今回の記事は「Player.JSONファイルの勘どころ」と題しまして、rFactor2ユーザーの方に是非やっていただきたい設定や調整などをお伝えしたいと思います。
rFactor2を始めてしばらくすると、「JSONファイル」や「iniファイル」という単語を見聞きする機会があると思います。これらはゲームの設定ファイルを指すのですが、rF2の場合は他シムに比べて各自で調整できる箇所が多すぎてUIに入りきらず、ファイルを直接改変する回数が極端に多くなる傾向にあります。
今回ご紹介する「Player.JSON」は、ゲームの全体に一番多く関わる設定ファイルとなり、この記事を読んでもらえれば、きっとこれまで困っていた部分の解決に繋がる…かもしれません。
例えば、レース中にボタン一つで"Sorry"が打てるクイックチャットなどは、まさにこのファイルを書き換える必要があります。また、あまりオンラインレースには出ない方でも、バグ対策などは知っておいた方が良いことも多く、きっとお役に立つことでしょう。
なお、あまり聞き慣れない単語やツールも登場しますし、記述を間違えるとゲーム自体が動かなくなることもあります。記述を変更する際は必ずファイルのコピーを取っておき、いつでも元に戻せるようにしておいてください。
準備するもの
-
テキストエディタ:Notepad++など
-
ちょっとしたJSON形式の知識
Player.JSONの書換はウィンドウズ標準のテキストエディタでも可能ですが、行数表示がなかったりUndoが1回分しか無かったりと、色々と不便な部分も多くなります。
私は上にリンクを貼ったNotepad++を使用していますので、今回の記事にはその画像を用います。その他、テキストエディタには様々なものがありますので、どうぞ自分の好みに合うものを選んでください。
JSONはJavaScriptの記述形式らしいのですが、筆者も詳しいことはあまり知りませんので、ググりながらこの記事を書いています。
ただ、JSONの書換えで注意したいのは末尾の","の扱いです。これは消さないでください。そして足さないでください。途中の","が無いとエラーが出ます。また、ひと括りの末尾の","が無いのも仕様なので、書いちゃうとエラーが出ることがあるので要注意です。
なお、JSON書換えの際は、必ずrF2を起動していない状態で行ってください。起動状態で行うと、せっかく書換えた部分が元の記述に上書きされてしまいます。
クイックチャット
rF2のマルチ(オンラインレース)に行くと、レース中にも関わらず"Thank you"とか"Sorry"とかのチャットをよく目にすると思います。これはクイックチャットと呼ばれるもので、レース中でもボタン一つで予め決めておいた短いチャットを打てる機能となります。
クイックチャットの設定はPlayer.JSONの最上段で行うことができます。実例をあげると、画像の一番上は
"Quick Chat #1":"mayo-",
となっていますが、これはゲーム内キーアサインの
Quick Chat #1 を設定しておけば、"mayo-"のチャットが走行中に打てるようになるのです。
どの番号に何のテキストを割当てたのかは、自分で覚えておく(もしくはスクショを撮っておく)必要があるのでちょっと大変ですが、一度設定しておけばそうそう変える必要もない部分です。面倒ですが最初のうちにやっておいたほうが良いでしょう。
なお、クイックチャットはシングルモードで使用(確認)できないので、だいたい月曜~木曜日にオープンしている谷間鯖の練習サーバーで気軽に試してみてください。また、"#10~12"はゲーム内の別機能に使用されており、ここを書換えると機能が使えなくなるので書換えないようにご注意ください。
※UI内での書換え導入については、S397フォーラムにて提案中です。採用されることを願いたいものです。
AIとプレーヤーの切替時間
谷間鯖などではコース復帰ができない場合などの緊急時に、AIに運転を任せることを許可することがあります。しかし、そのままではAIからコントロールを取り戻すのに3秒もかかってしまい、その間に他車に迷惑を掛けてしまうことも多々あります。
このAIとプレーヤーの切替時間は、29行目付近にある
"Driver Hotswap Delay":3,
の数字を書き換えることで変更が可能となります。私の設定はだいたい0にしてしまいますが、0.5ぐらいのほうが違和感が少ないかもしれません。お好みで調整してください。
ダンパ表記
ダンパは通常1,2,~15などの段階表記になっています。これは実車のダンパーでも同じような表記になることが多いのですが、これではダンパがどれぐらいの力を持っているかが不透明です。
"Damper Units":true,
67行目付近にあるこの記述は通常"false"となっていますが、"true"に書き換えるとダンパは実数となり、例えば"1000N/m/s"等のように表示されます。どちらが良いという話でもないので、お好みの方に設定してください。
別ウィンドウ操作時のゲーム動作(シングルモードのみ)
rF2のレース中に別ウィンドウを動作させる際、レースを自動的にポーズさせるかどうかの記述となります。
"Pause If Focus Lost":true,
250行目付近のこの記述は通常"true"となっており、別ウィンドウを表示させるとゲームは自動的に一時停止しますが、これを"false"に書き換えることにより、レースはそのまま動作することになります。
車体の後ろ(横)に青くて丸い球体が表示される場合
こちらはどちらかというとバグ対策。もし、車体の後ろや横の排気管近くに青い球体のようなものが表示される場合、これはHeat haze(陽炎)の表示バグとなります。407行目付近にある
"Heat FX Fade Speed":30,
の数値を"0"に書き換えることで、このバグは無くなります(陽炎表現が消えます)。
フレームレート上限設定
rF2のグラフィック設定には垂直同期を一定に保つ"Refresh rate"設定があり、通常はこちらを設定することでリフレッシュレートが安定します。しかし、それとは別にフレームレートの最大値を制限するのがこの記述となります。
"Max Framerate":0,
433行目付近にあるこの記述の数値をお好みの数値に書き換えると、rF2のフレームレートはそれ以上の数値に上がらなくなり、グラフィックボードに余裕ができます。
ただし、この設定はrF1時代からある設定で、rF2では動作不具合に繋がったこともあるため、S397からはあまり使用を推奨されていません。
また、同様の設定はグラボのコントロールパネルなどにもあるため、こちらで設定したほうが確実に動作することでしょう。
ヘッドライト表示数
rF2ではヘッドライトの表示数を減らすことで、夜間のグラフィックが軽くなることがあります。435行目付近にある
"Max Headlights":256,
の数値を減らせば他車のヘッドライト数が減りますので、ヘッドライトの照射数を自分の前後数台に限ることも可能です。
ただし、これはrF1時代からある記述で、たしかに当時はヘッドライトの数を減らすことは描画負荷を減らすことに有効だったのですが、現在は描写方法が全く異なるため、あまり効果的ではないかもしれません。どうしても重い場合には、こちらもお試しください。
スクリーンショット
501行目付近にある
"Screenshot Format":0,
では、SSのファイル形式を変更できます。軽めで良ければjpg(デフォルト)がおすすめです。お好みの形式に変更してみましょう。なお、スクショは通常"F12"で撮影できます。
エンジン音が途切れる場合
こちらは現在は解消されているバグなのですが、割と最近のことなので一応ご紹介しておきます。
以前、rF2ではエンジン音が途切れるというバグが発生していました。その際、サウンド設定の変更(サウンドエフェクト数を32以上にする)を実施したあと、753行目付近にある
"Buffer Count":25,
の数値を少しだけ変更する(例えば26など)という対策方法がありました。
この対策を行うとエンジン音は正常に戻ります。そして、この数値は元に戻すことも可能です。
現在、このバグは発生しないように修正が行われていますが、もし同様の現象にお悩みの方はこの方法を試してみてもいいかもしれません。
以上、割と簡単な箇所を中心にPlayer.JSON記述の勘どころをご紹介してみました。
実を言うと本当はここに掲載するかを迷う設定もも多々あるのですが、効果が微妙であったり別の部分に支障が出るものがあるため、説明が面倒な部分は色々と端折っています。
きっとそのうち、全部を解説した記事をサイトに掲載することもあるかもしれませんが、残りの部分は谷間鯖配信中にご紹介したり、他の親切なユーザーさんからも教えていただけると思います。ぼちぼちと様子を見ながら、自分好みの設定を見つけていってください。
それでは、またレースでお会いしましょう。