RTL-SDRドングルでNooelec RTL-SDR v5という受信機も試してみました | やすのブログ

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元SE・PGです。

今までのSDR受信機はRTL-SDR Blog V3を使ってきましたが、同じRTL2832U & R820T2のチップ構成でRTL-SDR互換で(RTL-SDRのドライバーのまま使えます)RTL-SDR Blog V3よりも受信SN比が優れているという売り文句のNooelec RTL-SDR v5というSDRドングルをアマゾンで見かけましたのでスペアにもなるという事で使ってみました。

このSDRドングルの他の特徴は横幅もかなり狭く隣り合った狭めの幅のUSB端子に複数台装着しやすいという事だそうです。

 

売り文句の受信性能向上ですがRTL-SDR Blog v3 と比較して、短波帯のSN比は最大15dB改善(AM放送帯域の改善が大きいようです)、VHF&UHF帯のSN比最大6dB改善と言っています。レビューの所では筐体が小さいので放熱しにくく温度が上がるとノイズが増えるともあります。(放熱対策にヒートシンクも発注しましたがもう少し後で届きます、室温は21度位で1時間ほど使ってみましたが生ぬるい程度でした)

 

RTL-SDR Blog v3を聞くためのRTL-SDRのUSBドライバが入っていた環境とSDR#(Sharp)でRTL-SDRを聞くための環境が揃っていましたら単にSDRのUSBドングルをNooelec RTL-SDR v5に差し替えるだけで聞くことができましたRTL-SDR互換はばっちりですね。ただしアマゾンの商品ページのQ&AにはアンテナのLNR(受信電波の増幅アンプ等)に電源を供給するバイアスティー(Bias Tee)機能はありませんという回答がありましたのでアンテナへの給電機能は無いのかもしれません。(実際に実験はしていないので断言をしないでおきます)

他にNooelec RTL-SDR v5で優れている点と言えばUSB端子の差し込みの接触具合がRTL-SDR Blog v3のちょっと力が加わっただけで接触不良になり差し込みなおしになるのと比べればこちらの方がいい感じです。

 

さて、温度が上がらない時点での短波帯の受信感度をRTL-SDR Blog V3と比べてみますと、アンテナは同じものを使っても同じ周波数を受信してみるとノイズフロアレベル(ノイズの信号の強さ)が明らかに違っていまして信号の強さでは受信感度は語れないようですのでSDR#(Sharp)のスペクトラムアナライザー画面でSN比を見てみますが(電波の受信ですので揺れ動きます)数字的に明らかな差は分からないようでした。実際にSDRドングルを差し替えながら受信状態が弱めの13.8MHz辺りの放送局を聞いてみますと多少はNooelec RTL-SDR v5の方が聞こえが良い気がします。

聞こえが良い!ではなく聞こえが良い気がするという気がするレベルですか?と言われますと、そうですねぇ・・・はいという感じです。

追記:AM放送での受信感度は確かに改善が大きいようです、RTL-SDR Blog V3だとスペクトラムアナライザー上の電波の山はあるもののノイズに紛れてしまい聞こえない放送局でもNooelec RTL-SDR v5だと聞き取れるレベルで聞こえたりしました。やはりこちらの方が受信感度は良いようです。

 

あとは放送を受信するスペクトラムアナライザーを見ていてNooelec RTL-SDR v5特有の気付いた事と言えば全体的に見えるノイズフロアーのレベルがフェージング(短波帯の電波を受信すると空で反射して届くので電波が強くなったり弱くなったりする波のような現象です)を起こしているように結構変動しています一応受信感度が高いからでしょうか?それとも使わないような設定ですがなにがしかのAGC(電波などが弱い時は受信感度を自動的に上げる機能)のような物のせいなのかもしれません。

 

追記:最後にRTL-SDR Blog V3とNooelec RTL-SDR v5の消費電流の違いです。アクセス方法がデバイスサンプリングレートの幅で消費電流が違ったり、rtl_tcpでの動作時とspyserver(デフォルトのサンプリングレート)でも違ったりするようなのでそれぞれのケースをUSBの電流チェッカーで計測しました。消費電力はUSBでの給電電圧の約5Vに近い電圧でしたので電流に掛け算をすると消費電力(W)が計算できます。

----- ここから消費電流の一覧 -----

RTL-SDR Blog V3 の消費電流(ダイレクトサンプリングモードでUSBの約5V)
0.041A-差し込んでから「bias_tee_off.bat」を実行
0.122A-spyserver-デフォルトのサンプリングレートで利用中
0.076A-rtl_tcp-サンプリングレート0.25Mで利用中
0.080A-rtl_tcp-サンプリングレート0.900001Mで利用中
0.080A-rtl_tcp-サンプリングレート1.024Mで利用中
0.081A-rtl_tcp-サンプリングレート1.4Mで利用中
0.083A-rtl_tcp-サンプリングレート1.8Mで利用中
0.083A-rtl_tcp-サンプリングレート1.92Mで利用中
0.086A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中
0.086A-rtl_tcp-サンプリングレート2.4Mで利用中
0.086A-rtl_tcp-サンプリングレート2.8Mで利用中
0.084A-rtl_tcp-サンプリングレート3.2Mで利用中

Nooelec RTL-SDR v5 の消費電流(ダイレクトサンプリングモードでUSBの約5V)
0.057A-差し込んでから「bias_tee_off.bat」を実行
0.161A-spyserver--デフォルトのサンプリングレートで利用中
0.106A-rtl_tcp-サンプリングレート0.25Mで利用中
0.110A-rtl_tcp-サンプリングレート0.900001Mで利用中
0.112A-rtl_tcp-サンプリングレート1.024Mで利用中
0.114A-rtl_tcp-サンプリングレート1.4Mで利用中
0.116A-rtl_tcp-サンプリングレート1.8Mで利用中
0.118A-rtl_tcp-サンプリングレート1.92Mで利用中
0.119A-rtl_tcp-サンプリングレート2.048Mで利用中
0.119A-rtl_tcp-サンプリングレート2.4Mで利用中
0.122A-rtl_tcp-サンプリングレート2.8Mで利用中
0.115A-rtl_tcp-サンプリングレート3.2Mで利用中

----- ここまで消費電流の一覧 -----

消費電流はRTL-SDR Blog V3に比べてNooelec RTL-SDR v5の方が30%程度多いですがそれほど消費電流が多いという訳でもなさそうです。それよりはrtl_tcpサーバーでの動作に比べてpyserverサーバーでの動作時に消費電流が多めでした。LAN内での動作で十分で自分のプライベート目的での動作で良ければrtl_tcpサーバーでの運用の方が発熱が少なそうです。

実際にUSB2.0(供給電流0.5Aまで)の1ポートにHUBとUSB延長リピーターケーブルを付けて上記の二つのUSBドングルをさして同時に稼働させてみましたが消費電流は給電の範囲内で動作は正常に行えました。

 

私の主観でですがRTL-SDR Blog v3の参考価格が4600円位、Nooelec RTL-SDR v5の参考価格が5100円位とあまり変わりがないというレベルでのコストパフォーマンスはそこそこ良いのではないかと思います。RTL-SDR Blog v3の方もNooelec RTL-SDR v5の方も2年保証でそのあたりも同等のようです。あと評価で残っているのは耐久性ですがこれはしばらく使用してみないと分からないですね。