今年のお盆休みも昨年同様、宮城旅行でした。
1年経って被災地はどれだけ変わったのか・変わっていないのか
それを自分の目で確かめたいと、行ってきました。

こちらが昨年の石巻沿岸部の様子
2012年夏 宮城県石巻市
丘のように見えるのはがれきです。


こちらは今回のほぼ同じ場所
2013石巻
がれきはほとんどなくなりましたが、建物もほとんど撤去されました。
右手奥に見える家は、上の写真では右側ぎりぎりに見えています。


2013石巻
上2枚の写真を撮った場所にはお地蔵様が佇んでいました。
昨年は砂利も敷かれておらず、デコボコの地面でした。


後ろを振り返ると小学校の建物があります。
昨年の写真では、津波の傷跡が生々しく感じられます。
2012門脇小学校

今回はシートで覆われた姿でした。
いずれ撤去されるのでしょう。
2013門脇小学校


女川では、昨年春に自動製氷の設備が建ちました。
漁をするのには欠かせない施設です。
でも、さびしい港でした。
2012女川

今回は多くの漁船や観光船を見ることができました。
2013女川

女川は瓦礫こそありませんでしたが、仮設住宅もまだあります。
今は道路などを3mかさ上げする工事が進められているようです。
人が戻ってくるのにはまだまだ時間がかかりそうです。
2013女川

昨年は海岸線を通る女川近くの鉄道が、不通というか姿がなかったのですが、
今回は途中まで開通して、踏み切りの「カンカンカン」という音が聞こえました。

また、海岸線は護岸工事の真っ最中のようでした。
少しずつ変わっていっています。

まずは瓦礫を撤去しないと始まりません。
まだ残ってはいますが、ずいぶん少なくなりました。
ですが、瓦礫置き場となっていた学校の校舎も姿を消しました。

昨年は景色を見ると、「胸が締め付けられるような痛み」という表現が私にはぴったりでした。
今回は「切なくなり」ました。
更地が増えたからでしょうか。


少しずつでも前進している地域もありますが、時間が止まってしまっているような地域もあります。

仙台空港から程近い、名取市閖上(ゆりあげ)です。
2013閖上

写真にある建物はどこも人は住んでいません。
遠目からはわかりにくいですが、津波が襲った様子が残っています。
航空写真によると、この地区は全て消えてしまいました。

音がないんです。人がいないから。
草生す家の土台ばかりです。

住んでいた方でしょうか、それとも親族の方でしょうか、家があった場所に花が手向けられています。
私たちも手を合わせました。自然とそうなります。
2013閖上


海岸線から離れた場所は店舗も増え、新しくなった住宅もあります。
ですが、海に近いところはまだまだです。
時間がかかります。

忘れないようにしたいものです。
そして、私たち一人ひとりが、自分自身何ができるかを問い続けることが必要なのだと思います。
すみません。今回は引用文が多いので長くなります。
当ブログで、「マスコミの情報を鵜呑みにするな」と度々述べていますが、今回ほど声を大にして言いたいことはありませんでした。

一昨日あたりから「麻生副総理がナチスの手口に学べと発言した!」と各マスコミは報道しています。
私が初めて目にした記事は時事通信です。
その記事を見つけられなかったので、それに近い内容のものを掲載します。

時事通信 7月31日 12:57
「ナチスの手口に学べば」=麻生氏、改憲めぐり発言

 麻生太郎副総理兼財務相が29日、東京都内のホテルで講演した際、憲法改正に関し「いつの間にか騒がれるようになった。マスコミが騒いで、中国も韓国も。ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と述べていたことが31日、分かった。

 憲法論議は静かな環境で進めるべきだとの認識を強調したものとみられるが、ナチス政権の手法を肯定したとも取れる発言で、波紋を呼ぶ可能性がある。 
 これに関して菅義偉官房長官は31日の会見で、麻生氏の発言への認識を問われ、「麻生副総理が答えるべきだ」と述べるにとどめた。


元は前段部分だけで、菅官房長官の発言などはありませんでした。
これを読めば、ナチスを肯定しているように取れます。

ですが、全体を通すと全く印象が変わります。
それがこちら。発言のほぼ全文です。

朝日新聞デジタル 8月1日 02:18
麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細

 麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。

ナチスの憲法改正「手口学んだら」麻生氏発言に関する記事はこちら
 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。

 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。


発言の要旨はこうなのではないでしょうか。
憲法改正は落ち着いてしっかり議論した上で決めよう。ナチス憲法を反面教師にして。


これで「ナチスを肯定している」を読み取れる人はいるのでしょうか?

いるみたいですね。
マスコミには。

記者の一存で掲載はされません。
上司であるデスクの許可が下りて掲載されます。
記事の信憑性を確かめるために、裏を取るでしょう。
このような流れを経て掲載されるのです。

今回もこのような経緯なら...。
誤報どころではありません。
組織ぐるみの捏造記事です。

朝日新聞は上記のように、当初発言全文を掲載するなど公平な姿勢だったのですが、他社が騒ぎ出したので方針転換をしました。

朝日新聞デジタル 8月1日 13:40
ナチス発言「世界に謝罪を」 米ユダヤ人人権団体副代表
 【ラスベガス=藤えりか】「ナチズムの犠牲になった世界のすべての人々に対して謝罪が必要」「誰しも失言はあるが、政権内にいる元首相としては問題」。米ユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副代表は7月31日、朝日新聞の電話インタビューで、麻生太郎副総理の発言を重ねて批判した。

麻生氏発言に関する記事はこちら
 クーパー氏は「反ユダヤを意図した発言でないことはわかる。誰しも完璧ではない」と一定の理解は示した。だが同時に、「21世紀の民主主義にナチスの手口をもたらし、憧れを呼び起こそうというのはまったく理解できなかった。ナチスがいかに民主主義のプロセスを巧みに操ってきたかについても読み誤った」と非難。そのうえで「謝罪が必要なのはユダヤ人に対してのみではない。日本人や、ナチズムの犠牲となった世界のすべての人々に対してだ」と述べた。


朝日新聞社からわざわざ連絡をしているのです。
隠せとは言いません。ですが、こうやって煽る必要がどこにあるのでしょうか?
何のために存在しているのでしょうかね?マスコミは。

参院選終了直後から、マスコミによる政権へのネガキャンが強まったと感じていたのですが、もはやなりふり構わないこの姿勢は、落胆というよりも絶望しました。
鳩山・菅両元首相の言動についての処分は、民主党の幹事会では再協議になりました。
やっぱりなぁ、という脱力感
「決められない民主党」の本領発揮ということでしょうか。

幹事会での発言です。

海江田代表
「菅元代表と鳩山由紀夫元代表の言動について参院選に影響があることを踏まえ、厳しく対処すべきであるという多くの意見をいただいた」

岡田克也氏
「菅氏は処分すべきだが、除籍は重すぎる。鳩山氏は今後も(問題)発言を繰り返しかねない。『今後、鳩山氏の発言は党とは一切関係ない』と(処分案に)付け加えてほしい

お二方とも国会議員なのに...。
まぁ、菅氏は東京選挙区2議席喪失の一因でもあるから、そうなのでしょうが...。
鳩山氏の件は、参院選とか元民主党とかのレベルを遥かに超えてますからね。
国益を著しく損なう行為ですから!
「元首相」の発言だからまずいんです!

江田五月氏
「菅氏に排除の論理を働かせるのは、政党として未熟だ。鳩山氏を処分したとなると、日中関係を損ねる

じゃあ、菅氏の言動は民主党の連帯責任ということで。
鳩山氏、こちらに至ってはなんなんだ?
国益よりも中国との関わりが大切という主張ですね。

まぁ、それを全部ひっくるめて「民主党」ということで。
早く参院選の総括をしないと埋没してしまいますよ。
そうでなくても政治も経済も動いてますから。
福島第一原子力発電所の事故当時、所長で事故対応の現場指揮を執った吉田昌郎氏が、食道がんのためにお亡くなりになったとのこと。
「死の淵を見た男」を読んで以来、復帰を待ち望んでいたのですが残念です。

吉田氏は決して特別なヒーローではないと思います。
強い責任感を持って職務に当たったサラリーマンです。
この吉田氏を慕って、死を覚悟しながらも事に当たった部下の方たちもまたサラリーマン(もちろん事故当初は女性もいました)であり、被災者でもあります。

吉田氏を中心とした彼らが、福島第一原発事故を(語弊がありますが)あのレベルで食い止めたのは事実です。

ヒーロー扱いして「私たちとは違う人間だから~」とそこで終わらせてはいけない。
「仕事に強い責任感を持って物事に当たる」ことを示してくれた人だと思います。

吉田氏が経験したことは、これからの原発運用について大きな財産になるはずでした。
志半ばで逝くことになったのは、ご本人が一番無念なのではないでしょうか。

ものすごいプロフェッショナル姿勢を、テレビや本を通して私たちに見せて下さった吉田昌郎氏
感謝とともに、ご冥福をお祈りします
予想を裏切らず鳩山元首相は、訪中してトンデモ理論を放言しています(涙)

ひとつひとつ指摘すると、当ブログ記事がドドドドドドーッと文字で溢れてしまうので、それはしません。
このネタだけでちょっとした論文並みのボリュームになりますね、きっと。

漢字三文字の威力をあらためて痛感します。
「元首相」

議員を辞めても、離党してもこの三文字は本人にずっとついてまわります。

民間人になっても「元首相」の行動や発言は、我々のような純然たる民間人に比べて、格段に注目されやすいでしょう。

なんと悔しいことよ。

民主党の海江田代表は、鳩山元首相の一連の発言を受けて、「民主党は関係ない」「もう民間人」とのスタンスですが...

鳩山さんが離党するのは6月末です。
まだ民主党員です。
どうして他人事かなぁ。

時間がただ過ぎていくのを待つのではなく、除籍処分にしたら少しは民主党を見直す



かもしれない。




多分ないけど。
川崎重工業と三井造船の統合が白紙になったニュースは、昨日どの新聞も一面トップで報じられていました。

川重の取締役には興味深いものがありました。
取締役が13人いて、そのうち10人が代表権をもつとのこと。
率直な感想は「多いなぁ」です。
それだけいれば、単純に考えると、スピード感を持った意思決定は難しいのではないでしょうか。

アンゾフの「戦略は組織に従う」を思い出しました。

本来なら、「組織は戦略に従う」(チャンドラー)なのでしょうが、今回の件は、トップマネジメントレベルの社内調整がいろいろ難しかったのだろうなと思ってしまいました。

<三浦雄一郎さん>エベレスト登頂成功…史上最高齢80歳で
毎日新聞 5月23日(木)12時28分配信

三浦雄一郎さん=芳賀竜也撮影

 冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さん(80)が23日午前9時(日本時間同午後0時15分)、史上最高齢となる80歳での世界最高峰エベレスト(中国名チョモランマ、標高8848メートル)への登頂に成功した。

三浦さんの東京事務所(東京都渋谷区)に連絡が入った。三浦さんは衛星電話を通じて「世界最高の気分。人生でこれ以上ない気分。80歳でもまだまだいける」と喜びを語った。

 これまでの最高齢登頂記録は、2008年5月25日に成功したネパール人男性の76歳。三浦さんは03年に70歳で、08年5月26日には75歳で登頂に成功しており、今回が3回目の登頂。三浦さんのアタック隊は日本時間の23日早朝、標高8500メートル付近の最終キャンプを出発、最終アタックを開始していた。

 08年の登頂に成功した直後から三浦さんは80歳での登頂を模索。76歳だった09年に札幌市内のスキー場で事故に遭い、大腿(だいたい)骨の付け根や骨盤を骨折したが、リハビリに努めて克服した。昨年10月に今回の登頂計画を表明してからは、持病の不整脈を抑えるために同11月と今年1月の2度にわたり、心臓手術を実施して臨んだ。

 三浦さんは1932年、青森市生まれ。66年に富士山をスキーで直滑降。70年にはエベレストの8000メートル地点から滑降するなど85年までに世界七大陸最高峰のスキー滑降に成功している。【岸本悠】



いや~、すごいなぁ三浦さん!
と思いながら読んでいて

「?、中国名チョモランマ?」

単語の響きがどうも中国語っぽくなかったので、調べてみると

エベレスト(英)、チョモランマ(チベット語)

中国語もありましたよ、3番目に。
「チョモランマ」の音を当てた漢字表記です。

エベレストがあるのは、ネパールと中国チベット自治区
(ネパール語はインド系とチベット系のようですね、細かいことですが)
中国を真っ先に持ってくるのは、さすがに無理があるのでは...。

でもそこは毎日新聞ですから、さもありなんです。
「ここでねじ込んでくるか~」と逆に感心してしまいました。

三浦さんの偉業ですらも私の頭の中から吹っ飛ばすほどの威力です。

本当にテレビや新聞は、自分たちの都合のいいように報道しますねぇ。

新聞、特に地方紙だけ読んでいては危ないです。

地方紙は、どうしても地元発のニュース以外(政治・経済・国際・社会面)の取材力が弱くなります。
なので、必然的に通信社の配信記事に頼らざるを得ません。

記事だけならまだしも、社説も配信されています。
社説ですよ、社説!
新聞社の顔とも言える社説まで外から持ってこれるのです。
過去、同日に3つの地方紙がタイトルだけ変えて文面が同じ社説があったということがありました。

マスコミは中立でも公平でもありません。
明らかに自分らの都合の言いように世論を誘導しようとします。
(実際それができる立場であるから、なお怖い)

自分の頭で考えてこその新聞やテレビでしょう。
その内容に納得するもしないも、自分次第です。
ただ読み流す、見ているだけでは、無意識のうちに頭の中を操作されてしまうことになりかねませんね。
【5/23 追記しました】

新聞による世論調査 - 本日付の朝日新聞に載っていました。
今回は憲法に関すること。

見出しでは云々書いてありますが、興味深いのは各質問内容と回答の選択肢です。
今回、私が「?」と思ったのは2つ。

「1945年に終わった日本の戦争について、あなたの考えに近いのは次のうちどれですか。」
・ アジアに侵略したから、よくなかった
・ 日本が被害を受けたから、よくなかった
・ 当時の国際情勢を考えると、やむを得なかった

選択肢が、「悪い・悪い・どちらでもない」って、極端だなぁ。

「憲法はもともと、どのようなものだと思いますか。」
・ 国家の行動を制約するもの
・ 国民の行動を制約するもの
・ 1と2の両方の面がある

憲法は制約である、という前提での質問が面白いです。
そもそも憲法は、その国の有りようが描かれるものなのですが…。

【追記】19世紀頃の憲法論は、制約の側面から論じられていたそうです。なので、この問いは間違いではありません。私の勉強不足でした。失礼しました。
最近では、「国の有り体を表しているのが憲法である」という説が主流だそうです。

また、調査結果のうち、憲法9条と日米軍事協力強化の関係について、男女別・年代別にプロットされた図も載っていました。
女性は見事に全世代「9条を変えない・日米軍事協力強化は東アジアの平和と安定にマイナス」に入っていました。
男性は4象限の中心部に分布されています。

分布が偏っているのです。

調査は全国で実施されたとのこと。

マスコミの記者の友人が以前言っていたことを思い出しました。

「世論調査は中立じゃないよ。欲しい結果があるんだ。」

みなさんもどうぞ世論調査が掲載された時は、質問と回答に目を通してみてください。
各新聞社のスタンスがあらためて透けて見えて面白いですよ。


昨日のブログに、「事実ではないのなら、毅然とした態度で釈明を」と書きました。
その時は「本当にそんなこと言ったの?」と懐疑的でしたが、どうやら発言はあったようですね。

ただ、インタビュー自体は終了し、席を立つときの雑談部分が当該記事のようです。

日本ではオフレコはありますが、アメリカにはそのような概念は報道にはないと以前聞いたことがあります。
まして、ニューヨークタイムズは、日本に対して辛辣なことをよく書いていますからね。
(今回もロビー活動の成果でしょうか、記者の署名を見て「なるほどね」と感じました)

今回のインタビューは都から申し込んだそうです。
あえて「敵陣」の中に突っ込むのであれば、記者と別れるまで気を抜かないでほしかった!!

あとはダメージを最小限に抑えることに尽力していただきたいです。

それにしても残念なのは、知事が「日本は」を主語にしなかったこと。
「日本は」、「私たちは」であれば、今回のような文章にはならなかったと思います。


例えば
「こんなミスするなんて、だめじゃないか!」
これは「あなた」が主語。
もちろん、仕事上でミスは歓迎されるものではありません。
指摘されて当然です。
ですが、言われた方は「自分が否定された」と捉えかねません。
正しい指摘に対しても、素直に聞けなくなってしまいます。

「こんなミスするなんて、私は驚いたよ」
これは「私」が主語。
ニュアンスが全く違います。

この例で言えば、発言者が相手に対して望むことは「ミスをしない」ということのはずです。
叱責するのもその手段のひとつ。
「どのような経緯だったんだ?」と説明を求めるのも手段のひとつ。
「どうすれば今後このようなミスがなくなる?」と解決策を考えさせるのも手段のひとつ。

これが正解、というものはありません。
状況に応じて違ってくるでしょう。

ただし、「こんなミスするなんて、だめじゃないか!」からは叱責だけです。
ほかの手段には至りません。

このように相手を主語にしてしまうと、自分が関与できることがほとんどなくなってしまいます。

これはしんどい。

猪瀬都知事もこれ以上ネガキャンに使われないように、言い回しに気をつけてくださ~い!!

猪瀬都知事、他候補を批判=20年五輪招致への影響も―米紙
時事通信 4月29日(月)21時4分配信

 【ニューヨーク時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は26日付で、2020年夏季五輪招致を目指す東京の猪瀬直樹都知事が他の立候補都市を批判する趣旨の発言をしたと報じた。国際オリンピック委員会(IOC)は招致活動において、他の候補都市のイメージを損なう行為や発言を禁じており、知事の発言が五輪招致に影響を及ぼす可能性もある。
 同紙によると、猪瀬知事は「選手にとってどの都市で開催するのが最高か?  社会基盤や洗練された施設が整備されていない他の二つの国と(東京を)比べてください」と話した。また、「イスラム諸国が共有しているのはアラーの神だけで、彼らは互いに争っている。彼らの国には階級がある」とし、イスラム圏初の五輪開催を目指すイスタンブール(トルコ)を意識した発言をした。
 IOCは「翻訳(された記事)であるため知事の発言の真意は定かではないが、全ての立候補都市は招致活動における規則を思い出してほしい」との声明を出した。 


この報道を受け、知事はこのようなコメントを出しました。

猪瀬都知事「真意伝わらず」=他候補批判報道でコメント
時事通信 4月29日(月)22時59分配信

 2020年夏季五輪招致に関連し、猪瀬直樹東京都知事が他の立候補都市を批判したと米紙ニューヨーク・タイムズが報じた問題で同知事は29日、「記事の焦点が、あたかも東京が他都市を批判したとされているが、私の真意が正しく伝わっていない」とのコメントを発表した。
 国際オリンピック委員会(IOC)は招致活動に関する行動規範で「候補都市は他の都市の名誉を汚す言動は控えなければならない。他都市との比較は固く禁じる」と規定。猪瀬知事はこれを「十分理解しており、順守してきている」とした上で、「イスタンブールは個人的にも好きな都市。他の立候補都市を批判する意図は全くなく、このようなインタビューの文脈と異なる記事が出たことは非常に残念だ」との見解を示した。 

オリンピック評価委員が先月東京を訪れた後、知事は出演したTVの報道番組で、司会から「他候補の弱点は?」というような質問を受けた際、「そういう他都市の悪口のようなことは言ってはいけないことになっているので、お答えできません。」ときっぱり言っていました。

なので、今回の発言が不思議で仕方ありません。
あれだけ招致に関する発言に気をつけていた方が、こんなペラペラと口にするものなのでしょうか?

私は、猪瀬東京都知事のことを支持しているわけではありません。
ですが...この一連は真実がよくわかりません。

事実でないのなら、毅然とした態度で釈明をしてほしいですね。