冠光寺流柔術【巻き捕り、片襟掴み合気崩し】の形について。
この技は、大東流合気柔術の【胸巻き捕り引き身投げ】に相当します。
佐川幸義先生はこの技に、
「ゆっくり行って掛かるのが本当の技である。タイミングが重要。タイミングとはいたずらに早くすることではない。ゆっくり行う中にもタイミングがある。」と口伝を遺されています。
この技は合気≒愛魂を稽古するために非常にいいです。
①受は右手で相手の左襟を掴む。
このとき取はただ真っ直ぐ立っているだけですが、
相手を含めた目の前全体をまるごと写しておきます。
足うらを感じているとよりいい(地に足を付ける)。
②取は直ちに左手で掴まれたところを上から包む(※)。
(※)素敵な表現の口伝あり。稽古時に説明します。
同時に左足を相手の左側に一歩進めます。
③まず左足そして右足を、相手の両足を結ぶ線と横一線になる位置に移動(*)。
からだを移動すると同時に右手を相手の肘に軽く添えます。
左手と右手は同じ感触を保つのが肝要。
(*)合気が掛かっているので受は動いて逃げることができない。
④すでに合気が掛かっている相手は耐えきれず崩れていく。
右手はフンワリ添えているだけで強く押さないこと。
受けが崩れる方向に付いて乗せる感じ。
⑤その位置のまま。
⑥姿勢はほぼ直立。
合気を掛けるのは②で相手を包むとき。
手の内の操作になりますが、ふゎっとピトっという感じです。
しかしながら、武術的には遅すぎそして隙がありすぎて使えない可能性もある(合気が掛かっていなかった場合のこと)。
そのときの合気の問題を解決出来るのが愛魂になります。
ただし愛魂は①のときから掛けることになります。
慣れてくると①からすぐに⑤と⑥、すなわち【体の合気】も可能になります。