

 P そうですね。業績が悪いのを、会計処理によって、隠したいという意図があるのはまちがいないでしょう。一つの会計処理でも財務諸表の内容が変えられてしまう。これが財務諸表の相対的真実性の怖いところでもあります。経営者により、経済的事実が適切に財務諸表に反映されないことになるわけですから。

 S 意思決定を慎重にしないと危ないということですね。

 

 P そう。相対的真実性に基づく財務諸表の味方が少し理解できたようですね。ただ、相対的真実性が今回は悪者のようにとりあげましたが、良い側面もあるので、それを忘れてはいけません。

 簡単に言えば経済活動を取り巻く環境は・状況は変わりやすく、経済活動も日々新しいものがでてくるような現代では、特に、確定的、絶対的な会計処理・表示を定めることはできないし、会計政策という経営判断も尊重しないといけないので、相対的真実性に意味があるのです。

 S ありがとうございました。

 P 今度は連結財務諸表を含めてみていきましょう。

 

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 民事(家族)信託について基本的な事項について今回はとりあげます。民事信託の場合、コンサルティングをして信託契約書等の案を作り上げる場合、建物の建築になぞらえることができると考えています。このような観点で信託についてみていくことにより、多少イメ-ジ、インパクトがでるのではと思っています。

 

 まずは、どんな家を、どのような用途で建てたいのかを建築の場合は聞くでしょう。信託の場合も予算を概算で示しますが、この点は省きます。

 

 この話を前提にして、下記のようなプロセスで考えることができます。

 

①入り口(ドア):これについては、民事信託に向いているかどうかを必要な話に従い確認します。と同時に、委託者の意思能力を確認します。

 

 この入り口が適切であるのならば次の段階に向かいます。

②通路・階段:信託行為、信託契約、遺言信託、自己信託からなりますが、どの行為を選択すると良いか、それが確定したら、公正証書の公証にするかどうかをアドバイスしていきます。

 

 続いて間取りについて確認していきます。

A信託の目的が適切か B信託財産の特定 C 信託財産の管理は目的に適合しているか D受託者の適正性と後継受託者の問題の定めはあるか E 受益権の問題は適切に定められているか F信託の開始と信託の期間及び終了事由は整合的か G残余財産の分配についての定めは適切か

 

 さらに必要な設備等の確認については下記の通りです。

A法定遺留分の侵害はないか B 課税の問題はクリアしているか

 

 最後に、構造計算等。

A 受益者保護等の関係人の定めは十分か B 信託行為が無効とされることはないか

 

 上述のように信託契約書の案を設計していくのです。そうであれば、施主さん、信託の場合は、委託者、と受託者とお話しをして中身を詰めて、その他の親族を含めてお話しをして最終案を作り上げていくということになります。

 

 そのうえで信託契約等が利用者の使い勝手を考え、フレキシブルな内容にして、倒壊や建築法規に違反しないような安定した法律構成にしていく、といったことが必要となってきます。

 

 施主さん達と設計士の話しあいが大切になってきますが、これは信託の場合も同様です。特に財産関係の話が直接的に絡んでくるため、信頼関係がより大切になってくるものと考えています

 

 


 


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消費税。国政選挙と景気動向により、予定通りにアップするかどうかは、まだわからない。とはいうものの、アップや制度改定に基づき関連する予算に多大な費用をかけた事実は変わらない。それだけに、今後の推移を見守るしかないにしても複雑な心境だ。

 

 その消費税。逆進性を除いたとしても、三つの観点から問題があると整理することができる。

 

①納税が大変で黒字倒産ということの起因となる。これは経営が安定化し資金的に余裕がある企業を除き企業財務に大きな負担を与えるからだ。目消費税の納税額をある程度頭に入れて経営者は資金繰りをしないといけない。これは、大変な事だ。

 

②企業側の事務処理が大変になる。相手方の正確な名称を会計記帳しなくてはならないし、次の問題とも絡むが、今のところ課税売上割合が95%未満だと海外からの役務提供についての記帳もリバ-スチャ-ヂだということを明確にしないといけないからだ。もし税率がアップし、制度が変わればより負担は増す。

 

③ここ数年の改正で税理士の専門的判断の必要性はより増した。一つは、海外からの役務提供がある場合、課税売上割合が95%未満だとその計算が複雑化したことだ。これは理論的に説明しにくい改正なので、特にIT関係などでは会計処理と消費税計算が複雑になる。

もう一つは、高額特定資産を取得した場合の中小事業者に対する特例措置の適用関係の見直しについてだ。計算自体もそうだけれども、その計算対象期間の問題とリバ-スチャ-ヂが関係してくる場合もあるからなおさらことは大変になる。

 

 元々、消費税は理論的な判断と経済活動の関係と手続きが絡むといっ意味において有利選択の問題上、とても微妙で複雑な問題が生じてきた。が、これに会計処理自体と税率アップの問題が予定通りに行われるとすれば、安い報酬で税理士業務をやれるのだろうか。しかも合理的節税などを要求される場合も少なくないようだ。とするのならば、業種、業態にも多少影響はされるものの、安い報酬ではとても対応する気にならない、少なくとも私は。今の顧問報酬が避けようとか、アドバイスがなくて不満を持っている納税者も少なくないようだが、税理士もコストベネフィットとリスクを勘案して仕事を引き受けるのだから。

 

 消費税増税とそれに伴う制度改正の行方は上述したように注視せざるを得ない。税理士としてだけではなく、一般国民としても。

 

 

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今回は、ゼミでの学生との個別相談での一コマというシチェ-ションで民事信託についてとりあげてみます。

 

 P(教授) 今日は、相続関係についてとりあげてみましょう。法学部のみなさんだから、当然のように相続や遺言についてはきいたことがありますね。

 S(学生) はい、聞いたことがあります。まだ相続編までは授業で詳しくはやっていませんが。

 

 P そうですか。それでは信託はどうですか。信託行為には三つ制度がありますが、信託契約が一般的です。

 S テレビ等で信託契約についてやっているのは聞いたことがあります。うちは、おじいちゃんが遺言をするとかいうのは聞いたことがあるので遺言で良いのかな、というのは少し感じていました。

 

 P 信託契約についても少し聞いたことはあるのですね。S君のところは事業をやっていますか。

 S はい、会社を経営しています。確か、株式の大半はおじいちゃんがもっているので、それを確か遺言にしようとしているとか言ってました。他の貸している不動産も。

 

 P それでは遺言だけでは大変ですよ。

 S どうしてですか。

 P 遺言だけでは、おじいちゃんが亡くなるまでは、株式の権利や不動産の権利も映らないから、万が一、痴呆症などになってしまったら、株主総会が成立しなかったり、不動産の修繕や、空室になった場合の新規契約などもできなくなりますからね。

 

 S それは大変です。他にも何か不都合があるのですか。確か預金が引き出せなくなる、という話は聞きました。

 P そうなんです、預金も引き出せなくなったり、不動産について借入金があったりしたら、すぐに返済を迫られたりする場合もあるんですよ。超高齢化で痴呆症の率が高くなり続ける今、それなので信託、特に民事信託がよくとりあげられるのです。成年後見人が付くまでだけではなく、ついてからも家庭裁判所が関与するので信託していないと大変なんです。

 

 S そうなんですね。遺言だけでは対応できないし、成年後見人でも大変ということなんですね。民事信託を簡単に教えてください。

 P 民事信託というのは、一族の財産は自分たちで守るという財産管理の法制度です。特に、財産を持っている方の生きている時から、お亡くなりになった場合、さらには、そののちの財産管理・承継まで指定できるのです。

 S いや、便利な制度ですね。

 P とても便利で、よくフレキシブルという言葉で示されていますね信託の特徴は。基本的には、委託者が財産所有者であるおじいさん、受託者が息子さん、受益者がおじいさん、という自益信託がよく使われます。

S そのような場合、気を付ける点はどのようなものがあるんですか。

P まずは、何よりも信託する目的と信託する財産。これを決めた後に、受託者が決まれば、信託のやり方を決めないといけません。

S はい。

P それから具体的契約内容として、受託者の後継者、信託期間、借り入れに関する定め、信託終了時の財産の分配及び信託の変更について定めることが重要です。特に事業者の場合はね信託期間が長くなる場合ね次世代やその次の世代になることもあるので、次の受益者や、信託を監督する者として信託監督人なども置くことを考えないといけません。

S 難しいんですね。

 

P 実際は財産の内容、親族関係を前提として財産所有者の意思を尊重して、生活の安定のために財産を管理・処分・承継する制度です。それなので、目的をいかに実現し、しかも契約が有効なものにするか親族間の話し合いと、専門家との話し合いがとても重要になるようです。
S はい、イメ-ジは分かりました。父と話し合ってみようと思いまする私も事業を承継したいと考えているので。

P それはいいことですよ。あなただけではなく、あなたの親族にとって、良いことですよ。

S ありがとうございました。

 

 

 



 

 


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 粉飾決算。住宅関連で古くは、殖産住宅やその他の会社でも行われていたが、不動産、これは棚卸資産に当たるが、完成しているのに、未完成にしたり、関連会社への押し込み販売などで業績の水増しといった手法を用いて今回と同様な事件はあった。

 

 今回の粉飾決算に関する記事を一部抜粋しよう。

 

東証1部上場の住宅関連会社「すてきナイスグループ」(横浜市鶴見区)が粉飾決算の疑いで強制捜査を受けた事件で、同社がペーパーカンパニーを介して架空の不動産取引を装い、業績を水増ししていたとみられることが、関係者への取材で判明した。こうした架空取引による業績の水増しを複数年にわたって行っていた可能性もあり、横浜地検などは16日、金融商品取引法違反の疑いで関係先を家宅捜索して資料などを押収し、全容解明を進める。

 今回の特色は、ペ-パ-カンパニ-を用いて資金貸付を行い実需の不動産売り上げを作り出したところにある。数期の比較による異常値検出により判明したのだろう。上場会社では連続赤字では、経営陣の責任が問われかねないための苦肉の策だったものと思われる。

 

 架空売上げの計上による過大利益。二つの問題点が指摘できる。

 

①過大利益に基づく配当が行われたことによる、財産の不当な社外流出により会社に損害を与えたこと。

 

②みせかけの業績向上に基づく株式保有を決めた、あるいは株式購入をした投資家に、粉飾により経済的損害を与えたこと。

 

 いずれも関与した経営陣が責任を負うことになるのは言うまでもないが、監査役や公認会計士にも責任があるのかもしれない。

 

 違法配当の責任は、それが事実だと解明されれば、重い責任が課されるが、配当を受け取った株主はどうなるのか。違法配当を知らない通常の株主は、不当利得として返還する必要はないが、実態を知っている株主は、返還に応じないといけない。

 

 経営陣は違法配当について与えた損害を返還するという会社、株主に対する責任を負うが、それは民事、刑事両面に及ぶとともに、株価の下落に関して株主に対しても責任を負う、もちろん、損害との因果関係と粉飾に起因したことによる損失の金額についてだけだが。

 そして金融商品取引法上の責任も負う。

 いずれにせよ。、脱税の反対の粉飾決算についても経営陣の責任は重い、ということだけは間違いなく言える。

 

 

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 有名なネット販売会社。タックスヘイブンを悪用して、税金逃れをしたとして、先日大規模な申告漏れの下記の報道がされた。

 

タックスヘイブン経由の会社譲渡、66億円申告漏れ指摘

5/12(日) 3:00配信

朝日新聞デジタル

 

 

申告漏れの構図

 大手貴金属商社「ネットジャパン」(東京都台東区)の経営権売却をめぐり、創業者の吉沢敏行会長(67)と、タックスヘイブン(租税回避地)にある会社が、東京国税局から所得税と法人税計約66億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。

 

 海外を絡めた経済活動について不合理な取引として、タックスヘイブン税制の適用として申告漏れが法人、個人ともに指摘されたという。

 

 こういう経済的行為として節税以外の目的が認められないような取引に課税する。脱税ではないとしても当然のことだと考える。それゆえ、今回の国税局のタックスヘイブン税制適用には賛意を表する。なぜか。一般の納税者は海外がらみのタックスヘイブンを活用した税金逃れなどそのリスクと「専門屋」報酬の高さゆえに。

 

 ちなみに節税額5億、コンサルタント料1億程度だといわれているようだが、高額所得者や会社が適切に納税しないと、財政は行き詰まり、一般国民の納税意識は下がり、大変な事態になりかねない。

 

 消費税の増税、国民健康保険料や国民年金保険料の引き上げ、年金の引き下げ等、一般国民の可処分所得は減るばかりの今、このような類の節税取引の摘発と専門屋については強い姿勢で臨んでほしい。資格を持たない者が関与しているのなら、その者が関与する会社すべてに査察に入るなどしてもらいたい。資格を持つ者なら資格はく奪等の措置をしてもらいたい。

 


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  最近の資産税関係の改正。いくつか取り上げてみよう。

 

 資産の有効活用を税制面から支えるといった趣旨の改正が多い。たとえば空き家税制。空き家について、相続税では適用が認められていた老人ホ-ムに入居していた場合の小規模宅地の評価減の特例に平仄を合わせるように、所得税においても空き家の譲渡の特例の適用が今年度の改正案では含まれている。

 

 というのも自治体の建設関係の方との話でも、前年にはなるが、空き家税制の特例の適用では自治体の承認が必要だったけれども現実には年間数件だろうという話を聞いたことがある。遊休資産の有効活用に資するために適用範囲を拡大し、所有者が老人ホ-ムに入居した場合に、戻ることができないような場合の空き家を売却した場合に3000万円控除がこの4月から使えることとなった。適用期間に注意が必要だ。

 

 地積規模の大きな土地の評価についても、制度趣旨が変わりマンション用地から戸建てを対象としてその適用要件が明確化された。これにより、実務的には適用されるケ-スが増えるだろう。広大地より評価減は少ないとしても、リスクが少ないことは、納税者と税理士にとって安心して使えるということだ。

 

 農地に関する税制。これは先述したけれども相当利用状況や次世代従事者の有無等だけではなく、相続税の延納の免除の有無の期間によっても対応策が異なる。詳しくはべつの機会に少しずつとりあげる。

 

 土地の税制。東京オリンピック後の価格下落の予測を下支えするという狙いもあると思われるが、金融庁は土地融資はすでにバブル並みということで非常に厳しくなっている。ただ金融機関からすればある程度土地融資も継続しないと、資金あまりになるのはその金額の大きさからしても当然困った事態になる。そのために民事信託における信託財産に不動産が入っている場合に、信託契約の内容によりリスクが少ないというケ-スでは借り換えや追加融資で対応する、ということも少しずつではあるものの増えているようだ。

 

 単なる相続税対策で借り入れ債務せ増やして相続財産の純額を減らすなどということだけではあまりに芸がない。個人事業の法人化と民事信託による事業の承継等を絡ませた相続()対策であれば、不動産融資に関してもそれほど消極的ではない金融機関もあるようだ。不動産市場の需給のバランスが大前提ではあるものの、人気のある土地や、何らかの付加価値を付けているような物件であれば、まだ融資を受けることをあきらめる必要はないのではないかと思っている。

 

 とはいうものの、相当不動産の融資を受けるには、プランニングと事後の対策も重要になることから、資産税対策の必要性は高まるものと思われる。消費税の還付なども合わせ技でうまく活用したいる税率アップが予定されているし、それが続くという予測が多いから。いずれにしても複雑な対策が必要なので、クライアントとの密接な関係の下での話し合いがより大切になるのは間違いない。

 




 


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 先日何気なくテレビをみていたら、東京都が農業従事者のためのセミナ-等を数か月かけてやるとしていた。農業の大切さと緑を守る、という二つの観点からの取り組みのようだ。

 

 確かに、農業関連のいくつかの法律も変わったり、新設されたりしている。生産緑地も2022年には、今後生産緑地についてどうするか、農業者の決断が迫られていたりもする。

 すでに納税猶予が認められている農地についての相続税の減免期限も過ぎている土地も多いだろう。

 

 上述のような制度改変の只中にある今、さらには土地価格の下落が想定されることから、農地が宅地化されているという事例も既に少なくない。今後さらに、固定資産税の宅地並み課税等が影響したり、次世代の農業従事者がいない場合なども含めて、農地の有効活用をいかに図るかという検討に迫られている方も少なくはないと思われる。

 

 農地、いくつかに分けられるが、少なくとも、納税猶予の期限を越している土地については、宅地に転用する場合、宅地に換えて、たとえば戸建て賃貸や戸建て住宅にした場合の投資費用を前提にした、収支のプランニングが大切になる。ただ、単に収支で比較するのではなく、農業従事者の有無が関係してくるのと、農地についても選択肢が増えてくるのでその選択との関係も考えて意思決定をしなくてはいけないことになる。

 

 とすれば、農地に関する、有効活用に関するプランニングには専門家の専門的知見が要求される。様々な法律と農業従事者の土地をどうするか、という意思を前提にしたプランニングが今後より重要視されることになるのは間違いないだろう。

 

 地積の巨大な土地の評価との関連で、農地の実態がない土地などについては、地目変更をして、土地の評価減の特例の適用をすることによって、戸建て住宅に換えるということも、実態に応じて必要性がよりましてくるはずだ。

 

 実際には農地の種類、納税の減免措置やその期限、今後の農業従事者の有無、宅地の利用実態等により、土地の活用方法は変わってくるので、我々税理士は、まずは、実情と希望をよく聞いてそれから様々プランニングをしていかなくてはいけないことになる、が、納税者との話し合いが大切なのはこの主の案件だけではなく、杓子定規な対応が許されないからこそ、専門的知見を活かすべく信頼関係の構築が必要なのだ。

 

 

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 研究会、学会には様々な分野において会がある。横断的な会もある。その一つで学際的なものとして会社経営、経営の現場において、役立つものがある。その代表的なものが失敗学会だろう。

 

 立ち上げは、元東大工学部教授の畑村さんだ。彼が述べるところによると失敗にこそ今後の研究、経営に活かすものがある、ということだ。そうでなくても「失敗は成功の元」という言葉が昔からある。

 

 ドイツの有名な鉄血宰相ビスマルク。彼の言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というものがある。おそらく、少し拡張解釈気味に言うとすれば、「愚者は自らの経験のみに学び、賢者は、他人の経験及び歴史に学ぶ」と言えるだろうか。つまり、自分の経験を客観視し、それと同時に他人の経験と歴史の因果法則めいたものに、自分の経験をあてはめ、学習するということだ。

 

 研究も経営も失敗しないものは、大したものを生み出しはしない。たまたま、状況と能力がなんらかの偶然で研究などに味方したということともあるに違いないが、それは偶然の産物以上の何ものでもない。偶々の成功を追いかけていても何も生まれはしないはずだ。

 

 それと対照的に、継続的な努力、失敗の積み重ねを分析、反省して、次に活かすというプロセスを繰り返すことによってのみ、研究、経営能力が高まる。そうすると、失敗する確率は算術級数的に減っていくという好循環が生まれる。

 

 ノ-ベル賞を取った学者の多くは、失敗の繰り返しで試行錯誤を繰り返し偶然にも近い形で実験が成功したというエピソ-ドを述べている。この言葉の示唆するところは何か。謙虚さの表れとともに、失敗の積み重ねが、能力を高めね成功への道が自ずと開かれていたのでは、ということだろう。

 

 偉人伝で言えば、発明王エジソン。彼も全く同様なことを言っている。確かに、状況も技術的、科学的進歩の度合いも比べ物にならない今ではあるものの、研究や経営を担うのは人間しかいないのは確かな事実。とすれば、昔も今も、いや、これからも上述したようなことは普遍的な経験則として、有意味性を帯び続けるはずだ。


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 民事信託のセミナ-や相談を受けていると、色々な質問を受けます。親族の財産を家族が守り生活の安定化を図るのだから、様々な分心配がいろいろな観点から出てくるのも当然だと思います。以下では具体例でみていきましょう。

 

Q 民事信託をやる場合に身内に受託者がいないといけないと聞いたのですが、どうなんでしょうか。

A 確かに親族の方がやれればそれが一番です。ダメな場合は、お世話になっているNPO法人や社会福祉法人などに頼めればいいでね。そうでなければ商事信託ですが、敷居が高いです。

 

Q 金融機関や証券会社などの協力がなかなか得られないようで、民事信託をやりたいのですが、困っています。

A わかります。まだまだ金融機関等の方も民事信託の経験が不足しているようで、リスクを嫌いますから。信託契約であれば、金融機関等が心配する部分は限られていますから、それに配慮した規定を設け、相談に、専門家とともに行くことと、公正証書を作成することでだいぶ金融機関も安心するようです。

 

Q 父は高齢ですでに訪問介護などのお世話にもなっています。聞くところによると任意成年後見人と信託を併用した方がいいようなのですが、どうでしょうか。

A 併用したような場合も確かにあります。でも身内で監護ができるとか、監護の手配ができるようなら、メリットのコストを考えて信託のみで対応できると思います。もちろん、信託契約の設計をより慎重にする必要があると思います。

 

Q 父は再婚したので財産の承継などを適切にやりたいと父が言うのですが信託で対応できるでしょうか。

A これぞ信託の出番です。たとえば再婚相手の親族には、生活保障と法定遺留分に配慮して、後は血族に財産が承継するといったことも信託契約の中でうたうことができます。

 

Q 遺言だと私の息子達に希望した財産を渡すことはできるようですが、次の孫の世代には対応できないと聞いたのですが。

A 確かにその通りです。信託であれば連続信託という契約で、将来世代への財産承継まで指定することができます。特に、連続信託であれば財産家の方達や事業承継に活かすことができますね。

 

 各々の親族で希望も状況異なるのですから、具体例も限りないわけですが、信託契約の中身で問題になることは限られています。それなので希望に沿うフレキシブルな設計をする為に問題が起きないよう法的安定性を確保することが大切になってくるわけです。セミナー等でなんでもお聞きください。

 

 

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