ライブタイミングについて -LiveRacersの終焉とr2laの使用方法- | rFactor2にゅーす

rFactor2にゅーす

本格レースシムソフト、rFactor2のサーバーを運営する谷間鯖です。
こちらの記事では、rFactor2の最新情報、シリーズ戦のレース結果、Le Mans Ultimate情報などを更新します。

LiveRacersがサービスを終了

8月28日、オンラインレース用ライブタイミング(以下LT)の先駆者として、長年に渡って多くのレースシムに対応されてきたLiveRacersのウェブサイトが閉鎖されました。この閉鎖は1ヶ月ほど前から予告されていたものであり、連絡メールの文面によれば売上の減少による撤退となったようです。

 

LiveRacersさんは2011年頃からサービスを開始されていた、老舗中の老舗ライブタイミングサイトでした。基本的にいつでもライブタイミングやリザルト、ドライバースタッツを見られるなど、他のサイトの追従を許さない利便性を提供してくれました。

 

ここ数年、コロナ禍で一気に成長したレースシム需要ではありましたが、LiveRacersさんの閉鎖は果たしてその反動の一端でしょうか。昨今の業界シュリンクを見るにあたり、レースシム業界の”コロナバブル”はやや崩壊しかけているようにも見受けられます。

 

それはともかく、LiveRacersさんは谷間鯖では割と初期、全サービスが無償の頃から使わせて貰っており、様々な場面で大変お世話になっておりました。こんなところでお礼を書いたところで伝わるわけもありませんが、本当にありがとうございました。

 

さて、ライブタイミングについては長年LRさんに依存してきた谷間鯖。今後は別のサービスに切り替える必要に迫られました。が、残念ながら私の知る限り、国内にはそのようなサイトは今のところ存在せず、幾つか見つけた海外の所は有料(1万円/年程度)が前提となっており、お昼はカップ麺とおにぎりが相場の谷間鯖には厳しいものとなっております。

 

まぁ、元々あれ程のサービスが一部とはいえ無償で使えていたことが特別ではあったのですが、今後はこれまでのように誰でもいつでも閲覧できるLTサイトは存在しなくなった、と言っても過言ではないことでしょう。

 

そこで、谷間鯖では以前よりシリーズ戦のリザルトやポイント集計に使用している

 

rFactor2 Log Analyzer(r2la)

 

を利用したライブタイミングを構築し、谷間鯖が稼働している際にはLTやリザルトを確認できるようにしてみました。

 

r2laはNiboさんという方が制作されており、以前はリザルトやポイント集計のみの機能だったものが、いつの間にやらレコードタイム表示、コンペティション機能、そしてLT機能まで兼ね備えた、まさに総合的なログアナライザとなっております。


r2laは自前のサーバーを常に動作させていないといけないので、レンタルサーバーなどで常に動作させておけばいつでも閲覧できるようになると思いますが、自宅鯖で運営している谷間鯖では一週間の半分ほどが閲覧できる感じになると思います。また、リザルトファイルが膨大になる場合、リザルトやレコードを閲覧する際には若干の待機時間が必要になります。

 

※作者さんに関する情報

Niboさんはウクライナ在住とのこと。今のところ戦火が逼迫した地域ではないと聞いておりますが、いつ何時、アップデートが停止するとも限らないと仰っています。一刻も早く戦争が終結し平和が訪れることを祈りつつ、もしフォーラムなどでアップデートのお願いや質問をされる際には、そのような環境に居られることを念頭に置いておいてください。

 


r2laの使用方法

ここからは、r2laの設定と簡単な使用方法を書いてみようと思います。「LTを構築し…」などと書くと大層なことをしているように見えますが、実はやっていることはとても簡単。初期設定には少しだけ手間取ることもあるかもしれませんが、ネット環境によりどうにもならない場合を除けば、他鯖さんでも同じことが出来るようになると思います。

 

準備

r2laはフォーラムのリンクからダウンロードが必要です。こちらのリンクからフォーラムにアクセスし、最新版のzipファイルをダウンロードしてください。この記事を書いている時点の最新版は"ver. 2.1.019"となります。

 

r2laはインストールの必要はありません。unzipしたフォルダを使いやすい場所(ドキュメントなど)に保存しておいてください。

 

WEB2PYの起動と設定

"r2la_live_timing.bat"を起動してください。

 

batを起動すると、コマンドプロンプトが2つとWEB2PYというソフトが起動します。鍛えられた変態PCに詳しい方以外にはちょっと大変そうな画面に見えますが、コマンドプロントは自動で動いているだけなので、邪魔なら最小化しておいてください。

 

起動した"WEB2PY"とは、データベースを使用するタイプのなんとかをアジャイルでなんとかするオープンソースのなんとかだそうです。残念ながらyashimaはよく分かってないので詳しいことはご自分で調べていただくとして、とにかく、ここでするのはサーバーipの選択とパスワードの設定のみとなります。

 

"Server IP"の設定では、サーバー環境内やLANで接続する場合には、Localで使用されて大丈夫かと思います。

 

Publicは谷間鯖のように外部から見えるようにするための設定ですが、お使いのグローバルIPが表示されているものと一致する場合は、(たぶん)そちらを使用することができます。

 

なお、谷間鯖はケーブルテレビ回線を使用している影響か、グローバルIPとPublic IPが一致しません。そのような場合は「Server IP:Public(0.0.0.0)」に設定します。

 

パスワードは管理者ログインに使用します。もし外部からログインできるとリザルトやポイント集計を変更することが出来るため、ある程度はしっかりしたものを設定してください。

 

ここまでの設定が終わったら"start server"をクリックすると、ウェブブラウザが起動します(ie非対応)。

 

r2laの初期設定と起動

最初の起動時には、r2laの初期設定が必要となります。起動時にはファイアウォールの許可も求められますので、許可しましょう。

 

こちらがr2laのセットアップ画面となります。全てを入力する必要はないので、ここでは谷間鯖で使用している設定欄のみご説明。説明の無い欄はデフォルトで使用しています。

 

rFactor2のパス

一番上の空欄にはrFactor2がインストールされているパスを入力します。exampleにもあるように、rFactor2のルートフォルダまでのパスを入力してください。

 

DEDI mode

DEDIモードにチェックを入れておきます。

 

Admin name or nickname / Admin password
管理画面にログインする際の管理者名とパスワードです。

 

Auto refresh / Auto refresh rate, minutes

リザルト及びレコードの自動更新設定です。これを設定するとリザルトの読込みを自動で行いますが、設定した時間以内のタイムは更新されません。設定しない場合、管理者が読込みを手動で行う必要があります。

 

設定が完了したら一番下の[Start r2la]をクリックし、サーバーに保存されているリザルト読込みが完了したらr2laが起動します。なお、谷間鯖は5年分以上のリザルトが保存されているので読込みがめっちゃ遅いことがあります(言い訳)。

 

オプション設定

起動するとこのようなリザルト画面が表示されます。また、別のタブ(Recordsなど)を選択すると、コースレコードやライブタイミングなどが表示できます。まずは色々触ってみてください、特にリザルトの細かい表示は相当のものです。

 

さて、大量のリザルトを保有する谷間鯖では、できるだけ一度の読込み量を減らしたいところ。また、このままでは、実は外部からの表示がイマイチですので、色々と設定を変えていきます。ページ右上にある"Login"ボタンをクリックし、先程入力した管理者名とパスワードを入力し、新たに表示されるOptionsタブを開いてください。

 

Optionsでは、先程入力した初期設定の修正やさらに詳細な設定を行うことが可能です。ここでは谷間鯖が使用する設定を中心にご説明します。

 

Remove logs without lap times on refresh

リザルト更新時、ラップタイムが記録されていないログを排除します。ログインチェックなどのリザルトは表示されなくなります。

 

Remove logs without drivers on refresh

リザルト更新時、ドライバーがいないログを排除します。何かしらの理由によりドライバー名がないリザルトは表示されなくなります。

 

*Show fuel/tire data in Practice / Qualy /Race reports:

燃料量、タイヤデータを表示します。デフォルトでOnになっていますが、必要に応じてOffにできます。谷間鯖ではOnにしています。


*Allow Results Viewer Filter for users:
ユーザーによるリザルトフィルタを許可します。デフォルトではOffになっていますが、谷間鯖ではOnにしています。

 

*Results Viewer pagination / Results Viewer logs per page

リザルトビューワのページネーション(丁付け)を有効にします。これにより少しは表示が軽量化、されると思います。logs per pageは1ページごとのリザルト表示数です。

 

Show records only after date / Show records only after date

コースレコードの表示開始日を有効にできます。これによりレコード表示が軽量化、されたらいいなと思います。

 

全ての設定が終わったら、[Submit]をクリックして変更内容を確定します。リザルトの再読込みが始まるため、やはり時間がかかります。

 

外部からの閲覧URLとポート開放設定

ここまでの設定が終わったら、いよいよ外部からライブタイミングが見られるかどうかを確認してみましょう。

 

外部からのライブタイミングURLは

http://グローバルIP:8000/live

となります。

 

スマホなどで試してみましょう。すぐに見られた方はおめでとうございます。これにて設定が完了です。あとは使いながら操作に慣れていってください。

 

もし、見られないようでいたら、ご安心ください。多分それが正常です。

 

r2laは外部への情報提供はもちろんですが、クラス別フィルタなどの操作も受け付ける高機能となっており、サーバーとユーザー、相互の通信が必要となっています。よって、このライブタイミングを外部から正常に見られるようにするためには、ポート開放が必要になるのです。

 

まぁ、このページをご覧頂いている方はすでにrFactor2の鯖管である可能性が高いため、細かい説明は必要ないことでしょう。もしその辺りの設定をお忘れの場合は、【備忘録】rF2鯖の立て方~準備編~を参考にしていたければと思います。私も読み直しました。

 

なお谷間鯖では8000番のポートをTCPで開放したらうまくいきました。さて、もう一度スマホなどで外部アクセスしてみましょう。上手くいくといいですね。

 

tips

tipsと言えるほど凄いことを書けるわけでもりませんが、これまで数年間使ってみた経験則を記しておきます。たまに増えたり減ったりするかもしれません。
  • エラーが多く表示されたり読込みが極端に遅い場合は、64bit版を試してみてください。フォーラムにある"rF2 Log Analyzer ver. 2.1.019-x64"をダウンロード、設定方法は変わりません。
  • リザルトビューワの表示を早くしたい場合は、古いリザルトを削除するという方法もあります。ただし、この方法はレコードタイムや以前のチャンピオンシップに使っている記録も消してしまうため、その点はご注意ください。
  • テストなどでLANでアクセスすると、ルーターの管理画面に到達することがあり不安になるかもしれません。しかし、通常は外部からのルーターへのアクセスはできません。ご安心ください。また、グローバルIPを直接表示しないように、No-IPなどのドメインサービスを利用されるのも良いでしょう。
  • 個別のリザルトにのみエラーが表示される場合は、大抵の場合はそのリザルトファイルが正しく保存されていません。
  • ライブタイミングを上手く動作させるためには、r2la_live_timing.batを先に起動し、あとからrF2セッション(鯖)をスタートしてください。
  • 長時間に渡って"Internal error"となる場合は、WEB2PYごと再起動した方が早いと思われます。
  • バージョンアップ時は、以前の設定やチャンピオンシップファイル(.JSON)を読み込むことも可能らしいです。が、結局は初期設定からやり直しになります。よほど凄いアップデートでもない限りは、そのままのバージョンを使われると良いでしょう。
  • バナー、背景画像などは、カスタマイズが可能です。お好みの画像を使ってみましょう。