相続税の計算。お父さんの相続の時には相続税がかからず、申告もしていない場合に、お母さんの相続が発生した場合、移転登記されていない土地についてまず考えてみましょう。学生との会話形式で見ていきます。相続人は息子さんが二人とします。
先生(以下t) 君ならどう考える。
学生(以下s) そうですね、名義変更していないとすると、共有と考えるのでしょうか。
T そうだね、そうとも考えられるね。まずは経済的実体をみないと。
S というと、誰が利用しているかということが関係しますよね。
T そうそれは関係してくる。でも、固定資産税の名義人とその税金の負担視野がどうなっているかが、一番重要になってくるよ。
s ということは、お母さんが住み続け、名義人として課税され、それを支払っていれば、お母さんがすべて相続したと考えるわけですね。
t 君は筋が良いね。その通りだ。であれば、今回の相続財産にすべてなるというわけだ。
s はい、よくわかりました。
T まだよくわかったというのは早いよ、君。
S どうしてですか。
T 判例で次のようなものがあるんだ。公正証書による贈与契約があったとしても、登記がされていない場合には、贈与契約が成立しないで、相続財産とされた判例があるんだ。
今回のケ-スで仮に、遺産分割協議書が作成され、登記未了の場合を考えてみるとよくわかる。ただ、相続登記も義務化されそうな・も注意が必要だ。
S うーん。このような場合は、どう考えるのでしょうか、ちょっとわからないので。先生教えてください。
T 遺産分割協議書で法定割合いで取得と記載があった場合。登記がされずにいて、住んでいるお母さんのところに固定資産税の支払い通知が来て、支払いをしていたら、共有ではなく、お母さんのものとして、相続財産の計算をしなくてはならないこともある、ということだよ。
S ということは、お母さん1/2、息子さん1/4ずつではなくて、すべてお母さんの相続財産として計算する、ということになるわけですね。
T そういうことだ。ただ、私が担当税理士をしていたとしたら、配偶者は、今のところ、相続財産の1/2あるいは一億六千万のいずれか多い金額までは、申告を条件に、相続税がかからないことになっているから、納税額全体を少なくするように、かつ、みなさんが納得するようなところまでお母さんに財産を相続させるようにするよ。配偶者居住権の話は家族の関係が色濃く反映するからとりあえでおいておくけど。
S 先生さすがですね。
T 褒めるのは早すぎ。それだけではなく、二次相続のことも考えて、財産配分を考えることもわすれないようにしないといけないよ。
今は信託を考えたり、民法改正による配偶者居住権を取り入れるかどうかとか考慮することが多いのにも気を付けるように。この場合、とても複雑で将来にわたっての計算だから慎重に考える必要が一層あるからね。
S はい、ありがとうございました。