前回稽古の備忘録で、
当流は相手を制圧するのを目的としてない…云々
と書き記したのですが、今回の記事は如何にして妙技が可能となるのか?
あれっ?一貫性がないんじゃない?
たしかに仰る通りで、まことに面目ないかぎり。
君子は豹変し小人は面を革む…
ということで、活人術愛魂を愛する善き方々は本稿をスルーしましょう。
合気道、合気柔術の演武で、相手が宙に舞って一回転するのを見たことがあると思います。
↑は保江先生がの先輩、塩坂洋一先生の演武。こんなにできるようになりたいもの。
こんな体験談を読んだ方もおられるでしょう。
"思いっきり握って捕まえたんだけど、アレっ?と気づいたら一回転して叩きつけられたわ!スゲー!!"
これです。
貧弱にして根性もないマニアも剛健にして気も充実したモノノフも、ホンマかいなそれ?と興味爆発してしまう妙技。
①達人塩田剛三養神館創始師範の片手捕りからの呼吸投げ。相手はクルリと一回転。
②詳細な合気の掛け方を丸出しにされた先駆者、岡本正剛六方会創始師範の諸手合気。これはクルリン途中。
この空中一回転妙技は誰にでも掛かるのか?
私の答えは、
誰にでも掛かるとは限らないけどそのうち掛かるようになるかな…です。
これはあくまでも一種のパフォーマンスなので、そもそも一回転させないといけないものじゃない。
投げられる方(受)が、自ら一回転した方が楽なのでしょう(あらゆる意味で)。
①と②も自ら飛んで受身の体勢を取っているように見えます。
※誤解のないよう予めお断りしておきますが、先生方の技が効いていないわけではありません。
効いているけど、受が無理に逆らわないでいる(飛んでいる)だけ。
おそらく受は何か【 】…?というものを感知し、そこであえて逆らわずに"乗った、あるいは委ねた"結果一回転。
逆らうと次のものが来る設定になり、それはそれでまた違う理合の形となる。
それが形稽古であり、よって無理に我慢して逆らう必要はない。
受取ともに【 】を体感するには、受が我慢しない方がいいかもしれない。
合気系武術を学び理解が進むと、無意識に自ら飛ぶようになってしまうことも多い。
何となく誤魔化しているみたいだけど、素直な相手は投げても全く反応しない人にはできない…アレっ?と自らと合気道合気柔術に疑問を抱く方は数知れず。
う~む…はて?
なんか口先で丸め込んでいるような気も…
効いていないのに付き合う必要は全くありませんが、耳を澄ましてたら微かに聴こえる何かのようなもの…を察知したら委ねてみましょう。
まあ今でこそこんな考えの私ですが以前は真逆の、効かんもんは効かん!でした。
競技式の試し合い合気道からスタートした異端の私ですが、
その"何か"を感じそこに【乗る/委ねる】
…ことはとても大事なことだと思います。
ではその【乗る/委ねる】って、どういう体感なのか?
こんな感じです。
専門志向でも健康志向でも精神修行でも何でも構いません。
ただ当流のわずか10数手の形稽古では、
イラストのような感じでやってみたらどうでしょう。
それだけで修羅の道を歩む方々も、愛魂の道へ入ることができると思います。