【移転記事】SSR設定について | rFactor2にゅーす

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 先日リリースされたBuild1125より、雨天時の路面反射(Road Reflection)設定に、SSR (Screen Space Reflection)というエフェクトが追加されました。

 

 rFactor2にこのSSRが追加されたことにより、これまではイマイチだった雨量表現が改善され、コース外の環境反射、走行車両反射(ヘッド/テールライトを含む)が可能となりました。また、SSRは簡易的な描写エフェクトでもあるためPCへの負荷が少なくなっており、各自の性能に応じた最適化も図りやすくなっています。

 そこで本稿では、設定変更による描画の変化と負荷の変化をまとめてみようと思います。少し長い記事になりますが、よろしければ参考にしてみてください。

 

テスト時の設定

 テスト時のDisplay設定はこちらとなり、SSR以外は全部MAX設定としています。なお、鯖管PCのスペック詳細はリンク先にありますが、今となってはかなり古いグラボで3画面を構成していますので、このテストには最初からかなりの無理があります。

 

 その他、テスト時の設定は下記のとおりになります。

  • ポストエフェクト:Low

  • V-sync:なし

  • 解像度:5840x1080(ベゼル補正含)

  • 使用コース:Loch Drummond Short

  • 使用車両:BMW M4 Class1

  • 走行車両数:1台、AI走行にて撮影&計測

  • 天候条件:Storm(雨量100%)

  • 路面条件:90%以上

  • FPS計測位置:ホームストレートコントロールライン手前付近

 

 

テスト結果

[SSR] Ultra

  [SSR]Ultraでは、このストレートでのFPSは30程度となり、最大も60に届かない程度になりました。これは事前に予測していたことではありますが、やはり現在の鯖管PCでは全く性能が足りていないようです。ただし、コクピット視点からの反射はとても明確で分かりやすく、右のTVカメラ画像でもこれまでのrF2では見られなかった反射表現が実現されています。もしこの環境で満足なFPSが出るようであれば、ぜひとも採用したいところです。

 

[SSR] High

 Highの設定では、FPSはMAX70程度。このホームストレートでは60程度にまで上昇しました。一見すると何も問題のない反射状況に見えますが、どうやらUltraと比べると遠方の反射表現が省略されているようです。しかし、正直言ってこれだけ表現してくれていれば十分な気がしますし、TVカメラ視点で見てもあまり違いを感じませんでした。High設定でも、十分な描写を得られると言えるでしょう。

 

[SSR] Medium

 Medium設定では、最大FPSは75程度、このストレートで60程度となりました。UltraからHighに変えたときほどの差はなく、コクピット視点でもあまり変化を感じませんでした。ただ、右の画像のようにTVカメラ視点での車両の屋根が透けるようになり、角度によっては骨組みのように見えてしまうことも。どうやら見た目以上に簡素化されているようですが、まだまだ実用には問題ないレベルと言えます。

 

[SSR] Low

 Low設定では、最大FPSは86、ストレートで75付近をマークしました。ただし、反射されるオブジェクトの描写に関してはかなり雑になった印象もあり、右のTVカメラ視点ではついに車両が映らなくなっています。配信などを行うには少し物足りないレベルになりましたが、それでもこの描写の軽さはとても魅力的です。

 

 

[SSR] Off

 最後は[SSR]Offをテスト。Offなので路面反射は無くなるかと思いきや、意外と雨に濡れていることが分かる状態が保たれています(理由はのちほど)。ただし、コース上やその他のオブジェクトは殆ど反射せず、TVカメラでは車体も全く映りませんでした。それでも最大FPS88、ストレートで75という数値はとても魅力的であり、コクピット視点ではあまり気にならないのかもしれません。

 

Environment Reflectionとの関係

 さて、"何故[SSR]Offなのに路面が反射するのか"についてですが、これにはrF2でのもう一つの反射設定である、"Environment Reflection(環境反射、以下ER)"という項目が関わっています。このERは元々、路面以外、例えば車体に映り込むオブジェクトの反射を司る設定となっており、雨や路面の反射とは別のものとして動作していました。しかし、どうやら今回SSRを導入したことによりその状況に変化が現れ、ERが路面の反射にも影響を及ぼすようになったようです。

 

 こちらの画像は[SSR]Medium、ERをOffにした際の画像ですが、路面は少し色合いが異なりながらも雨を映し出し、FPSは最大で90、ストレートで73となり、ERを切ったによりFPSの向上が見込まれる事がわかります。ただし、TVカメラ視点では右画像のようにコース外オブジェクトや空の反射色が不自然になっており、完全にoffにすると見た目にはあまり良い感じにならないことがお分かりになるかと思います。

 

 これを防ぐにはERはLow以上に設定しておくことで、最低限、反射時の色変化を抑えることはできますが、レース時のFPS優先で考えるならOffにしておいても問題ないのかもしれません。

 

 なお、SSRとERの両方を完全にOffにすると、この画像のように路面は何も反射しなくなります。これでは路面がどの程度濡れているのかがなかなか分かりにくいため、PCスペック的にどうしても切らなければならない場合以外は、あまりおすすめできません。

 

まとめ

 この記事ではSSRの効果とPC負荷についてまとめてみましたが、だいたいの感じはお伝えできたでしょうか?このテストでは、LowやOffの時に思ったほどFPSが伸びてくれませんでしたが、これは私が使用するグラボ(GTX1070)が既に古すぎてボトルネックになっているためと推測されます。おそらく、もう少し性能の良いものを使用されている方の場合は、FPSにはもっと差が出ることが予想されます。

 

 ただ、逆に見ると性能の低いグラボでもそこそこの描写は可能になるということであり、昨今のグラボ高騰の煽りを喰っているユーザーとしては、これはありがたいアップデートでもあります。

 

 SSRはこのBuildから導入されたばかりのエフェクトであり、まだまだ設定を詰められる部分はたくさんあると思われます。今回のテスト結果が、少しでも皆さんの描画設定時の参考になれば幸いです。