LMU アーリーアクセスガイド のガイド | rFactor2にゅーす

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2024年2月24日、Studio397は先日リリースしたLe Mans Ultimateの"アーリーアクセスガイド"をリリースしました。このガイドではアーリーアクセスの目的と内容、そして将来的なアップデート目標について結構細かく記されています。

 

本稿ではこのガイドに関する解説をまとめました。LMUについて興味を持たれている方、購入を検討されている方のご参考になれば幸いです。

 

HIGHLIGHT

  • アーリーアクセスの期限は未定となっています
  • 今後3ヶ月はバグ修正、その後もゲームの安定化が主眼に置かれた改善となります
  • VRは年内中に対応予定とされています
  • 「自分のスティントを好きな時に走れる機能」はAIチームと対戦するCo-opモードとして導入されます
  • オフライン用チャンピオンシップモード、カスタムリバリー、スローゾーンなどの導入が検討されています
  • オフィシャルレースでは機能拡充が図られます
  • コンテンツ(車両・サーキット)はアーリーアクセス期間中に追加される予定です
  • アーリーアクセスは時間経過とともに価格が上昇します
 

アーリーアクセスについて

LMUがアーリーアクセスとして販売された一番の理由、このガイドでは時間と人手不足とされています。

 

御存知の方も多いかもしれませんが、S397はISIから派生した総勢30名前後の小さい会社です。MSGに買収された後は人の入れ替わりこそありましたがその規模に変化はなく、ここ数年はrFactor2の開発を進めつつ、BTCCやINDY用のコンテンツも作り、さらにLMUを開発してきたことになります。

 

そして、NASCAR Ignitionの大失敗によって大きな損害を背負ったMSGは、BTCCとINDYタイトルの契約が打ち切られる(※)ともはや開発人員を増やす余裕もなく、LMUは本当にS397のみで開発されたゲームとなったのです。そりゃ人も時間も足りませんわ。

 

※BTCCはMSG内部チームに、INDYはカートクラフトチームに制作が委ねられ、双方ともに開発の失敗により消滅を迎えた

 

また、アーリーアクセスのもう一つの側面としてはユーザーフィードバックを挙げており、バグ報告自体もその一つですが、ゲームシステムへの不満点やアイデアの拾得にもこの販売方法が適していると判断したようです。今後はバグの修正やゲームの安定性に力を注ぎつつ、イベントなどを通じてフィードバックを注視していくとしています。

 

今回のアーリーアクセスには、期限は設定されていません。現状では発売されて間もないゲームですので時期尚早でもありますが、S397としてはどうやら現在の機能以外にもLMUに実装する機能を試したいようで、それらの構築がアーリーアクセスの最終目標となっています。

 

アーリーアクセスとはいえ初日から全てのコンテンツが利用できるようになったこと、そしてrF2でもおなじみとなったオフィシャルレースが遊べたのはタイトルの初動を大きく支えたことでしょう。ガイド中には触れられていませんが、販売面は上々の滑り出しだったようです。

 

アーリーアクセスの今後について

短・中期的な改善予定

"アーリーアクセス"という状態はあくまでゲームの開発期間とみなされ、このガイドでも最初の3ヶ月間においてはバグ取りやKnown Issuesの改善に取り組むとされています。つまりはバグが多発するのも致し方ないこと。このことは念頭に置く必要があることでしょう。

 

お金を出してゲームを購入した方としては腑に落ちないところもあるかもしれませんが、LMUなど比べ物にならないぐらいにバグらだけだったrFactor2の発売当初にライフタイムライセンスを8,000円以上出して購入し、約1年後にはライセンスのことなど全部吹っ飛んで半額以下にまで下がった筆者のことを思えば大したことはありません(#^ω^)

 

 

また、中期的な目標としては、ゲームの安定性向上、修正、ブラッシュアップが掲げられていることから、完成までにはかなりの時間を要することが予想されます。

 

VR機能

VRへの対応が間に合わなかったことは、アーリーアクセスへの期待を少し減少させてしまいました。ガイドによればVRへの適応は優先順位としてかなり上の方にあるようで、開発チームのコメントによれば2024年後半頃の実装が予定されているようです。

 

LMU独自のCo-opモード機能

 

発売前にはLMUの目玉機能として紹介されていた「自分のスティントを好きな時に走れる機能」について、このガイドではAIチームとの対戦で使用できるCo-opモードであると記され、"オンラインとオフラインの中間となる素晴らしいレースウィークエンドを提供する"と説明されています。

 

この機能についてはまだ詳しくは語られていませんが、3人で組んだチームで自分のスティントを数日に渡って走行。スティントは非同期形式となり自分の好きなタイミングでレースに参加することができる機能とされています。

 

6時間や12時間、24時間のレースを実際にやってみると、チームメイトの時間都合を合わせるだけでも一苦労です。AI対戦とはいえ、この機能が気楽な耐久レースを演出してくれることを期待したいところです。

 

オフラインチャンピオンシップモード

シングルモード用のチャンピオンシップモードについても短いながらも言及があり、これは今年後半以降に提供を予定しているとされています。rF2では多数の要望がありながら実現に至らなかったチャンピオンシップ、オフラインユーザーには期待の機能となりそうです。

 

RaceControl / オフィシャルレースについて

 

"RaceControl"と呼ばれる機能について、今後はAWSのレンタル"Hosted Server"の実装が予定されています。このサーバー機能は既にrF2では使用可能となっており、これによりユーザーは非常に難しいルーターのポート開放やPCのファイアウォール設定、サーバーPCの用意やソフトの準備をする必要がなくなります。レースシムに詳しい方向けに言えば、iRacing方式でレンタルサーバーが建てられるようになります。

 

ただ、LMUはあくまで耐久レースシムとなるため、この機能にはチーム登録やドライバー交代、レースストラテジ機能が必要になることは言うまでもなく、何よりもrF2でも度々発生するオンラインサーバーの堅牢性に関する問題を解決する必要があることでしょう。

 

長時間の耐久レース機能に対しては期限を設けない開発姿勢を明言しており、アーリーアクセス期間中には多くのテストイベントが実施されるようです。

 

この中ではカーシェアリング機能、観戦機能、チーム機能など、耐久レースには欠かせない様々な機能のテストが行われるようで、また、rF2で培ってきたネットコードに関しても一から作り直したとのことで、安定化にはまだまだ時間がかかることでしょう。

 

カスタムリバリー

車体のオリジナルカラーリングについても簡単に言及があり、開発陣もユーザーの要望が高いことを認識しているようです。rF2では難しいながらも高いカスタム性を誇るオリジナルカラーリングシステムが稼働しており、今後の展開に期待が高まります。

 

レースレギュレーション

rF2では殆ど使用できないセーフティカー、FCY、もしくはスローゾーンなどは、WECの耐久レースでは欠かせないものとなります。これらの機能についても今後は開発が進められるとのことですが、どうやらこの辺りはかなり時間がかかりそうな様相です。

 

追加コンテンツ

 

現在のLMUに登場するコンテンツは、2023年のWECに登場した車両とサーキットとなっています。これらのコンテンツは今後追加が予定されているとのことで、事前にアーリーアクセスを購入しておくことでDLCが無料でゲームに組み込まれるようです。

 

アーリーアクセスの価格は時間の経過とコンテンツの追加に併せ、徐々に上昇するとされています。お得に買うなら今のうちかもしれませんね。